セツブンソウの撮影に出かけたときのこと。地元の方と話していると,「キクザキイチゲがちょうど咲いているときなので,写真に撮るといい。向こう(セツブンソウとは反対方向)の山の斜面にクリの木を何本か植えている。その根元にある」と教えていただきました。
キクザキイチゲという名を初めて聞きました。キクザキって菊に関係あるのかな? そんな❝?❞を抱き,どんな花か確めたくなって来て,帰りにぜひ立ち寄ろうと思いました。
帰宅してから調べると,この辺りではとてもめずらしい植物だということがわかって来ました。『ウィキペディアフリー百科事典』に詳細が出ています。近畿地方以北に分布,春先に開花して落葉広葉樹に若葉が付く頃に枯れる,絶滅危惧種にもなっている,というような点です。したがって,わたしが教えていただいたところはこの花を保護し,殖やそうと試みられている場所だったのです。
花はセツブンソウの外観によく似ていました。ともにキンポウゲ科に属する植物なので,当たり前といえばそうなのですが。とても可憐! これも春を告げる花なのです。

快晴のもと,虫の目写真で画像記録。クリの大木の下で育っています。腐葉土がこの植物を養っているのでしょう。

こぼれ落ちた種子が芽生えて,いずれ群生を形成しそうです。

山裾の狭い斜面に咲いています。

ノビルと同居しています。いかにも早春にふさわしい風景です。

もちろん,訪花昆虫がいるはずと思って注意を払っていたら……。お馴染みのユスリカのなかまがいました。ニホンミツバチも目撃。

セツブンソウ撮影の,でっかい付録になりました。地元の人と話をするって大事だなあとつくづく感じた次第です。