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2日 娘のテディベアにお金隠し米国移住したカリコさん、研究費申請が通らずポスト降格も…受賞に「誰かが冗談を言っていると思った」

2023-10-03 09:30:18 | 科学
スウェーデンのカロリンスカ研究所は2日、2023年のノーベル生理学・医学賞を米ペンシルベニア大学のカタリン・カリコ非常勤教授(68)と同大のドリュー・ワイスマン教授(64)に授与すると発表した。遺伝情報を伝える物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」を使うワクチンに欠かせない基盤技術を開発した。新型コロナウイルスワクチンを実用化に導いた業績が評価された。
ノーベル生理学・医学賞を得たカリコ教授(左)とワイスマン教授(ネットより)

カリコ教授はハンガリーからの移民で大変な苦労をされた様です。研究テーマのmRNAは医薬に不向きとみなされ、評価は芳しくなかった。しかも2005年にワイスマン教授との論文は当時は注目されなかったそうです。独ビオンテック社が2013年、カリコさんを役員に招き、mRNAを使う創薬は時流に乗った。20年に新型コロナワクチンが実用化し、世界的にほぼ無名だった研究者は、ついにいにノーベル賞受賞者に輝きました。
ここ3年半で数百万人の命を救った新型コロナワクチンは、こうした努力の積み重ねの上に有るのですね。感謝します。

写真:カリコさんの長女と「テディベア」のぬいぐるみ。米国に移住する際、ぬいぐるみの中にお金を隠して持ち込んだ(1984年撮影、ハンガリー大使館提供) 

読売新聞:
 「誰かが冗談を言っていると思った。まだ100%は信じられない」
 カリコさんは2日、ノーベル財団によるインタビューで、ノーベル賞の授賞決定を伝える電話を受けた時の心情を屈託なく語った。
 その研究人生は苦難続きだった。
 ハンガリー東部の小さな町で生まれ、大学で生化学の博士号を取得。国内の研究機関に就職したが、1985年に研究費が打ち切られ、夫と幼い娘の3人で米国への移住を決めた。
 米メディアによると、当時のハンガリーは100ドル以上の外貨を国外に持ち出すことが禁じられていた。そのため娘の「テディベア」のぬいぐるみの中に、かき集めた金を隠して持ち込んだという。
 米国の大学で職を得たものの、研究テーマのmRNAは医薬に不向きとみなされ、評価は芳しくなかった。政府や企業に研究費を申請しても落ち続け、ポストを降格させられる憂き目にも遭った。
 転機は90年代後半、共同受賞者ドリュー・ワイスマンさんとの出会いだった。大学内のコピー室で偶然に会話を交わした2人は波長が合い、すぐに打ち解けた。早朝から深夜まで共に研究に没頭したが、今回の受賞の鍵となった2005年の論文も当初は注目されず、不遇の日は続いた。それでもmRNAへの熱意は衰えず、技術の改良を進めた。
 その将来性に気づいた独ビオンテック社が13年、カリコさんを役員に招き、mRNAを使う創薬は時流に乗った。20年に新型コロナワクチンが実用化し、世界的にほぼ無名だった研究者は、ついにノーベル賞受賞者に上り詰めた。
 カリコさんはコロナ禍の21年、取材に対してメールで次のように回答した。
 「私の数十年間の研究生活は、生死がかかっていたわけではない。パンデミック(世界的な大流行)での本当のヒーローは、ワクチンが完成する前に自らの命をかけて患者に対応した医療関係者だ」
(引用終わり)
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