S子ちゃん(小5):
モーツァルトのソナチネをやり始めてしばらくした頃、
「モーツァルトのことを書いた本ってありますか?」と聞きました。
あるよあるよ。
何をかくそう、「本小僧」のヒバリんちには、膨大な本のコレクションがあるのです。(いちばん充実しているのは子どもの本&絵本です)
「あるよ、マンガだけど」
マンガとあなどるなかれ、下手なクサい「児童用伝記文学」なんかより ずっといいのだぞ、このマンガは。
というわけで、S子ちゃんはそれから毎週1冊ずつ、本を借りていくようになりました。
最初はモーツァルトでしたが、「次からは年代順に読んだ方がよくわかるよ」という先生のススメで、バッハ→ベートーヴェン、と読み進んでいます。
さて、今日もモーツァルトのソナチネ、最初のテーマの部分を弾きましたが、「フォルテやピアノの表現をはっきりつけて弾いてね」と言われたS子ちゃん、ちょっと困った様子。。。
「どんなふうに表現したらいいのかわからない」というのです。
なるほど。ブルクミュラーの「狩」などと違ってソナチネは、具体的なタイトルもないし、描写的なメロディーもありません。
「モーツァルトの時代は、音楽イコール王侯貴族のために演奏する、ということなの」
「えっ、そうなんですか?」
「そう。マンガで読んだように、音楽家はみんな、王侯貴族に雇われていたから、その人たちの晩餐会とかで 心地よい音楽を演奏してたのよ。わかるでしょ?あのころの服装とか室内。カールしたカツラに立派な上着。女性は高く結い上げた縦ロールの髪、大きくスカートが膨らんだドレス。きらびやかなシャンデリアが飾られた宮殿。豪華なごちそうやお酒・・・そういう風景での音楽よ。p(ピアノ)の部分は、小さかったモーツァルトやマリー・アントワネットの姿を想像したらどうかな。宮廷にだって、子どもはいただろうし。f(フォルテ)の部分は、堂々とした王様。少し高くなった音のところは、美しい妃・・・とかさ」
そんな話をした後に もう一度弾いてみたS子ちゃんの演奏は、なんと ちゃんと「18世紀宮廷の音楽」になってました
「ピアノを弾く」ということは、単に指を動かすこととは違います。
自分の心の中の風景、心の中のいろいろな気持ちを、音に乗せて表現するのです。
今日のレッスンでは、イメージする力の不思議なパワー、そしてマンガ「音楽家の伝記」が どんなに役に立つか、ということが証明されたのでした。
モーツァルトのソナチネをやり始めてしばらくした頃、
「モーツァルトのことを書いた本ってありますか?」と聞きました。
あるよあるよ。
何をかくそう、「本小僧」のヒバリんちには、膨大な本のコレクションがあるのです。(いちばん充実しているのは子どもの本&絵本です)
「あるよ、マンガだけど」
マンガとあなどるなかれ、下手なクサい「児童用伝記文学」なんかより ずっといいのだぞ、このマンガは。
というわけで、S子ちゃんはそれから毎週1冊ずつ、本を借りていくようになりました。
最初はモーツァルトでしたが、「次からは年代順に読んだ方がよくわかるよ」という先生のススメで、バッハ→ベートーヴェン、と読み進んでいます。
さて、今日もモーツァルトのソナチネ、最初のテーマの部分を弾きましたが、「フォルテやピアノの表現をはっきりつけて弾いてね」と言われたS子ちゃん、ちょっと困った様子。。。
「どんなふうに表現したらいいのかわからない」というのです。
なるほど。ブルクミュラーの「狩」などと違ってソナチネは、具体的なタイトルもないし、描写的なメロディーもありません。
「モーツァルトの時代は、音楽イコール王侯貴族のために演奏する、ということなの」
「えっ、そうなんですか?」
「そう。マンガで読んだように、音楽家はみんな、王侯貴族に雇われていたから、その人たちの晩餐会とかで 心地よい音楽を演奏してたのよ。わかるでしょ?あのころの服装とか室内。カールしたカツラに立派な上着。女性は高く結い上げた縦ロールの髪、大きくスカートが膨らんだドレス。きらびやかなシャンデリアが飾られた宮殿。豪華なごちそうやお酒・・・そういう風景での音楽よ。p(ピアノ)の部分は、小さかったモーツァルトやマリー・アントワネットの姿を想像したらどうかな。宮廷にだって、子どもはいただろうし。f(フォルテ)の部分は、堂々とした王様。少し高くなった音のところは、美しい妃・・・とかさ」
そんな話をした後に もう一度弾いてみたS子ちゃんの演奏は、なんと ちゃんと「18世紀宮廷の音楽」になってました
「ピアノを弾く」ということは、単に指を動かすこととは違います。
自分の心の中の風景、心の中のいろいろな気持ちを、音に乗せて表現するのです。
今日のレッスンでは、イメージする力の不思議なパワー、そしてマンガ「音楽家の伝記」が どんなに役に立つか、ということが証明されたのでした。