(大橋と亀)
千住大橋は隅田川に架けられた最初の橋です。
この川は以前荒川とも渡裸川(とらがわ)とも読んでいました。
昔は文字の示すように荒れる川であり、
トラ(虎)が暴れるような川と言われていました。
こうした川に橋をかけることは難工事ですが、
当時土木工事の名人と言われた
伊那備前守忠次によって架けられました。
千住大橋の架橋については“武江年表”文禄三年の条に
「・・・・中流急流にして橋柱支ふることあたわず。橋柱倒れて舟を圧す。
船中の人水に漂う。伊奈氏 熊野権現に祈りて成就す」と書いてあります。
川の流れが複雑でしかも地盤に固いところがあって、
橋杭を打ち込むのに苦労したようです。
そうしたことから完成時には、一部の橋脚と橋脚の間が広くなってしまいました。
ここで大亀の話が登場するのです。
ずっと以前から川の主と言われる大亀が住んでいて、
その棲家が橋の川底にあったので、
打ち込まれた橋杭が大亀の甲羅にぶつかってしまいました。
いくら打ち込もうとしても橋杭は入っていきません。
そうしているうちに杭は川の流れに押し流されてしまいました。
その場所を避けて岸辺に寄ったところに杭を打ち込んだところ、
苦もなく打ち込めました。
しかし、見た目に橋脚は不揃いになってしまいました。
川を往来する舟が橋の近くで転覆するとか、
橋脚にぶつかると大川の主がひっくり返したとか、
橋脚にぶつけさせたと言われています。
船頭仲間でも大橋付近は難所として、
かなり年季の入った船頭でさえ、
最大の注意を払い航行するようになったといいます。
とこんな話だ。良く似た話で、他に大緋鯉の話もあるとのことで、
そのお話が千住大橋の岸壁に書かれている。
その為かどうか解らないが、
現在も橋げたの間隔がふぞろいな箇所もあると言う。
さて、どの部分が広くなっているでしょうか?
(下記URL:をクリックして絵をご覧になり考えてください。
URL:http://hide-san.blog.ocn.ne.jp/bach/2009/05/post_1a59.html)
ボクの季語なしの一句
・語りつぐ 橋は水陸(すいりく) 役に立ち hidebach