WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

林子平

2021年10月06日 | 今日の一枚(G-H)
◎今日の一枚 552◎
Grand Funk Railroad
Live Album
 宮城県庁前の気仙沼方面行き高速バス乗り場の後ろに、林子平の銅像がある。病院を退院した帰り道、しばらくぶりに見たので写真を撮ってみた。
 林子平は、江戸中後期の経世思想家である。『三国通覧図説』『海国兵談』によって日本周辺の状況と海防への世論の喚起を行ったが、老中松平定信が主導するいわゆる「寛政の改革」の中で、人心を惑わし政治を私議したのと理由で蟄居を命じられ、その著書は版木・製本とも没収、発禁とされた。
 高校日本史的には、同じ仙台藩の工藤平助が『赤蝦夷風説考』で海防や開港、蝦夷地開発を主張し、田沼意次の蝦夷地開発計画へとつながったことと対比的に語られることが多い。
 高山彦九郎・蒲生君平とともに、《寛政の三奇人》と呼ばれることもあるが、この場合の《奇》とは「優れている」との意である。
 今日の一枚はグランド・ファンク・レイルロードの1971年作品『ライブ・アルバム』である。70年代ロックのライブの熱がダイレクトに伝わってくる一枚である。初期のグランド・ファンクの荒々しさ、粗削りさが好きだ。ライブへの熱と3人で少しでも分厚い音を出そうと試みる情熱が伝わってくる。
 退院してしばらくぶりに自宅でベッドに入り4時間ほど眠れた。そのまま、もう一度眠ることもできそうだったが、入院生活の悪習で書斎に入ってしまった。入院明けの深夜、ひとり静かにグランド・ファンクを聴いている。