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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

新選組紀行④ 新選組屯所跡と壬生寺 ~『新撰組血風録』より「芹沢鴨の暗殺」~

2022-07-11 23:38:18 | 文学をたどる

 今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にすっかり魅了され、毎週日曜日の放送が楽しみで仕方がないのだが、その中で、ドラマの当初、物語を引っ張っていたのが、上総介広常扮する佐藤浩市であったと思うが、源頼朝に最初に粛清された御家人として、大勢の御家人の前で暗殺される。広常の死がきっかけとなり、鎌倉殿を中心に御家人が一つにまとまることになった。いわば暗殺が、時代を一つ前に進める契機になったという事なのだろう。

 そして、佐藤浩市と大河ドラマというつながりで言うと、同じく三谷幸喜脚本の「新撰組!」の芹沢鴨であろう。このドラマの中では、芹沢鴨は悪逆非道な行いをしつつも、自分が殺されることを望んでいるように見える。そして、芹沢鴨が暗殺されることで近藤勇を中心とする試衛館一派が新選組を一つにまとめ上げていくことになった。二つの役に共通するのは、暗殺されることで時代を一つ進める役割を果たしたという事になるのだろう。

 前置きが長くなったが、その芹沢鴨の暗殺を題材としたのが「芹沢鴨の暗殺」である。新選組の結党以来局長の座にあった芹沢鴨(当時は、局長は、芹沢鴨、近藤勇、新見錦の三人体制)だが、芹沢鴨の様々な乱行をきっかけに、近藤、土方、沖田ら試衛館一派に暗殺されるまでを描いている。

 そして、この舞台となったのが、新選組の屯所跡八木邸である。

 

 この八木邸と新選組との関わりは、浪士組結成時までさかのぼる。文久3(1863)年2月14代将軍徳川家茂が上洛するに合わせて、将軍の警護をするために作られた浪士組は、取締役の清河八郎らに率いられ、京都の壬生村に屯営し、本部を新徳寺に置き、数件の郷士屋敷に分宿している。その郷士屋敷の一つが八木邸であり、芹沢鴨や近藤勇らがここに泊まった。

 

 その後、浪士組は江戸に戻るが、芹沢鴨、近藤勇たちは、そのまま京都に残留し、八木邸に投宿することになる。そして、このメンバーが、会津藩の預りとなり、壬生浪士組、新選組と成長していくことになる。

 そして、八木邸に居る芹沢や近藤たちが、正式に新選組を名乗るようになったのは、会津、薩摩連合が、京都から長州藩を一掃した八・十八の政変の時だと言われている。

 

 そして、この少し前から、大坂での力士との乱闘事件や大和屋の打ちこわしなどの乱暴狼藉など芹沢鴨の素行が問題になっていた。

 

 そして、近藤勇を中心とする試衛館グループによる粛清が始まる。はじめは、局長に一人である新見錦が9月14日に切腹させられた。同じく18日には、芹沢鴨と仲間の平山五郎が、八木邸で斬殺られる。

 暗殺したのは、土方歳三や山南敬助、沖田総司、原田左之助などの試衛館グループのメンバーである。

 この日角屋で酒宴を開いた芹沢鴨、平山五郎らは泥酔した状態で屯所である八木邸に戻って愛妾と同衾して寝入ったところ、土方たちに襲撃されたという。土方たちに襲われた芹沢は、右肩を切られ、逃げようとしたところ廊下にあった文机に躓き、転倒したところを土方に刺殺されたという。この時芹沢を切りつけようとして、鴨居を刀が切りつけた傷が今も八木邸に残っている。

 この時、芹沢と一緒に寝ていた愛妾のお梅も一緒に殺害されている。また、別室にいた平山五郎も同時に殺害されている。もう一人の平間重助は、すでに遁走しており、その後行方は不明であるという。

 ただし、表向きは、芹沢たちは長州藩のものに襲われなくなったことになっている。

 この時の様子は、八木邸を見学するとボランティアの方が、見事な語りで再現してくれる。見学が終わると、現在、八木家は和菓子屋を営んでおり、そこで抹茶と「屯所餅」が振舞ってもらえる。

 

 また、近くの壬生寺には、芹沢鴨たちの墓が残っている。

 

 墓石がいつも間にか、新しくなっていた。お墓の周辺には、近藤勇の胸像などもあり、今も人気のスポットであるようである。

 

 ただ、芹沢鴨と一緒に殺害されたお梅は、ここに葬られていない。というかどうなったのかも定かではない。何とも哀れなものである。

 

 男たちの陰に隠れた、当時の女たちの悲しい物語の一つであろう。


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1 コメント

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Unknown (賀茂 左近)
2022-07-13 09:27:42
こんにちは、
新選組と八木邸、
幕末ファンにはたまらないところです。
一度ボランティアの語りを聞いてみたいです。
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