こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

恩師を偲ぶ

2022年07月31日 11時54分05秒 | 日記
 古い友人からメールが届きました。十数年、年賀状のやり取りだけで、出会う機会もなかった相手です。

「新聞を見たよ。元気にやってるなあと嬉しくなってメールしちゃいました」

 先日地方紙の文芸欄で月間賞に入った作品が掲載されていたのを見てくれたようでした。

すぐ電話をかけてみました。年上ですが声は昔その儘です。田舎で独り暮らし、饒舌になるのは私も同じです。でもショックな報告がありました。

「О先生、先月亡くなったぞ」

 エッセーで思い出を語り、感謝してやまなかった恩師の死。言葉を失いました。

 五年前に九〇歳の誕生祝いをしたのが最後に音信が取れなくなりました。消息を知るすべもなく今日に至っていました。家族もなく一人暮らしを謳歌されていたので、何かあり施設に入られているのではないかと推察はできたのですが、どうしようもありませんでし 

出会った時、書店の店員と客の立場でした。暗い青春を送っていたのを、新しい人生への転機を与えてくださった小学校の先生。

共に汗を流し文芸誌を作ったボランティア活動。社会の敗残者になりかねなかったのを救われた思いでした。

仕事が軌道に乗り、先生との接点は、狭まりましたが、先生は常に見守ってくださっていました。

「見たよ。君のエッセー、いいなあ」

 地方紙の片隅に載った投稿作品の一つ一つを見逃すことなく、いつも誉め言葉を頂いた。ボランティアでやっている紙芝居でイベントをやると、必ず先生の顔があったのです。そして「よかったよ、子供たちも大喜びじゃないか」褒めちぎってくださった。

「九〇?まだまだ、君に負けてられないよ」

 最後の誕生祝いの席でやる気満々だった姿が思い浮かびます。私の人生の恩師の生誕103歳を祝し「乾杯~!」泣きたくなります。

コメント
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