俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

2007年03月16日 | 俳句

『春鯨 想い届かぬ 野生あり』
(はるくじら おもいとどかぬ やせいあり)

『春なれや 朝昼なしに まどろみぬ』
(はるなれや あさひるなしに まどろみぬ)

『好物を 贈られ気にす 春の腹』
(こうぶつを おくられきにす はるのはら)

『春照らす 練行衆の 道灯り』
(はるてらす れんぎょうしゅうの みちあかり)

『達蛇帽 頂かせたき 桃の花』
(だったんぼう いただかせたき もものはな)

『水禁池 寡黙動転 回の春』
(すいきんち かもくどうてん かいのはる)

『雲雀の音 魂いまだ 見つからず』
(ひばりのね たましいいまだ みつからず)

『ままごとの 種ことかかず 山笑う』
(ままごとの たねことかかず やまわらう)

『ぜんまいの 伸ばしてみたき はてなかな』
(ぜんまいの のばしてみたき はてなかな)

『花菜畑 夕日に染まり 暮れ泥む』
(はななばた ゆうひにそまり くれなずむ)

『盆梅の 写真欲しいと せがまれて』
(ぼんばいの しゃしんほしいと せがまれて)

『頂きに 立てば春風 透き通る』
(いただきに たてばはるかぜ すきとおる)

『卒業式 剪定されし 杉数本』
(そつぎょうしき せんていされし すぎすうほん)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お水取り

2007年03月15日 | 俳句

『夕椿 蕾を好む 人多し』
(ゆうつばき つぼみをこのむ ひとおおし)

『犬ふぐり たむろして咲き 青くさし』
(いぬふぐり たむろしてさき あおくさし)

『老木も 春を纏いて 一人起つ』
(ろうぼくも はるをまといて ひとりたつ)

『その通り 春の小川は さらさらと』
(そのとおり はるのおがわは さらさらと)

『君が艶 君が薫りよ 春が来た』
(きみがつや きみがかおりよ はるがきた)

『良寛や 手まりで遊ぶ 春の妹よ』
(りょうかんや てまりであそぶ はるのこよ)

『初花や 開花予報に ミスのあり』
(はつはなや かいかよほうに みすのあり)

『お水取り 今日で最後 春本番』
(おみずとり きょうでさいご はるほんばん)

『佐保姫の 土筆の筆や 春景色』
(さほひめの つくしのふでや はるげしき)

『春半ば 団塊のヒーロー 死すニュース』
(はるなかば だんかいのひーろー しすにゅーす)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チャングム

2007年03月14日 | 俳句

『人は華 花は莟ぞ 若人よ』
(ひとははな はなはつぼみぞ わこうどよ)

『冴え返り 窓より射す陽 うす寒き』
(さえかえり まどよりさすひ うすさむき)

『夢の中 何を卒業 土筆生う』
(ゆめのなか なにをそつぎょう つくしはう)

『春の夢 妹の夢見て 枕濡る』
(はるのゆめ いものゆめみて まくらぬる)

『冴え返り 今宵も酒の 欲しきもの』
(さえかえり こよいもさけの ほしきもの)

『春うらら 頓智話を 思い出し』
(はるうらら とんちばなしを おもいだし)

『貧乏や 金は浮世の 逃げ水よ』
(びんぼうや かねはうきよの にげみずよ)

『春の風 どこでも死ねる 虫になる』
(はるのかぜ どこでもしねる むしになる)

『春の石 鳥居の上に 幾つある』
    (はるのいし とりいのうえに いくつある)

『石蹴りの 線引く妹に 春の陽の』
(いしけりの せんひくいもに はるのひの)

『チャングムの 歌に聞き入る 春の午後』
(ちゃんぐむの うたにききいる はるのごご)

『春の午後 立ち飲み一杯 ここ十三』
(はるのごご たちのみいっぱい ここじゅうそう)

『春の花 花よ花よも 今だけよ』
(はるのはな はなよはなよも いまだけよ)

『空の下 草に寝てみりゃ 風光る』
(そらのした くさにねてみりゃ かぜひかる)

『白梅に 文を結びて 君偲ぶ』
(しらうめに ふみをむすびて きみしのぶ)

『君の名を 春の小川に 指で書く』
(きみのなを はるのおがわに ゆびでかく)

『春の戀 たゆとう波に 揺れ流る』
(はるのこい たゆとうなみに ゆれながる)

『夢見月 ゆめのようなる 夢を見る』
(ゆめみづき ゆめのようなる ゆめをみる)

『猫柳 蕾と花の 二度の味』
(ねこやなぎ つぼみとはなの にどのあじ)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春嵐

2007年03月13日 | 俳句

『春嵐 温暖化でも 凄まじき』
(はるあらし おんだんかでも すさまじき)

『犬ふぐり 道端日向 咲き乱れ』
(いぬふぐり みちばたひなた さきみだれ)

『酒盃に 散りし花びら 梅の花』
(さかずきに ちりしはなびら うめのはな)

『梅の花 ひとり見とれて 日の暮れて』
(うめのはな ひとりみとれて ひのくれて)

『白梅は 色白美人 香もよし』
(しらうめは いろじろびじん こうもよし)

『山の辺の 菫恋しや 石仏』
(やまのべの すみれこいしや いしぼとけ)

『春暁や 昨日のことを 覚えざり』
(しゅんぎょうや きのうのことを おぼえざり)

『紙風船 舞い上がるごと 萎みけり』
(かみふうせん まいあがるごと しぼみけり)

『雛菊の 団塊思はす 狂い咲き』
(ひなぎくの だんかいおもはす くるいざき)

『廃線の 錆びた鉄路に 土筆立つ』
(はいせんの さびたてつろに つくしたつ)

『土筆咲く 畦で昼寝や 風通る』
(つくしさく あぜでひるねや かぜとおる)

『この筆で 書いてみたいよ 筆の花』
(このふでで かいてみたいよ ふでのはな)

『三椏は 三姉妹でも 恥ずかしげ』
(みつまたは さんしまいでも はずかしげ)

『花馬酔木 春日の社の 防人か』
(はなあしび かすがのやしろの さきもりか)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戀椿

2007年03月12日 | 俳句

『春の朝 雲低くして 空を割る』
(はるのあさ くもひくくして そらをわる)

『春の朝 夢醒めるまで 床の中』
(はるのあさ ゆめさめるまで とこのなか)

『校庭の 白木蓮の蕾 弾けつつ』
(こうていの はくれんのつぼみ はじけつつ)

『読経も 子守唄なり 春の午後』
(どきょうも こもりうたなり はるのごご)

『空の下 蓮華畑で 昼寝する』
(そらのした れんげばたけで ひるねする)

『陽を浴びし 三色菫 嫁の作』
(ひをあびし さんしょくすみれ よめのさく)

『花馬酔木 赤面の花 見受けられ』
(はなあしび せきめんのはな みうけられ)

『駅前の 蒲公英の花 黄の濃ゆく』
(えきまえの たんぽぽのはな きのこゆく)

『道の辺に 一段赤く 戀椿』
(みちのべに いちだんあかく こいつばき)

『黄帽まぶし 遠足の子の 信号待つ』
(きぼうまぶし えんそくのこの しんごうまつ)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

闘鶏

2007年03月11日 | 俳句

『蒲公英の 飛び行く絮の 空に消え』
(たんぽぽの とびゆくわたの そらにきえ)

『思いのほか 当たり冷たき 春の風』
(おもいのほか あたりつめたき はるのかぜ)

『卒業は 男の意地と 今昔』
(そつぎょうは おとこのいじと いまむかし)

『暦では 桃の始めて 咲く季節』
(こよみでは もものはじめて さくきせつ)

『春の宵 遅れし時計 二つあり』
(はるのよい おくれしとけい ふたつあり)

『花ならば なって欲しきや 黄水仙』
(はなならば なってほしきや きすいせん)

『闘鶏と 聞けば浮かぶよ 祖父の顔』
(とうけいと きけばうかぶよ そふのかお)

『ご近所で 咲きし木蓮 嫁自慢』
(ごきんじょで さきしもくれん よめじまん)

『傘無しで 好きと思える 春の雨』
(かさなしで すきとおもえる はるのあめ)

『春うらら なぜなぜなぜと 妹の問う』
(はるうらら なぜなぜなぜと いものとう)

『花菜雨 去年も雨の 一周忌』
(はななあめ きょねんもあめの いっしゅうき)

『一周忌 白梅に降る 涙雨』
(いっしゅうき はくばいにふる なみだあめ)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春宵一刻

2007年03月10日 | 俳句

『この頃は 涙ももろく 春おぼろ』
(このごろは なみだももろく はるおぼろ)

『心にも 一輪の花 華開く』
(こころにも いちりんのはな はなひらく)

『雪柳 風にそよいで 雪の舞う』
(ゆきやなぎ かぜにそよいで ゆきのまう)

『初花は 微笑み返し にっこりと』
(はつはなは ほほえみかえし にっこりと)

『春の雪 手の平に落ち 溶けて消ゆ』
(はるのゆき てのひらにおち とけてきゆ)

『春の夢 笑顔の君と 逢いしこと』
(はるのゆめ えがおのきみと あいしこと)

『梅に雪 紅は鮮やか 白清く』
(うめにゆき べにはあざやか しろきよく)

『この春に 欲しきものあり 雪柳』
(このはるに ほしきものあり ゆきやなぎ)

『フラッシュで 赤み増したり 紅の梅』
(ふらっしゅで あかみましたり べにのうめ)

『月陰り 春宵一刻 雲流る』
(つきかげり しゅんしょういっこく くもながる)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

二月堂修二会

2007年03月09日 | 俳句

『見渡せば 春日の野辺に 霞かな』
(みわたせば かすがののべに かすみかな)

『春の野辺 風っていいね 乗りたいね』
(はるののべ かぜっていいね のりたいね)

『山裾に 紅梅香る 社有り』
(やますそに こうばいかおる やしろあり)

『春の音 結びの神の 土鈴かな』
(はるのおと むすびのかみの どれいかな)

『梅の香は 甘くすっぱく 戀の味』
(うめのかは あまくすっぱく こいのあじ)

『君知らず 恋焦がれての 春の雨』
(きみしらず こいこがれての はるのあめ)

『春の朝 友の夢見て 飛び起きぬ』
(はるのあさ とものゆめみて とびおきぬ)

『浅みどり 枝垂れし柳 花はまだ』
(あさみどり しだれしやなぎ はなはまだ)

『その光 優しく包む 朧月』
(そのひかり やさしくつつむ おぼろづき)

『風に乗り 蒲公英の絮 ふわふわり』
(かぜにのり たんぽぽのわた ふわふわり)

『二月堂 紙で作りし 赤椿』
(にがつどう かみでつくりし あかつばき)

『陽炎や 会いたや見たや 一目でも』
(かげろうや あいたやみたや ひとめでも)

『陽炎や 一期一会の 契りなり』
(かげろうや いちごいちえの ちぎりなり)

『春の野に 妹の絵問えば 空と言う』
(はるののに いものえとえば そらという)

『いつの日か 椿の好きな 妹となれ』
(いつのひか つばきのすきな いもとなれ)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花大根

2007年03月08日 | 俳句

『冴え返り 道端の花 みなつぼむ』
(さえかえり みちばたのはな みなつぼむ)

『ペンペンと 三味線草の 音微か』
(ぺんぺんと しゃみせんぐさの おとかすか)

『花大根 日陰の花も 陽を受けて』
(はなだいこ ひかげのはなも ひをうけて)

『春疾風 天の悪戯 大暴れ』
(はるはやて てんのいたずら おおあばれ)

『春泥や 妹の飛び込む 水溜り』
(しゅんでいや いものとびこむ みずたまり)

『春の雨 白い小石の きらきらり』
(はるのあめ しろいこいしの きらきらり)

『道草や 遠い昔の 春の雲』
(みちくさや とおいむかしの はるのくも)

『田も畦も 菜の花一杯 春いっぱい』
(たもあぜも なのはないっぱい はるいっぱい)

『微笑みて 菜の花畑 月明り』
(ほほえみて なのはなばたけ つきあかり)

『春半ば 雪降らねども 春半ば』
(はるなかば ゆきふらねども はるなかば)

『春風に 追われ追われて ペダル漕ぐ』
(はるかぜに おわれおわれて ぺだるこぐ)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明けの明星

2007年03月07日 | 俳句

『朝寝から 寝ずっぱりなり 昼寝まで』
(あさねから ねずっぱりなり ひるねまで)

『会わずとも 心伝わり 梅の花』
(あわずとも こころつたわり うめのはな)

『夢に見し 君の微笑み 春の午後』
(ゆめにみし きみのほほえみ はるのごご)

『梅の花 胸の熱さを 君知るや』
(うめのはな むねのあつさを きみしるや)

『玉椿 濡れし葉の陰 顔を出し』
(たまつばき ぬれしはのかげ かおをだし)

『藪椿 散りにし後も 上を見ん』
(やぶつばき ちりにしのちも うえをみん)

『声すれど 姿は見えず 梅の花』
(こえすれど すがたはみえず うめのはな)

『春暁や 明星キラリ 東空』
(しゅんぎょうや みょうじょうきらり ひがしぞら)

『冴え返り 鯉川底に 鎮座する』
(さえかえり こいかわぞこに ちんざする)

『冴え返り 修二会の僧の 息白し』
(さえかえり しゅうじかいのそうの いきしろし)

『二月堂 欄干に見し 朧月』
(にがつどう らんかんにみし おぼろづき)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春疾風

2007年03月06日 | 俳句

『子雀の 雨宿りする バスストップ』
(こすずめの あまやどりする ばすすとっぷ)

『春の雲 今日は東に 明日西に』
(はるのくも きょうはひがしに あすにしに)

『梅が香に 心開きて 君がこと』
(うめがかに こころひらきて きみがこと)

『月の夜に 香り漂う 梅の花』
(つきのよに かおりただよう うめのはな)

『暮泥む 春の日流れ 紫に』
(くれなずむ はるのひながれ むらさきに)

『春うらら 老いの哀れを 誰語ろ』
(はるうらら おいのあわれを だれかたろ)

『春の野の 花になりたき 風もある』
(はるののの はなになりたき かぜもある)

『春疾風 トラック倒して 大暴れ』
(はるはやて とらっくたおして おおあばれ)

『初花や 遊びし妹を 思い出し』
(はつはなや あそびしいもを おもいだし)

『初花や 冷たき風に 逆らいて』
(はつはなや つめたきかぜに さからいて)

『シャックリは 収まりきらず 雛収む』
(しゃっくりは おさまりきらず ひなおさむ)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春の色

2007年03月05日 | 俳句

『雛祭 女の宴で 二日酔い』
(ひなまつり おんなのえんで ふつかよい)

『春愁 祭りの後の けだるさや』
(はるうれい まつりのあとの けだるさや)

『春暁や 酒の助けか 長眠り』
(しゅんぎょうや さけのたすけか ながねむり)

『春の夢 目覚めてみれば なんのこと』
(はるのゆめ めざめてみれば なんのこと)

『我に似て 卒業延期の 生徒居て』
(われににて そつぎょうえんきの せいといて)

『山路来て 春の霞の 明日香村』
(やまじきて はるのかすみの あすかむら)

『春の鳥 空の向こうに 鳴き届け』
(はるのとり そらのむこうに なきとどけ)

『春の色 ここもかしこも 深くなり』
(はるのいろ ここもかしこも ふかくなり)

『春草に 舞い下り光る 一雫』
(はるくさに まいおりひかる ひとしずく)

『砂浜の 足跡ゆらぐ 春の海』
(すなはまの あしあとゆらぐ はるのうみ)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

列列椿(つらつらつばき)

2007年03月04日 | 俳句

『咲き誇る つらつらつらら つら椿』
(さきほこる つらつらつらら つらつばき)

『桜餅 一つで充分 嫁二つ』
(さくらもち ひとつでじゅうぶん よめふたつ)

『雛祭 甘より辛の 梅の酒』
(ひなまつり あまよりからの うめのさけ)

『佐保姫は 如何にしてある 雛祭』
(さほひめは いかにしてある ひなまつり)

『散歩兼ね 塀越しに見る 梅見かな』
(さんぽかね へいごしにみる うめみかな)

『春の夜に 六等星の 輝けり』
(はるのよに ろくとうせいの かがやけり)

『ありなしや 朝寝の嫁の 息を見る』
(ありなしや あさねのよめの いきをみる)

『春探す 奇人変人 少なかり』
(はるさがす きじんへんじん すくなかり)

『春はまづ かろのうろんよ ふるさとの』
(はるはまづ かろのうろんよ ふるさとの)

『ブランコや 天と地を蹴り 裏表』
(ぶらんこや てんとちをけり うらおもて)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

百佳優美

2007年03月03日 | 俳句

『桃の花 百佳優美の 世界なり』
(もものはな ひゃくかゆうびの せかいなり)
                          =2600

『桃の花 喜び一段 初節句』
(もものはな よろこびいちだん はつぜっく)

『桃の花 気立ての良い娘を 思わせし』
(もものはな きだてのよいこを おもわせし)

『乙女娘の 紅匂う 桃の花』
(おとめごの くれないにおう もものはな)

『山の辺の 昔なつかし 花菫』
(やまのべの むかしなつかし はなすみれ)

『春雨に 裾を濡らして 石舞台』
(はるさめに すそをぬらして いしぶたい)

『遊ぶ妹の 楽しき声に 春うらら』
(あそぶこの たのしきこえに はるうらら)

『紅梅の まぶしきほどに 照り映えり』
(こうばいの まぶしきほどに てりはえり)

『卒論の 発表終えて 山笑う』
(そつろんの はっぴょうおえて やまわらう)

『日曜に 延期されたる 雛祭り』
(にちように えんきされたる ひなまつり)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初節句

2007年03月02日 | 俳句

『春の気に 何もせぬ暇 間が持たぬ』
(はるのきに なにもせぬひま まがもたぬ)

『春の闇 浪花の駅の 手探りよ』
(はるのやみ なにわのえきの てさぐりよ)

『野にありて 淡き光の 菫かな』
(のにありて あわきひかりの すみれかな)

『春の午後 あのねあのねと 妹の声』
(はるのごご あのねあのねと いものこえ)

『春雨に 黄色の長靴 ギュッと鳴る』
(はるさめに きいろのながぐつ ぎゅっとなる)

『蒲公英の 絮吹きて追う 妹七つ』
(たんぽぽの わたふきておう いもななつ)

『蒲公英の 花びら川に 絮空に』
(たんぽぽの はなびらかわに わたそらに)

『春風の 吹き止む間にぞ 相見んと』
(はるかぜの ふきやむまにぞ あいみんと)

『菜の花や 蓮華畑と 碁盤の目』
(なのはなや れんげばたけと ごばんのめ)

『段々の 菜の花畑 海に出る』
(だんだんの なのはなばたけ うみにでる)

『初節句 祝の文を 嫁認む』
(はつぜっく いわいのふみを よめしたたむ)

『桃咲きて 節句の仕度 済みし由』
(ももさきて せっくのしたく すみしよし)

『春雨や 霞掛かりたり 野も空も』
(はるさめや かすみかかりたり のもそらも)

『畑のすみ 微笑み返す 野路菫』
(はたのすみ ほほえみかえす のじすみれ)

『猫柳 ほほけて色気 増しにけり』
(ねこやなぎ ほほけていろけ ましにけり)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする