三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

いつも心に東北を。

2020年03月11日 | つれづれ
3月11日。
今、何が起きているのか
何が正確な情報なのか分からなかったり
自分の身体にも影響があるのかもしれない不安だったり
歌舞音曲が白眼視されたり
今現在の状況を9年前と重ねて見る向きもあるけれど
決定的に違う要因があって、同じようには考えられない。
でも、こんな状況でこの日を迎えなくてはならないのは
なんだか皮肉だ。

音楽や芸能をめぐる状況としては
今のほうがより厳しいとは思うけれど、
個人的なことをいえば
9年前、私自身は、
自分に東北の唄をうたう資格があるのかと自問していた。
もう自信がなかった。
だって、よそ者じゃないか。何の関係もないし、
何の役にも立てない。
多くのミュージシャンが東北の唄をうたい始めていた。
ふるさとへの想いや、いつか訪ねた時の思い出を語りながら
時には泣きながらうたっていた。
そんな具体的な言葉を持たない私には
うたうことなどできないのではないかと思いながら、
それでも、東北が好きだという思いだけはあった。
震災が起きるよりも前からずっと
東北に想いを寄せてきたはずだ。
でも、それはただの片想いにすぎない。意味なんかない。

実は私は地震があったことを知らなかった。
私のいた建物は全然揺れなかったのだ。
一緒にいた人も誰も気づいていなかった。
しばらくして、別のフロアにいた人が来て
地震があったみたいだけど大丈夫ですか? と聞かれたけれど、
倒れたものも落ちたものも何もなくて
その後も全くいつもどおりに過ごして
夜遅くに帰ってはじめてテレビを見た。
その揺れの瞬間すら共通体験として持つことができなかった自分に
何ができるというのだろう、と。

それでも何とか動き出すきっかけをくれたのは
音楽を通じて出会った友人であり
今話題のライブハウスであり
竹善さんの言葉だった。

それからずっと
何の力になれるわけでもないけれど
飾らない気持ちで、ただうたい続けようと思っている。

そうしているうちに
岩手での演奏が実現して
ひとつひとつの出会いと経験が
私の人生の宝物になっている。
(写真は、大好きな人たちと、いただいた差し入れ群)


今はコロナのこととか
センバツが中止になったとか
いろんなことがあるけれど、それでも
年を経るにつれて震災関連のニュースは減っていく。
3月でさえ、こんなありさまだ。
でも、まだ復興は途上。忘れるには早すぎる。
これからも、いつも心に東北を抱えながらうたいたい。
そんな思いを込めて。
響喜の東北民謡にまつわるあゆみをまとめてみました。


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►演奏予定
 3月15日(日) 女流義太夫演奏会 第4回瑠璃の会
 詳しくはこちら
►演奏依頼 承ります
 ステージイベント、パーティ、ブライダル、レクチャーコンサート、
 ワークショップなど、三味線出張演奏いたします。
 小さな会場でも、ご予算が少なくても大丈夫。
 ブッキングライブ、コラボレーションなども歓迎。

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