王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

TV朝日 砂の器 について

2011-09-12 08:34:04 | 芸能
TV朝日が「砂の器」を二夜に亘って放映されるのは事前の予告で知っていました。
但し放映時間が夜9時から11時15分までですからとても付き合いきれません。

言うまでも無く原作は松本清張氏ですから話の構成はしっかりしています。
浜爺も若い頃でしたから原作はしっかり読みましたし第一回目の映画化作品も見ました。
うろ覚えですが緒方拳さんの三木巡査、丹波哲郎さんのベテラン刑事だったと思います。
話の核は「狭い地元の偏見と差別を避ける為、故郷を捨てざるを得ない事情」「引き離しがたい父子の愛情」と「長い別離のはて父子と判ってもそれを否定する父親」
その矛盾と哀れさに当時父親になったばかりの浜爺も「貴方でも泣くのね!」と当時は可愛かった妻に冷やかされたものでした。勿論当人も涙ポロポロでした。

後に原作も偏見と差別の原因を「ハンセン病に置いた」と関連団体から非難された経緯がありました。
原作は文化作品との事でそのまま残されたと思います。
その後映画化の第2作は「結核」かなにかに原因を変更しましたが「過去を隠す為の殺人の理由」「父が泣きながら子を認めない」悲劇性が薄くなってしまうのですね。

今回のTV作品も第二夜をサッカー日中戦の結果がテロップで流れるのを見る画面としてみていました。
どうやら故郷をすてた理由を「強盗殺人犯と疑われた」に置いたようです。
それと父親は「昭和32年に死んでしまった」と脚本が変わっていたようです。
何だか浜爺にはとても受け入れられる話にはなっていませんでした。

そもそ偏見や差別があってそこに「葛藤の核」が有るのにそれを口当たりの良いものに置き換えたら悲しみも苦しみの表現しきれないので無いかなと思った次第。
若い皆さんはどう思ったのでしょうかね?


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« なでしこジャパン 中国を1... | トップ | ユーロ大幅安 円対ドルも円... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

芸能」カテゴリの最新記事