福島三部作 第二部の主人公は
第一部の主人公・孝の弟・忠。
第一部の原発誘致の話し合いの中で
原発は危険ではないのかと一人はっきりと反対していたのが忠。
彼はその後、原発反対運動のリーダーとなるが、
原発が稼働して15年が経ち、多くの町民が原発で働く中で
原発反対は理解されず、選挙にも落選し続けている。
ところが、汚職が発覚した町長が辞職し、
町長選が行われることになり、忠は出馬を求められる。
ただし、「原発反対」の旗は降ろし、
しかし、原発の危険は訴える、という条件で。
そうすれば、さらなる補助金や設備投資を引き出せる、と説得される。
忠が町長になって約半年、
チェルノブイリ原発事故が起きる。
双葉町の原発は安全なのか。
町長としての立場から、忠はついに
「日本の原発は安全です」と口にするのだった。
これは、第一部以上に過酷な内容です。
少なくとも、第一部に登場した人たちは未来を信じていた。
でも、第二部では物事はそんなにシンプルではなくなっている。
でも、第二部では物事はそんなにシンプルではなくなっている。
すでに出来てしまった原発、町の雇用も税収もそこに依存している。
簡単に原発を止めるとは到底言えない。
まして、町長の立場であれば。
原発反対を唱えていたはずの忠が、最後には推進派の町長になってしまう。
繋がっているけれど、ねじれたままのメビウスの輪。
信念を曲げた、と
信念を曲げた、と
真実から目をそらした、と
忠を非難することが、本当にできるだろうか。
もし、彼の立場に立たされたなら、
動かせない現実を前に、他の選択ができただろうか。
とても難しい問いだ。
簡単に非難することはできないけれど、
過去に学ぶなら、同じことを繰り返してはならないと思う。
すでに繰り返されようとしているときに、見過ごしてはいけないと思う。
自棄くそのように
あるいは機械のように
「日本の原発は安全です」と繰り返した忠が
最後に見せた、泣き笑いのような、生気が抜け落ちたような表情が焼きついた。
Shamisen + vocal 静月
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►演奏予定
9月13日(金) 三味線三昧
9月21日(土) パナクティで聴く娘義太夫
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