宮部みゆきさん著の時代物の短編集
その内の一篇 「お文の影」
長屋の子供達が影踏み遊びをしている
遊んでいた吉三と言う男の子が子供達の影が一人多いのに気づく
遊んでいる子供の数より影の方が一人分多い
(子供の数が一人多いのはけっこう昔話で使われる)
調べてみるとこの長屋のある場所は昔商家の別邸があって
そこに子が産めずに店を出された内儀と養女の5才になるお文が暮らしていて
お文は内儀から毎日体中に焼き火箸を当てられるなど凄まじい折檻を受ける
お文はその冬とうとう体中に火傷の跡を残して死んでしまう
別邸で閉じこまれていたお文は友達と遊ぶ事が出来ずいつも指で影絵を作って遊んでいた
その場所に何年かして長屋が建てられ外で子供たちが遊んでいる
死んでしまってお文の影だけがこの世に残されその影が子供たちと遊んでいたんだ
もうこの辺りで読んでいて涙がちょちょ切れですわ
宮部みゆきさんと言ったら「弧宿の人」の‘ほう,と言う女の子の小説でも泣かされたけど
幼い子がDVを受ける(特に女の子)話は涙を誘うね
衝撃なのはその女の子の影には片耳が無いんだ
最後にその影がどうなるかは書かないけど
一読をお勧めですね