ほんに今日も暑ぅ~おまんな
今日の仕事は昼までじゃ
ちんたらやっつけ仕事しとったらいつの間にか終わるわい
それにしても暑いな
昔と違ってどこにでもクーラーがあるだけまだマシかな
普通の家庭にクーラーが付いたのはいつ頃からだろう
一挙に広まった感があるんだが
昔々僕が初めて一人暮らしを始めた頃はアパートにクーラーなんて無かった
パチンコ屋とか喫茶店にはあった、だからどちらも繁盛してた
昭和55年頃か聖子ちゃんの最盛期だな
あまりの暑さに
三畳一間の角部屋で向かいに部屋も無かったから
ドアを開けっぱなしにしてパンツ一枚で寝てた
のどが渇くと水道の蛇口に口をつけて生ぬるい水を飲んだ
窓には割れたビニールの庇があって頭を斜めに倒して隙間から外を覗くと
窓の外は古いブロック塀の上に有刺鉄線をめぐらした、雑草が生えた広い空き地で
空地の向こうは阪急電車の鉄橋が見えた
空地を熱風が吹いて渇いた土を舞い上げた
アパートの裏は腐った臭いのするどぶが流れていて
アパートの玄関側は路地の突き当りで
近所の文化住宅の子供らが道路に絵を描いたりして遊んでた
一度、裏階段の手摺に布団を干していたら
風に吹かれて布団がどぶの中に落ちた
布団も無い、お金も無い、
何か食べる物が無いか探したら
流しの下の物入れから干からびた‘ケロッグ,が出て来た
干からびたケロッグを茶碗に入れて水を掛けて食べたっけ
何の話やったっけ?
暑い話か