『神知るや 木蓮の花 上を向く』
(かみしるや もくれんのはな かみをむく)
『咲き遅る 桜木の下 凍え居り』
(さきおくる さくらぎのもと こごえおり)
『散髪を すれば若さが 今や春』
(さんぱつを すればわかさが いまやはる)
『春の日に 何するでなく 昼下がり』
(はるのひに なにするでなく ひるさがり)
『春の昼 真昼の昼寝 我が得意』
(はるのひる まひるのひるね わがとくい)
『紫雲英畑 そっとそっとそうっと 寝転がり』
(れんげばた そっとそっとそうっと ねころがり)
『若緑 老い道楽に 不相応』
(わかみどり おいどうらくに ふそうおう)
『卒業と 聞かば胃液の 充満す』
(そつぎょうと きかばいえきの じゅうまんす)
『デジカメで 有っても無くても 春は春』
(でじかめで あってもなくても はるははる)
『華となる 花は莟よ 文字通り』
(はなとなる はなはつぼみよ もじどおり)
『三月は 別れの季節 ああ涙』
(さんがつは わかれのきせつ ああなみだ)
『紫雲英畑 土俵を作り 八卦良い』
(れんげばた どひょうをつくり はっけよい)
『春や春 伊東の岬 恋しかり』
(はるやはる いとうのみさき こいしかり)
『パソコンの ウォールペーパー 春岬』
(ぱそこんの うぉーるぺーぱー はるみさき)
『眺めては 顔を赤らめ 春岬』
(ながめては かおをあからめ はるみさき)
『春の宵 濡れた唇 艶めかし』
(はるのよい ぬれたくちびる なまめかし)
『君戀し ひとり更け行く 春の夜や』
(きみこいし ひとりふけゆく はるのよや)
『古都風情 桜柳の 色付きは』
(ことふぜい さくらやなぎの いろづきは)
『雪柳 静かに閑に 君想う』
(ゆきやなぎ しずかにしずかに きみおもう)
『初花や 地は大揺れに 北の国』
(はつはなや ちはおおゆれに きたのくに)