HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

いい音!♪

2009年03月18日 | レッスン日記(小中高生)
Rくん(小1):
毎週、なんとかかんとかひととおりピアノを弾かせるのがやっと、というRくん。
それでも以前に比べたら、ぐずぐず言わずに一応弾くようにはなってきてるけど、意欲的に、という姿勢からはほど遠い状態です。
今日は、「バーナム」がなんとか区切りにたどり着き、12番の「元気いっぱい、さあひこう」になりました。
右手のメロディーに対し、左手でCとG7のコードをジャーン、とおさえる伴奏がついています。
和音が並んでいる譜面を見ただけで、Rくんは「やだ。むずかしい」と敬遠して、さっさと退散しようとします。
それをうまいことダマし誘導し、やっとピアノの鍵盤に両手を置いたRくん。
「これでいいのかな」と ひとたび音を出したら・・・
その音は深く力強く、あっと驚くような美しい音色なのでした。
Rくん、こんないい音出せるんじゃない。もっと真剣に弾いたら、すばらしい演奏できそうなのに・・・
そう思いながらも、玄関にお母さんがお迎えにみえた気配がしたので、
「じゃ、おしまいね」とレッスンを終えました。
玄関で待っていらしたお母さんは、
「今の、Rが弾いてたんじゃないよね?」と言いました。
やっぱり。すごい立派な音、と感じられたんだ。
「いいえ~、『R』が弾いたんですよ!」と言うと、お母さんはびっくり。
「えーっ、あんな上手な音、Rじゃないと思ってた」
これは、かなり本気の驚きだと思います。
それほど、Rくんの音はいいんだ!
いつの日か、かっこいい曲をたっぷり情感こめて弾いてほしい・・・
それには、本人が音楽やピアノに心を揺さぶられ、「弾きたい」と焦がれないとダメだよね。それだけ大人にならなきゃ、ってことだと思うけど・・・

Rくん、早くかっこいい男に成長しておくれ。

UFO

2009年03月18日 | レッスン日記(小中高生)
Y子ちゃん(小3):
大人のテキスト2が修了して、合間のごほうびとして、みんなの人気レパートリー「エリーゼのために」を練習しています。
今日は繰り返し出てくる「A」の部分から進んで、「B」のところを練習してきました。
読譜力があり、曲を読みとることが早くできるので、この曲の中で一番弾きにくいであろうと思われる「B」部分も 問題なく通過することができそうです。

Y子ちゃんは、夏休みのコンサートで、仲良しのM2ちゃんと「UFO」を連弾する!と決めています。
そろそろ楽譜を作ってあげなきゃね、と思って さてアレンジにとりかかってみたのですが・・・

最初は、もうベテランといえるY子ちゃんに 左側ポジションの伴奏パートを弾いてもらい、初心者のM2ちゃんにはメロディーを、と思っていたのですが、ふと違うことを思いつきました。
この「UFO」という曲、よく聞くと、メロディー以外のバックに、さまざまなスピード感あふれるパッセージが矢継ぎ早に投入されています。
せっかく耳慣れたフレーズだから、これを指のよく回るY子ちゃんに弾いてもらったらどうだろう? そのためには、右側に座っててもらわなきゃ。
そして、M2ちゃんはまだピアノ歴浅いけど、しっかりしてるしやる気もあるから、がんばって伴奏パートとメロディーを弾いてもらえるんじゃないか?

そこで、簡単に書いた楽譜を試作し、Y子ちゃんに提案してみました。
「どう? これが弾けたら、すごいゴ~ジャスな『UFO』になるけど」
それをきいたY子ちゃんは、「うわあ・・・」と小さな感嘆の声をあげながら、みるみるニコ~ッと笑いがこみ上げてきます。
「OKだね?じゃ、こんな感じでやってみようよ。途中でいろいろ試しながら、仕上げていこう」
「うん!」
なかなかすてきなUFOができるかも。

そしてY子ちゃんのソロ演奏。
テクニックはだいぶ身についたし、演奏力もある。
あんまり赤ちゃんぽい曲や古色蒼然とした お決まりの曲はつまらない。
かといって、大人の曲ではピンとこないし・・・・
相当長い間 彼女の選曲で悩んだあげく、「これはどう?」と私が選んだのは、ディアベリのソナチネの中から 可憐で軽やかな最終楽章のロンドです。
クラシックバレーをやってるY子ちゃんにとても似合いそうな、まるでバレエ音楽のような雰囲気をもった曲なのです。
「どう、これ?バレエ音楽みたいですてきじゃない?」
「うん、きれい・・・」
「ただ、タイトルがなくてさ・・・また去年と同じ『ロンド』なんだ」
「また『ロンド』?」
「う~ん、でもすてきなイメージが浮かびそうな曲だから、自分でタイトルつけてみたっていいんじゃない?『小さなバレリーナのロンド』とかさ」
「自分でつけるの?」
Y子ちゃんは目を丸くしていますが、私は、それもアリだと思います。
なんにも考えずに、ただ有名曲だからと機械のようにありきたりの曲を弾くより、自分でイメージの翼を広げながら楽しんで弾き、そのイメージを 聞いてくれる人たちにも伝えられるようなタイトルをつけて弾くのは、とってもすてきなことではないでしょうか?!