「赤頭巾ちゃん気をつけて」
庄司薫著 新潮文庫
ご存知薫くんシリーズ四部作の1作目である。このたび新潮文庫から新装版として刊行されたことから、懐かしさのあまり四部作ともに購入し、読了してしまった。
初読は、たぶん高校1年生の時、この小説を読んで、もろに影響を受けた作文を書いて国語の先生に激賞された記憶がある。
正直、冒頭の文章からしびれちゃったわけで、引用すると「ぼくは時々、世界中 . . . 本文を読む
「道頓堀川」
宮本 輝著 角川文庫
最近、ブログへの投稿を連発している。娘へのお勧め本10冊を選ぶにあたって、昔、読んだ本を読み返したりしているうちに、文章が書きたくなって投稿ということになっているのだろう。
今回、お勧めに入れようというのは、「泥の河・蛍川」の方だったのですが、書棚の横に並んでいたのが、本書であり、ちょっと寄り道してみようということで読み始める。
この本、学生の時 . . . 本文を読む
夏のこの頃になると、毎年のように見たくなる映画がある。
日本航空123便墜落事故をめぐる地元新聞社を描いた「クライマーズ・ハイ」という映画である。
日本航空123便墜落事故については、事故があった時、ちょうど僕は受験生であった。学校から帰ってきた時、母から日航機が消えたらしいという話をされたことを覚えている。その後のことは、新聞等に書いてあるとおりだ。
その墜落事故をめぐって地元記者が . . . 本文を読む
「九月の空」
高橋 三千綱著 角川文庫
この小説も、先日書いた「スローカーブをもう一球」と同様に、次女にお勧め本をということで本棚から取り出してきて、再読をしたもの。
僕が、この本を読んだのが、確か高校1年生の時であったから、30年近く前になるのか。恐ろしい・・・。
本書は、「五月の傾斜」「九月の空」「二月の行方」の3篇の連作小説から構成されており、「九月の空」は、1978年第79回 . . . 本文を読む
「スローカーブをもう一球」
山際 淳司著 角川文庫
夏休みである。高校に入った次女から、夏休みに読書をしたいので、お勧めの本を選んでおいてと言われ、何冊か選んだ本の一つである。選んだついでに読み返してみた。
久しぶりに読んで、やっぱり面白かった。
収録されている小編は、8編。
「八月のカクテル光線」
「江夏の21球」
「たった一人のオリンピック」
「背番号94」
「ザ・シ . . . 本文を読む