自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

超接写がたのしい春(1) ~ヒシバッタ~

2018-03-28 | 生物

春のはじめ,草むらではヒシバッタが盛んに活動しています。空地にプラスチックの破片があって,その上にヒシバッタがいました。それを超接写で撮りました。小型のバッタなので,撮影はとてもたいへん。

 

 

そっとそっと真横から。後脚の大きさが光ります。ジャンプのおおもとです。 

 

 

前方やや上からも。複眼の模様が独特です。 

 

 

うんと近寄りました。真正面からです。頭と顔。気づいていないのでしょうか。 

 

 

顎を入れて,ほんの少し横気味に。 

 

 

おしまいは複眼だけ。小さな眼にも小さな個眼が。

 

 

ヒシバッタをこんなに接写したのは初めて。こんなに接写できたのも初めて。たのしい気分に浸れました。 

 


ナズナと昆虫

2018-03-28 | 昆虫と花

ナズナの花は自家受粉が基本だといわれています。この点はハコベと似通っています。春先,訪花昆虫が少ない時期は蕾の中ですでに受粉しているといいます。そのたくましさからか,ナズナは群落を形成します。

しかし,あらゆる植物にとって他家受粉は理想のはず。一様に同じ遺伝子を残し続けると,万一の環境激変に対応し切れません。すべてが滅びるのです。そうした危険から逃れる手を植物は備えているでしょう。

その手が多様な遺伝子を残すというもの。それには他家受粉しかありません。いくら自家受粉が主だとはいえ,他家受粉に頼るのは生き残り戦略の大勝負なのですから。

と思って,ナズナの花を見ていると,開花したあとに昆虫が訪れていることがあります。というより,結構あるのです。「やっぱりな」と思ってしまいます。白い花弁に誘われてやって来たのでしょう。したがって,ここでも自家受粉という情報をただ鵜呑みするのでなく,一度は「ほんとうかな?」と疑ってかかってみたいものです。

ハチの一種です。からだに付いたものはナズナの花粉なのでしょうか。口吻がいかにも,花に頭を突っ込んで栄養分を舐め摂るぞというふうです。

  

 

歩いて隣りの花へ渡って行きました。 

 

体形の特徴は,胸と腹の間のくびれ。小さいながらまことにりっぱなスタイルをしています。

 

花と昆虫の関係には進化の歴史が詰まっていて,考えれば考える程おもしろくなってきます。何十年もそれを感じながら観察を続けています。 

 


ツバメシジミ,初見

2018-03-28 | 昆虫

3月27日(火)。最高気温21.8℃。N公園にて。

ツバメシジミを発見。昨年,産卵から孵化までを追い続けたチョウの一つです。なんと懐かしい! 離れたところから撮影しながら,すこしずつ近寄って行きます。

 

尾状突起も,赤い斑紋様も,翅表面の青みかかった色合いも,このチョウならでは。 

 

そこにベニシジミがやって来たので舞い上がり,もつれ合いながら去って行きました。今年もこの公園では注目しておきたいシジミチョウです。 

 


マンサク,今(48)

2018-03-27 | マンサク

オドリバエと思われるハエが花の中を覗き込んでいました。頑丈そうなからだつきをしていて,わたしの目を一気に引き付けました。 

 

脚先の鉤爪でからだをしっかり支え,ぐうーっと身を乗り出した格好です。口吻が奥に伸びているのがすこしだけ見えます。 

 

よほどお気に入りのものがあると思われます。

 

口吻が長ければ,大きめのからだでも大丈夫。吸蜜にとても役立つ道具ものです。マンサクの花はじつにたくさんの昆虫にお世話になっています。 

 


ヤマトシジミ,初見

2018-03-27 | ヤマトシジミ

3月25日(日)。ホシノヒトミの群生地でヤマトシジミを初見。

「わっ,ヤマトシジミだ!」と思ってカメラを準備していたら,パッと舞い上がって行ってしまいました。残念! シャッターチャンスを逃した後,しばらく観察を続けました。すると,ふしぎふしぎ,どこからかヤマトシジミが現れて目の前のホシノヒトミに着地。

ところがカメラを近づけかけた途端,またパッと舞い上がったのです。「しまったー!」。とても残念な気持ちになりました。

と思ってそのチョウの行方を見守っていると,5m先の,ホシノヒトミがまばらに咲くところに着地。そのうちの一つの花で吸蜜を始めたらしいのです。大急ぎでそっと近寄って行きました。もちろん,写しながらそっとそっと。口吻が伸びているのがわかります。

 

もうすこし近づいて撮ったのが下写真です。

 

この写真を撮った瞬間,向こうへ去って行きました。

初めのチョウと同じ個体だったのでしょうか,あるいは別個体だったのでしょうか。残念な気持ち,ラッキーな気持ち,この二つを味わった初見日となりました。ふしぎが続きます。 

 


ハコベの昆虫たち(5)

2018-03-27 | 昆虫と花

いくぶん大きめのハチが来ていました。すでにからだには花粉が付いています。今はハナバチの一種としておきます。触角の先に白い突起が二股になって突き出しているのが特徴です。 

 

移動してハコベの花に着地。どうやら関心がありそう。

 

すぐ花にからだを被せる格好で食餌に入りました。しかし,このときはじつにあっさりと食餌を切り上げて去って行きました。 

 

このような大きな昆虫が来ると,観察する者としては助かります。もちろん行動が観察しやすいからです。次はどんな報告ができるでしょうか。 

 


マンサク,今(47)

2018-03-26 | マンサク

薄黄色の花弁の間に見えたのが黒っぽい昆虫。大きめの昆虫だったので,近寄ったらなんとミツバチ! 慌ててシャッターを切ったら,ミツバチはさっさと飛び去りました。証拠写真はこの一枚だけ。どうやらニホンミツバチのよう。

 

 

次に見つかったのがコシボソハナアブ。腹部の一部がうんと細くなった特徴あるからだです。 

 

熱心の花を覗き込んで入ました。

 

もう一つのマンサクの木でも見かけました。2つの目撃例なのですが,体形は一度見たら忘れられません。

 

次々に訪れる昆虫を見ていると,春が本格的にやって来たなあと感じます。これらの昆虫たちはまちがいなく春の使者です。

 


ホソヒラタアブの卵(続々)

2018-03-26 | ヒラタアブ

九日目。朝起きて,すぐに卵を確認。ルーペでよく見ると,頭部の黒い部分がわずかに,そしてときどき動いているのです。「これは今日中には孵化するな」と予感。すると,見ているうちに卵の先がもやもやっとした様子です。「あっ! 孵化の瞬間だ!」。こころがそう叫んでいました。慌ててカメラを準備。そしてシャッターを切り続けました。

黒いのは口から始まる消化器官。

 

休むことなく滑らかに出て来ました。出て行くと,殻がぺしゃんこになります。 

 

からだを起こして,まるで喜びを表現するようなポーズもときどき。 

 

なんと透き通った,初々しいからだなのでしょう。

 

「ほっ,ほーっ!」。からだを起こしたときの,この透明感と瑞々しさ! このすがたに息を呑みました。 

 

この後は元生えていた群落へ戻しました。

虫の知らせということばがあります。わたしにその知らせがあったわけではありませんが,それを連想させるような出来事になりました。これほどのラッキーな出合いは稀です。ミリの世界に生まれたいのちの物語,それを記録できたふしぎ,偶然のプレゼントはわたしの宝物となりました。感謝,感謝。 

 


ハコベの昆虫たち(4)

2018-03-26 | 昆虫と花

花と比べると,いくぶん大きめのハナバチのなかまが来ていました。同定はできませんが,アカガネコハナバチかもしれません。

確かに食餌行動をしています。もっと近づいて撮れたらよかったのですが,このときはこれ止まりでした。

 

頭胸部を覆うように生えた毛が印象的です。これだけの距離から見ても,昆虫と花との関係を如実に物語っているようです。

 

小さな花の観察もおろそかにはできません。

 


マンサク,今(46)

2018-03-25 | マンサク

ミスジミバエと思われるハエが花を覗き込んで摂食中でした。黒地に黄の紋様がくっきり。複眼はきらきらと金属光沢を放っています。

 

一心に花に頭部を入れていたので,撮影には苦労なし。頭を上げたときに口元を見ると,吻がなんともユニーク。「おいしかったー!」とでも思いながら,口元を動かしていたにちがいありません。

 

隣りの花に移って行くときに,前脚でからだをきれいにしていました。これはハエ類のいつものしぐさ。

 

花のすくない季節は,昆虫との出合いがしっかり印象づけられます。虫は「ありがたい。やっとここで花に巡り合えた!」とでも思って,摂食に励むのでしょう。