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「あのさ、なんか…」
先週から「クレメンタイン」が課題になったごましおくん(小4)が言いました。
「この、最後のとこがなんか変だなって…」
楽譜を指さして彼が言ったのは、曲の最後の部分です。
楽譜を見た先生は言いました。
「最後の小節、音が足りないってこと?他のところは全部 1、2、3、って3拍ずつあるのに、最後だけ音が足りなくて気持ち悪いみたいな?」
「うん」
ひょおー、よく気がついたね!そう、確かに全部の小節3拍ずつあるのに、最後だけは2拍しかないね。
「その、足りない3拍目はどこにあるのか?!それは」
先生が指さしたのは
「ここ!」
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そう、曲の冒頭です。
「最後の小節になかった『3拍目』はここにあるんだよ。この『クレメンタイン』の曲、最後にリピートマークがついてるから2回続けて弾くんだよね?そのとき、最後がきっちり3拍あったら、2回目を弾く時すんなり行かないんじゃない?最後が2拍だからこそ、ぶんちゃっちゃ、ぶんちゃ、オーマイダーリン、ってうまーくつながるじゃない?」
「うん、確かに…」
「こういう、きっちり1拍目から始まらず弱拍から始まるスタイルのことを『アウフタクト(弱起)』っていうんだけど… 曲の終わりの1、2、そして始めの3。ねっ、これで完全になるでしょ。最初の小節は、実は3拍目から始まってる。1拍しかなくて不完全。だから『不完全小節』っていうの。最後の小節も同じ。2拍しかなくて不完全だから不完全小節。」
先生はごましおくんの楽譜に『不完全小節』と書きました。
「不完全と不完全が合わさって、完全ができる。ねっ?」
「ふーん」
「普通、この段階で子どもには『不完全小節』なんて言葉は教えてないんだけどね」
と、先生はチラッと横目でごましおくんの顔を見ながら言いました。
「大人には言うの?」
「大人には言うよ。でもチビっこに『不完全』とか難しいでしょ?だから言わないんだ」
「うんうん、確かにね」
「ごましおくんだから言っちゃうけどさ」
と、「キミは大人」感を強調して、ごましおくんのプライドをくすぐっておく。
「最後の拍が少ないなんて、気がつく人少ないし」
とさらにたたみかけて「大人だねビーム」集中砲火、すっかりいい気分になってたごましおくんなのに
先週習った「ポジションの移動」をおざなりにして怒られ、せっかくの「大人感」も台無しになった場面が、昨日のブログ「指番号のお話〜クレメンタイン」です。
とはいえ、曲の最後の不完全小節に気がついたのはさすがなので、怒られた日記だけじゃなく 褒められた記事も書いておきました。
って、結局そのあとでは怒られたんだから、あんまり名誉挽回にはなってない?
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