HIROZOU

おっさんの夜明け

記憶

2007-04-03 20:41:34 | メモリー
僕の脳裏にふとセピア色の光景が浮かんで来る事がある

私鉄沿線のちっぽけな駅、ひなびた商店街、そして喧騒のパチンコ屋

うどんの匂い漂う商店街を肩を落として歩く記憶の中の自分

10代最後の年 大阪

将来に何の夢も目標も抱いていなかった

周りの人間に流されるように大阪にやって来て

大阪で得た物は挫折と敗北感だけだった

二度の受験に失敗して

二十歳前にして酒に溺れていた。

毎日パチンコ屋通いとアパートでのひきこもり

そんな時、T君と出会った

T君は文無しの僕によく奢ってくれた

「そんなんや、あかんやん・・・」

気の小さなT君は小声で僕に説教をした

ごちそうをよばれてる僕は

「そうやなぁ~えへへ」とおあいそを言った

内心・・・

(どうでもええやん・・めしさへ食わしてもろうたら)

・・・と思っていた。

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