『春嵐 温暖化でも 凄まじき』
(はるあらし おんだんかでも すさまじき)
『犬ふぐり 道端日向 咲き乱れ』
(いぬふぐり みちばたひなた さきみだれ)
『酒盃に 散りし花びら 梅の花』
(さかずきに ちりしはなびら うめのはな)
『梅の花 ひとり見とれて 日の暮れて』
(うめのはな ひとりみとれて ひのくれて)
『白梅は 色白美人 香もよし』
(しらうめは いろじろびじん こうもよし)
『山の辺の 菫恋しや 石仏』
(やまのべの すみれこいしや いしぼとけ)
『春暁や 昨日のことを 覚えざり』
(しゅんぎょうや きのうのことを おぼえざり)
『紙風船 舞い上がるごと 萎みけり』
(かみふうせん まいあがるごと しぼみけり)
『雛菊の 団塊思はす 狂い咲き』
(ひなぎくの だんかいおもはす くるいざき)
『廃線の 錆びた鉄路に 土筆立つ』
(はいせんの さびたてつろに つくしたつ)
『土筆咲く 畦で昼寝や 風通る』
(つくしさく あぜでひるねや かぜとおる)
『この筆で 書いてみたいよ 筆の花』
(このふでで かいてみたいよ ふでのはな)
『三椏は 三姉妹でも 恥ずかしげ』
(みつまたは さんしまいでも はずかしげ)
『花馬酔木 春日の社の 防人か』
(はなあしび かすがのやしろの さきもりか)