『春鯨 想い届かぬ 野生あり』
(はるくじら おもいとどかぬ やせいあり)
『春なれや 朝昼なしに まどろみぬ』
(はるなれや あさひるなしに まどろみぬ)
『好物を 贈られ気にす 春の腹』
(こうぶつを おくられきにす はるのはら)
『春照らす 練行衆の 道灯り』
(はるてらす れんぎょうしゅうの みちあかり)
『達蛇帽 頂かせたき 桃の花』
(だったんぼう いただかせたき もものはな)
『水禁池 寡黙動転 回の春』
(すいきんち かもくどうてん かいのはる)
『雲雀の音 魂いまだ 見つからず』
(ひばりのね たましいいまだ みつからず)
『ままごとの 種ことかかず 山笑う』
(ままごとの たねことかかず やまわらう)
『ぜんまいの 伸ばしてみたき はてなかな』
(ぜんまいの のばしてみたき はてなかな)
『花菜畑 夕日に染まり 暮れ泥む』
(はななばた ゆうひにそまり くれなずむ)
『盆梅の 写真欲しいと せがまれて』
(ぼんばいの しゃしんほしいと せがまれて)
『頂きに 立てば春風 透き通る』
(いただきに たてばはるかぜ すきとおる)
『卒業式 剪定されし 杉数本』
(そつぎょうしき せんていされし すぎすうほん)