はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

止むことのない憎悪の連鎖

2006年08月11日 | 気になったニュース
主宰するBBSのスレッドより

展覧会にしても、映画にしても、
作品そのものを見るだけでなく、
作品を通して感じること、考えることは沢山ありますね。
ひとつには、作品を生み出した国や地域のこと。

Sさんが、東京都美術館で開催中の『ペルシャ文明展』の
展示品から感じた、イランの米国に対する思いは、
あながち外れていないのでは?
執拗に核開発中止を迫る米国に対し、
一切聞く耳を持たないイラン。
古い歴史を持つ国々は自国に対して
並々ならぬプライドを持っていて、
新興でありながら力を持った米国のような国に対しては、
屈折した思いを抱いているんでしょうね。
「何を言うか、若造が…」と言ったところでしょうか。
とにかく、より古い歴史(遙か昔に高度な文明を築いた先達としての?)
を根拠に優越感を持っているのは確か。
日本に対する中国や韓国のそれも同様でしょう。
(同時に戦後経済大国化した日本に対するライバル意識
にも並々ならぬものがある?)

また、圧倒的な力で以て、
高圧的に相手をねじ伏せようとする手法は、
やられる側の反発を呼ぶのは必至です。
米国しかり。イスラエルしかり。
圧倒的に優位にある国こそ謙虚にならなければ、
相手国からの信頼も尊敬も得られない。
親切心さえ仇になることがあるんですよね。
援助しても感謝されるどころか
却って憎悪や嫉妬の対象になるとか。

昨日は英国で大規模なテロ計画が発覚し、
現時点で24人の逮捕者が出ました。
一説によれば、全て(殆どが?)英国生まれの
パキスタン系英国人で、
20代を中心に17歳の少年!も含まれるらしい。
英国生まれの彼らが、なぜテロ行為に走ったのか?
その原因には根深いものがあるに違いない。
イスラム教への偏見、英国社会における移民の立場
(【追記】特に2世のアイデンティティの問題
~自分達は英国人なのか、所詮パキスタン人でしかないのか、
悩んだ末にイスラム教への傾倒を深めるらしい)

貧困、就職難等さまざまなマイナス要因が、
結果的に若い彼らを、
アルカイーダのような国際テロ組織の洗脳の罠へと
追い込んでしまうのか?

一方で昨夜は、埼玉ライオンズ・クラブを中心とした
日本の有志の援助によって
イラクのサマワに孤児院が完成したとの報道もありました。
その設立運動には、イラクで相次いだ襲撃事件で
命を落としたジャーナリスト故橋田信介氏夫人、
幸子さんも関わっています。
その幸子さんも臨席して、
このほど完成記念式典が日本で行われたようです。
そこで挨拶に立った、中東専門家としても著名な人物の言葉が
印象に残ります(正確な引用ではありませんが、以下のような
ニュアンスでした)。
「厳しい環境に立たされた子供達が、
テロリストになることのないように、
この施設が役立って欲しい」

今回の内偵捜査は9カ月に及ぶもので、
あの007のMI5と警察の連携が奏功したのだとか。
英国発米航空機10機を同時爆破するという
未曾有の大惨事を未然に防げたものの、
あの9.11から丸5年を迎えようとしている
この時期に計画されたテロ。
力でねじ伏せようとする手法の限界を
まざまざと見せつけられたようです。
憎悪の連鎖を断つ方法は何なのか?
力を持った国々は真剣に考えるべきなのかもしれない。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 街散歩~九段界隈 | トップ | トランスアメリカ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。