僕に残された時間はあとどれだけだろう
川島さんに今井さんそれに柔道の斉藤さん
皆、僕と同年代だ
今朝、散歩の際に左の背中に強烈な鈍痛が
(俺にもとうとう来たか・・何の病気や分からんが)
・・と一瞬脳裡を横切った
ただの筋肉痛だったようだが
(まだ俺は死ぬわけにいかんやり残した事があるんじゃ)
・・・と思いながら歩いた
でも死んでいった彼らも同じように
(まだ死ぬわけにはいかない)
・・と思っていただろう
こればかりは分からない
神様の指名から外れるのをびくびく願うしかない
命にかけてもと言う言葉があったが
はて?どう言う時に使ったんだろう
いったい誰に対して?
昔、新大阪の駅で敵対する組長の命を狙ってヒットマンが何日も見張っていた
しかし何日も見張っているうちに自分の命が惜しくなって持っていたピストルを見せて逮捕された
特攻隊を志願したある搭乗員が出撃を何日も伸ばされた
その後彼は出撃のたび何度もエンジン不調を訴え引き返して来た
エンジン不調で引き返したり途中の島に不時着する特攻隊員の大部分が出撃を伸ばされた隊員に多い
最初は剛毅な事を言っても結局皆自分の命が惜しい
冷静になって考えれば考えるほど自分の命が惜しくなる
余命何日なんて宣告でもされた日にゃ
最後の晩餐がどうのこうのなんて
たぶん健康なうちの考えなんだろうな
だから自分の残された時間なんて知らない方がいいんだろうな