◎今日の一枚 553◎
大貫妙子
Aventure
ハイレゾで聴きたい、そう思ったのは、apple music で《ハイレゾロスレス》で配信されている、ビートルズのSgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band を聴いてからだ。古いiphone にヘッドホンをつないで聴いた。With A Little Help From My Friends のリンゴ・スターのドラムの鮮度に驚愕した。こんなドラムを叩いていたのかと思った。
ところがである。よく調べてみると、iphoneにヘッドホンを接続しても本当のハイレゾでは聴けないということが分かった。私が聴いたのは、ハイレゾではなかったのだ。本当は、もっといい音で聴けるということだ。apple music で配信されている音質は次のとおりである。
44.1kHz / 16bit ロスレス
44.1kHz / 24bit ロスレス
48.0kHz / 24bit ロスレス
88.2kHz / 24bit ハイレゾロスレス
96.0kHz / 24bit ハイレゾロスレス
192.0kHz / 24bit ハイレゾロスレス
一番上の44.1kHz / 16bitがCDの音質である。ロスレスとは音源データをカットせずにそのまま配信することだ。例えば、MP3などは、データを軽くするために一部を切っているのでロッシーと呼ばれている。その意味では音質は向上しているといえる。けれども、問題はそれを聴く方法がないということだ。ベッドホンについては、いくら性能のいいものを接続しても、48.0kHz / 24bitまでだという。 appleのLightningケーブルのためである。ヘッドフォンジャックアダプタの中のDACの性能が、それで限界だからである。ちなみに、Bluetoothは全然駄目である。ロスレスのまま音声データを送ることすらできない。いくら高価なイヤホンでも、Bluetooth規格の限界までの音質におちるようだ。
何とか、ハイレゾロスレスで聴く方法はないものだろうか。できれば、耳をふさぐヘッドホンではなく、ちゃんとしたスピーカーで聴きたい。ネットワークプレーヤーを使う方法も考えられるが、結局Air Playで接続することになるので、ハイレゾには対応しないらしい。
やはり、パソコンが一番いいことになる。そう思って、外付けDACを購入した。パソコンからDACを通して、アンプに接続するわけだ。ところがである。後でわかったことだが、iTunes for windows ではロスレスやハイレゾロスレス自体がが配信されていないというのだ。ショックである。結局、現時点ではMacを購入するか、amazon Music HDやmoraなどのApple Music以外の配信サービスに乗り換えるしか方法はないようである。それにしても、appleのやり方は、いい加減ではないだろうか。高音質を大衆化させるのであれば、社会的責任として、それを聴ける方法についても多くの選択肢を用意すべきだろう。
今日の一枚は、大貫妙子の1981年作品、『Aventure』である。いわるゆる《フランスもの》のひとつである。大貫妙子は私が例外的によく聴く、日本人アーティストである。とくに、初期の作品は好きだ。最近発見したのだが、apple Musicでは、大貫妙子の初期の作品、Mignonne, Romantique, Aventure, Cliche, Signifie, カイエがハイレゾロスレスで配信されている。ハイレゾで聴きたいという思いは、つのるばかりである。