木枯らしって何だか寂しいね
アグネスチャンや小泉今日子の少し悲し気な歌の様に
御堂筋の銀杏並木も木枯らしが吹くと黄色い葉っぱが風に舞ってたっけ・・
あれはいつ頃だったろうか、
梅田の予備校に通ってた、
昼間は学費が高かったので夜間にしたんだけど
予備校の始業が夜の6時
でもいつも東通り商店街のパチンコ屋に入り浸ってて
金が続く限りパチンコを弾いてて
気が付くと学校は始まってて金も無くなってた
うどんの一杯も食べたかったけど
それも食べれない
商店街のアーケードを出ると木枯らしが吹いていた
ピューピューと猫背な背中に風邪が吹き付けた
(きょうもついとらんのぅ~)
まぬけな青年は運の悪さを嘆いた
空を見上げるとその頃、出来たばかりのナビオ阪急のビルにネオンが灯った
横断歩道を渡ると阪急三番街
眩しいほどに色とりどりのショーウィンドーが輝いていて
光に包まれて大勢の人が家路を急ぐ
ただ文無しの青年は夢遊病者のように梅田の駅に向かって歩いた
(晩飯食べるお金がない)
地蔵横丁の地蔵さんにお願いしようか・・
(地蔵さんに願掛けても無駄じゃ)
紀伊国屋の本屋から松山千春の‘旅立ち,が流れてた
ちょっとセンチな思い出