こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

カサコソ

2015年11月24日 01時01分47秒 | 文芸
 夜中に目が覚めた。

「カサコソ、カサコソ」

 枕もとでする変な音。

慌てて部屋の明かりをつけると、変な音も消えた。

辺りをさぐっても別に何もいない。

しかし、眠るとまた、

「カサコソカサコソ」

 急いで明るくしても、やはり変わりない。

そこで今度は明りをつけたまま寝た。

「カサコソカサコソ」

 また音が。

寝た姿勢で顔を向けると、むこうもこっちを見ていた。

食べ残しのお菓子の袋から顔を覗かせたのは、小さな小さなネズミ。

キョトンとした目が可愛い。

どうやらお菓子の食べ残しにつられて来たらしい。

 翌日から、枕もとにわざわざお菓子の袋を開けて置いた。

そして、あの音で可愛いネズミを思い浮かべて、ひとり幸せを感じた。 

 社会に出て、狭いアパート暮らしの孤独な私を癒してくれたネズミ。

おとぎ話の主人公気分を味わった日々が、時々懐かしくなる。
コメント
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