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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

株式会社とは何か

2005-05-05 08:36:23 | 読書日記
 株式会社とは何か
 友岡 賛著 講談社現代新書
 最近、株主と経営者の関係が取り沙汰されている中、ちょうどタイムリーに読んだ本である。といってもなんかいろいろとあって読了するまでにかなりかかってしまった。本書は会計学の立場から株式会社について論述しています。
 ライブドアとフジテレビの問題で株主と経営者の関係が問題になっていますが、法的というか制度的にいうと割とすっきりした考え方になっているみたい。ただ感情としてどうかと言う問題なのかなという気がします。
 例えば株式会社は誰のものという考え方がありますが、会計学上ではその考え方には大まかに3つの考え方があるそうです。
 ①資本主理論または代理人理論・・・株式会社は株主のもの
 ②企業主体理論・・・株式会社は株主のものではない
 ③企業体理論・・・株式会社は株主だけのものではない、いわば経営者も労働者も含めた「みんなのも           の」
 
 日本社会の企業観としたら、③になるのかな。会社は公器なんて言い方はここから来るのだろうか?ただ株式会社の大きな特徴である資本と経営の分離という観点からすると一番すっきりするのは①になるのではないか。そして株主のものと言うことになる。ライブドアとフジテレビについても同じことが言える。おそらくライブドアは会社とは私のものであり、株主のものと考えているんだろうと思う。いわばフジは企業の公共性を謳っているように、会社は公器であり、株主、経営者、労働者を含めたみんなのものと考えていたんだろうと思う。こう考えると法廷の場になると、ライブドアの勝利にはなるし、国民感情は、フジに傾くかなと言うところである。
 ちなみに本書は、①の立場を明確に打ち出して記述している。
 そして①の立場にたつと株主と経営者の関係は財産の委託者と受託者の関係と言うことになる。会計という行為は、「財産の管理と言う行為の受託者が自分のおこなった財産の管理の顛末をその委託者に説明すること」なのだそうだ。
 そして株式会社は財産を委託して管理する目的として、利益の追求がある。利益の追求と言うことはあくまで私のことであり、つまり私的な存在ということになると言うことなのだろうと思う。
 株主の目的は、利益の配当にあり、株の譲渡により利ざや稼ぎではないと言うことになってくるのかな。
 
 そうなってくると株主が経営に何らかの形で参画してくる可能性は出てくるでしょう。それが嫌であれば上場して広く資本を集めると言う行為自体がナンセンスになってくるんじゃないのかな。今回のフジの行為は果たして資本家にとって有意義だったのかというのは少し疑問がある。本来予防すべきことをせず、余計なお金を支払うことにより、株主の大いに損害を与えたと言うことは言えそうな気がする。それであれば株主代表訴訟の対象にはなってくると言うことになる。
 (そういえば近鉄とオリックスの合併もそういう株主代表訴訟の対象であるといえないことはない。高く売れるのを売らずに合併という行為を取ったのだから。)
 今までなんとなくあたりまえに思っていたことが、きちっと考えてみると違うとことがあるということがわかったと言うことか今回の事件の収穫ですかね。
 この本は、結構参考にはなりました。(ただ貧乏人という言葉がバンバン出てくるのはいいのかなという気にはなりましたが、)なかなか平易で読みやすかったです。ただ既に絶版になっているみたい。残念!

 
 
 
 
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