HIROZOU

おっさんの夜明け

親父の海

2022-01-05 16:47:08 | メモリー

毎年、この時期になると築地のマグロの初セリがニュースに登場する

一本のマグロが数千万円になったとか景気のいい話がお茶の間を賑わす

マグロ漁の漁場は大体青森の大間沖か津軽海峡辺りだろう

大間でマグロ漁が行われるようになったのはそんなに昔じゃ無い筈だ

テレビ番組で散々まぐろ漁師の悲喜こもごも取り上げられ

釣れる漁師釣れない漁師のせめぎ合い、暮らしぶりの違い

マグロ漁は丁半博打の漁だ

釣れれば天国、釣れなければ何も意味も無い燃料代も出ない

労働の対価の報酬がまったく伴わない文字通り博打だ

漁師の力量はもちろん重要だが

漁師の運を引き込む持って生まれた天性もあると思う

今から50年も前マグロの一本釣りの漁場は土佐沖の太平洋だった

漁期はやはり真冬の今の時期だ

日が暮れると裸電球を点した冷たい土間で一本釣り漁師の親父はマグロ漁の餌・・

その頃はトビウオの塩漬けだったがそれに細工をして手の平ほどの釣り針に結わえ付ける

あれ?延縄だったっけ?

いや違う船を走らせなが釣るんだから一本釣りだ

今の生きたイカやトビウオと違ってあの頃の餌は塩漬けのトビウオだ

トロ箱一杯の餌をひたすら細工する

陽に焼けてごつごつした傷だらけの手で一匹一匹

細工の仕方如何にマグロが食いつくかどうか

トビウオの餌代も馬鹿にならないが

一番の出費が燃料費だ

土佐沖のマグロ漁は大間の様に陸が見える近海じゃ無くて

船を何時間も走らせて漁場に向かう太平洋だ

それこそ当時一晩の燃料代が30万円も掛かった

マグロが釣れないと餌の手間賃も燃料代も出ない

かわいい子供達にも飯も食わせられない

船の借金も返せない

親父はひたすら塩漬けのトビウオと格闘する

そして夜更けと共に出港する

凍えそうな冷たい晩、真冬の荒れた海に立ち向かう

親父は少々のシケでも漁に出た

家族の生活が一本のマグロにかかっている

海はよ~~おお♪海はよ~おお~♪

市場にトップニュースが流れる・・

近所の〇〇丸のおっさんが300キロのマグロを釣り上げた

浜値で120万だ

50年も前だ

続いて同級生のしんちゃんの親父が200キロを釣り上げた

こっちは80万

漁師町が活気づく

うちの親父が大物のマグロを釣り上げた記憶は全く無い

ただひたすら裸電球の寒い土間でトビウオの餌を細工する親父の姿が記憶にある

けっこう仕事熱心で研究肌だった親父なんだが

‘運,を引き寄せる力が弱かったんだろうな

今、土佐沖でマグロが釣れるなんて聞いた事が無いけど

50年も昔の話

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気が重い

2022-01-05 07:19:54 | グチ

昨日から営業を始めているが思ったとおり暇だ

仕事も気が重いが

それにも増して気が重くなるのは隣組の掃除当番だ

自宅の隣組の20所帯ぐらいで順番に一週間ゴミ置き場の掃除当番が回ってくる

年に3回程度だと思うが

うちのゴミ置き場は駅に一番近くて通勤途中の連中のポイ捨てが後を絶たない

それぐらいなら単に片付ければいいだけだから

(しゃーないなあ)

と片付けられるんだが

ここ数年確信犯なんだけどオシッコ入りのペットボトルを何本も袋に入れて

ゴミカゴやカゴ周辺に置かれてしまう

それをやられるとペットボトルからおしっこを出して

真面目な人はそのペットボトルを洗う処理までしている

だけど片付けない当番もいてそのままにして当番を次の人に引き継ぐ

結局、誰かがやらなくちゃいけないので誰かがババを掴む

もうこうなったらご近所トラブルを生み疑心暗鬼な隣組になる

このペットボトルの犯人もいたずらな軽い気持ちかも知れないが

赤の他人にどんな影響を与えているか分からないだろう

今年の一番の当番がうちだ

その前の当番が一番真面目なAさんから回ってくる

次の当番も真面目なBさん

わしゃおしっこボトルから逃げられない

 

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