12月30日付朝日新聞の世論調査記事を読んだ。「首相は現在、国会議員の中から選ばれています。仮に首相が国会議員以外からも選ばれる制度に変わったら、だれがふさわしいとおもいますか。今生きている日本人の中から1人だけあげてください」(自由回答)という質問に対する回答が、
①石原慎太郎
②橋下徹
③小泉純一郎
④北野武
⑤池上彰
⑥東国原英夫
⑦小沢一郎
⑧孫正義
⑨石破茂
⑩前原誠司
の順になっていた。
質問した方の姿勢も、回答した方の態度も笑えてくる。
この手の仮定の質問は「世論」調査にはなじまない。これが世論調査だというのであれば、「社長、部長、係長に迎えたい日本人トップ10」のような、よくある人気投票も「世論」調査になる。世論調査はpublic opinion pollで、popularity ranking とは一線を画すものだ。
この人気投票結果を解説した政治理論専攻の杉田敦は「1位の石原氏も2位の橋下氏もそれぞれ(回答の)1割に満たなかった。有権者はポピュリズムを求めているわけではない。ちゃんとした政党、政治家、首相が出てきて、自分たちのほうを向くのを待っている状態ではないか」と意味づけをした。
これからの日本のかじ取りをゆだねたい人10人の名前を眺めていると、笑いがこみあげてくる。そしてその笑いをもたらすものがブラックユーモアであることを知る。ブラックユーモアの先にあるのは、この国に対するどうしようもない絶望感である。
(2011.12.30 花崎泰雄)