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三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

未来のサムライミュージシャンズ発掘コンテスト 優秀賞受賞!

『新復興論』。

2020年01月12日 | 読書
もう一冊読んだ本の話。
 
 
こちらは、福島県いわき市から語られる震災後。
福島は津波被害だけでなく原発事故の影響もあり、
問題はよりいっそう複雑で困難なのだと思う。
そして、よりいっそう”当事者性”が語られることが多い。
よそものにはわからない、安易に口を出すことじゃない、
そういう雰囲気が感じられて躊躇してしまう。
 
しかし、この本の著者は
”当事者性”で線を引くことで分断を深めてはならないという。
復興とは地域づくりであり、
地域づくりには「ヨソモノ・ワカモノ・バカモノ」が必要なのだと。
 
もちろん、誰もがそのように考えているわけではないだろう。
でも、そういうふうに考えてもいいんだと思えると、
完全なよそ者である私自身、勇気づけられる。
 
第三部で紹介されている地域アートの取り組みは
近代以前から続いてきたその土地の歴史と
これから先も続いていく時間とが繋がって見えて
実際に見たわけでもないのに、なんだか興奮してしまった。
アーティストに何ができるのか、みたいな問いは
否定的な響きをもって聞こえることも多く感じてきたけれど、
ちゃんと答えを提示している人たちもいるのだと
感動した、と同時に、私自身の考えの足りなさも思い知らされた。
 
大きなことは出来なくてもいい、
小さなことをきちんと
きちんと手をかけて心をこめて作りあげていきたい。
 
 
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