●今日の一枚 397●
Trio Montmartre
Casa Dolce Casa
希望が見えてきた。先日の記事に記したHDDからの想い出の救出の件である。HDDを初期化した方が良いのではないかと思い立ち、内蔵HDDのご機嫌が良い状態を見計らって外付けHDDに重要データのみを避難させ、思い切って内蔵HDDの完全初期化を実行してみた。・・・・ところがである。HDDは軽くなったものの、何度試みても「録画できません」のメッセージがでてくる。ガーン!しまった。勇み足だった。内蔵HDDは完全に壊れていたのだ。外付けHDDに避難させたデータを戻すことは無理のようだ。想い出救出の見通しは暗礁に乗り上げてしまった。目の前が真っ暗な気分だ。最終手段は、外付けHDDの再生状態で他の機器にアナログコピーできるかどうかかと考えていた。ところがである。職場の電気電子を専門とする同僚に聴いたところ、内蔵HDDの交換によって復旧する可能性があるという。もちろん、自己責任でである。webで検索すると、私と同じ機種で、同じような困難を抱え、内蔵HDD交換によって復旧に成功したレポートがいくつもあるではないか。しかも意外と簡単そうだ。ここまできたらチャレンジしかない。早速、Western Digital社の内蔵HDD(1TB)を注文した次第である。
ニルス・ランドーキー率いるトリオ・モンマルトルのセカンドアルバム、2001年録音作品の『ローマの想い出』である。耽美的な演奏である。ある種の耽美主義というものは、自意識過剰で、聴き手からするとちょっと恥ずかしいものもあったりする。しかも写真で見るニルス・ランドーキーは貴公子然としたすがすがしい感じのイケメンで、「ヨーロッパを旅するピアニスト」などと形容されているのだ。キザな奴だ。ふざけんな、冗談じゃないぜ、といいたいところである。ところが、どうも彼の演奏が嫌いになれない。悔しいが、いい演奏だと思う。狂おしい感じの①「素敵なあなた」もいいが、私は③「テスタテ」が好きだ。もごもごとこもるようなベースにはちょっと抵抗があるのだが、これが結果的にいい味をだしているのかもしれない。ニルスの明快なピアノの輪郭をより際立たせているからだ。超耽美的に始まった演奏が、アルバムの中盤から後半に進むにつれてしだいにダイナミックになっていくのがまた面白い。
HDDから救出したいビデオの中には、幼い頃のものや、小中高の学芸会や文化祭、運動会やピアノの発表会、また部活動の試合を録画した映像が多数含まれている。この記事を読んでいただいている皆様方には、重要な映像は、めんどくさがらず、光学ディスクほか、「有事」に損なわれる可能性の少ないメディアにバックアップしておくことを強くお勧めする。