実家は遠浅の浜辺から徒歩で1分
夜、耳をすませばザザザと微かな波の音が聞こえた
一人部屋で波音を子守歌の様に眠りに付いた
時に波音に風の音や雨の音が混じり
自然のハーモニーを聞いているようだ
しかし、一転台風の夜には
恐ろしいほどの荒れ狂った海の音が聞こえた
岬の大岩にドーン、ドーン、と波が打ちつける音
ザッパーンと大きな波が岬を乗り越え
ガタガタと風が窓に吹き寄せ、バラバラと機関銃の様な雨が瓦に叩き付けられる
ゴーゴーと大きな木の枝が右に左に乱舞する
そんな時、真っ暗な部屋の布団の中でじっと台風の音を聞いていた
この世の中に自然と言うものがあって
人間なんて大きな自然の中のちっぽけな存在なんだと感じた