はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

街散歩~九段界隈

2006年08月09日 | 散歩の記録


6日日曜日、夫と二人で九段界隈を散歩して来ました。
きっかけは、新聞集金人から山種美術館で開催中の展覧会
『旅と画家』展の招待券を貰ったこと。展覧会終了が13日(日)
と迫っており、思い立った時に行かないと見逃しそうだったので。
折しもこの日はWOWOWが『スター・ウォーズ・デイ』。
スター・ウォーズ・フリークの息子は自宅で留守番を希望し、
”親のいぬ間にテレビ三昧”だったようです。

経路は、市ヶ谷駅→炭焼きステーキ店くに→イタリア文化会館
(前を通過)→山種美術館→千鳥ケ淵戦没者墓園→半蔵門駅。


上)炭焼きステーキ店くに店頭、下)落ち着いた雰囲気の店内

九段に行くなら、ランチはお気に入りのハンバーグステーキを
食べたいと思い、靖国通り沿いにある炭焼きステーキ店くに
に行きました。場所は地下鉄市ヶ谷駅A4出口から靖国神社方向へ
徒歩5分といったところでしょうか。以前は「くにえもん」
という名前だったのが「くに」に変わったようです。
(「ペッパーランチという外食チェーン傘下に入ったのかな?)



タマネギ主体のドレッシングがかかった野菜サラダの後、
いよいよハンバーグステーキの登場♪ソースはオニオンソース。
鉄製皿の上で熱々のハンバーグがジュウジュウと音を立てながら
運ばれて来ます。その香ばしさがたまりません。
やっぱりおいしいですねえ。かなりコショウが利いているし、
高カロリーかもしれませんが、たまにはこういうのが食べたい。
付け合わせは季節により違うと思いますが、今回はポテト、
ニンジン、ナス、コーンにパセリ。

げんこつハンバーグ200gが980円、Aセット(サラダと
ライスorパン)が350円。これにドリンク(300~400円)で、
お値段は一人1700円前後でした。満足満足♪



腹ごしらえを済ませて、いざ美術館へ。
内堀通りを山種美術館に向かって下っている途中に、
最近景観論争を巻き起こしたイタリア文化会館がありました。
背後には千鳥ケ淵が控え、周囲には高級マンション等が
建ち並んでいます。
私の印象では、問題となった壁の赤色は、イタリア側が
主張する日本の美を象徴するような漆器の朱色を連想させ、
どぎつさもなく、周囲の景観から浮いているようには
見えませんでした。深緑色の窓との調和も美しかった。
しかし、やはり土地柄なんでしょうか。場所によっては、
一般的な美観より優先されるべき事柄もあるわけで…



以前は別の場所にあった山種美術館。今は三番町KSビル
1階にあります。最寄り駅は半蔵門駅。駅から徒歩10分の位置。
山種証券の創業者、故山崎種二氏の膨大なコレクションを
テーマ毎に展示する美術館です。しかし、かなり小ぶりで、
美術館というより、ギャラリー(画廊)といった趣。
佐伯祐三、東山魁夷、竹内栖鳳、歌川広重、奥村土牛、
速水御舟、平山郁夫と言った画家の作品が並んでいました。
その中で私が気に入ったのは、壁一面を占めた石田武の《鳴門》。
鳴門の渦を描いた横長の大作。作家70歳の時の作品です。
国立西洋美術館にはピカソの《男と女》という作品が
ありますが、これも作家が80歳を超えて描いた比較的大きな
作品。老練作家達の人並み外れた創作エネルギーを感じます。
奥村土牛の作品は4点の出展でしたが、写真の《那智》のように、
極限までの省略の美とでも言いましょうか。形態の描線も
色彩も最少限に抑えながら、見事に対象を表現している。



春には桜の名所で名高い千鳥ケ淵。そのすぐ近く、内堀通りから
見ると山種美術館の裏手に、千鳥ケ淵戦没者墓園があります。
これも今回散歩の道すがら偶然知りました。せっかくだからと
美術館からの帰途寄ってみました。
蝉時雨のさんざめく深緑の中に、ひっそりと佇む墓園。
ここは第二次世界大戦時に海外で没した無名戦士を弔う目的で
国によって設置された墓所です。思ったより狭小な敷地に、
人影もまばらで、近くの靖国神社の賑わいとは大きく違う。
納骨堂前では時節柄、慰霊祭が開かれていました。
20人ばかりの遺族が参列しての小規模なもので、
もしかして小部隊単位の慰霊祭だったのでしょうか?
墓所入り口近くに集会所兼休憩所があり、
その入り口の自動販売機で飲み物を買って、
中で休憩することにしました。
入ると右手にはちょっとした展示コーナーがあり、
各地での遺骨収集の様子を撮影した写真や、兵士の遺品の数々に
混じって、ある部隊の生存者達が戦没した同胞への哀悼を込めて
贈ったらしい花嫁装束の美しい日本人形の姿もありました。
妻をめとることなく散った仲間へ、日本一の花嫁を贈る、
といったようなメッセージが添えられていました。切ないですね。

その集会所の前に、身の丈が150㎝は超えた蓮が、
一輪の美しい華を咲かせていました。


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