ふぅ~~~~
しんどい!
これってプチウツ
タメ息しか出ぇへんわ
寒くなる一方だし
昔々、親元を離れて初めての冬
大阪の三畳一間、家賃8千円で隙間だらけのボロアパートに住んでいた
木枯らしが吹いて鉄枠の窓からピーピーと吹き込んできた
ある晩、夜中に寒くて、寒くて
万年床から顔を出してるだけで顔が痛くて痛くて
とてもじゃ無く寝ていられなかった
頭からすっぽり布団を被って膝を抱えて朝を待った
朝、明るくなって窓際の便所の手洗いの様な小さな台所を見たら
水道周りがカチンカチンの凍っていた
あやうく室内で凍死するところだった
そう言えば
アパートの部屋の窓の外はだだっ広い空き地で数百メートル向うは安威川という川の土手だった
吹きさらしの窓は破れたビニールのトタンで目隠しがされていた
それでも窓の隙間と言う隙間をビニールで目張りをしたら凍えなくなった
その頃はお金がある限りパチンコ屋通いだったので
懐も年がら年中寒かった
食べるものを買う金も無いもんだから
古新聞の回収が来ると急いで近所の家の軒下に置かれていた古新聞を集めて来て売った
だいたいが一回に30円ぐらいになった
上から目線の回収屋の親父が車の上から冷ややかに差し出す30円
30円握ってスーパーに走った
いつも決まって買うのはキンツルラーメン
30円でキンツルラーメン2個は買えなかったけど
ラーメン1個とキャベツが4分の1ぐらい買えた
部屋に帰ってラーメンを食べると
これがまた旨いのなんのって
古新聞売りを何度か繰り返した頃
アパートの近所で
得体の知れない‘乞食,のような青年と
噂が立った