皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

ちはやふる!行田郷土かるた大会

2018-11-17 17:09:42 | 日記
第1回行田市郷土かるた大会に参加しました。主催は市教育委員会と青少年育成会連絡協議会です。行田市グリーンアリーナにて20チームが参加しました。競技かるたも近年盛んで『ちはやふる』というマンガが実写化され映画にもなっています。映画を見ていませんが、広瀬すずの番宣CMをよく目にしました。『ちはやぶる』は神に掛かる枕詞で、百人一首に出てくる句で『千早振る神代も聞かず竜田川から紅に水くくるとは』(在原業平)が有名です。競技かるた大会は各地で行われていて、午前中は同じグリーンアリーナで彩の国かるたの行田地区予選があり、代表になると県の大会に出られるそうです。
競技だけにルールも厳密です。札の並べ方、記憶時間など決まりがあります。特に読み手が『から札』を2回読んでから始まります。読み手の間が大事な所です。今回のから札は『日本一 足袋の行田の 名は高し』が用いられます。ひと札一点で故郷札、シンボル札という役札が揃うとプラス10点です。ルールというより作法と呼ぶ方がそれらしく聞こえます。
一枚でも多く取る事より、役札を揃えた方が有利です。そのため配ってから場所を覚え、役札をマークする戦術もあるようです。今回学校の教頭先生が良く指導してくれました。
1組4チームの総当たり戦で、得点の高いチームが優勝です。審判は中学のジュニアリーダーがつとめます。
残念ながらうちの子のチームは三戦全敗でしたが、役札が取れたときはとても嬉しそうでした。
競技が終わり散会になると、運動公園の遊び場は子どもたちで溢れていました。勝っても負けても、終われば皆同じ。子どもどうし走り回り、紅葉も美しい北武蔵の秋の一日をたのしんでいました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

堤根 伊奈利天神社

2018-11-16 20:57:32 | 神社と歴史 忍領行田

堤根の地名は天正十八年石田三成忍城攻めに際し、久下の堤を切って荒川の水を引き入れるために作った堤の下に開かれた地であることに由来する。現在は国道17号バイパスが通り、広大な田園地帯を多くの車が行きかう場所になっている。

享保十年に神祇官吉田兼敬(かねゆき)より正一位を賜り、この時贈られた神爾箱は現在も本殿に祀られているという。

神祇官吉田兼敬は初名を兼連(かねつら)と名乗り姓も卜部と称した。京都吉田神社の神官で公卿、歌人としても活躍している。寛文五年諸社禰宜神主法度が発布され吉田家の権威が確立され、吉田家当主として礎を築いた。

この卜部兼連の名で神道裁許状を皿尾久伊豆大雷神社は受けており、その書面自体も現存している。

この裁許状は巫女に対する神楽舞の許状で元禄七年のもの。享保十年に贈られた神爾箱が見られれば、兼連から兼敬に改名し、歳を重ねた神祇官の書跡の違いが見ることができるかもしれない。

本殿前には伊奈利社の神使である狐の石が構える。七月には獅子祭りとして、年番が騎西玉敷神社から獅子を借りて各戸を巡回し、村昌で清めを行う。現在でも稲作の盛んな区域で神社周辺には田んぼが多く残っている。

境内地前も田んぼが広がっており、稲刈り後しばらくたった現在、刈った後に芽が出て穂が付くほど稲の生命力を感じさせてくれる。元荒川流域であったことから水害を回避できるよう社殿は盛り土の上に建てられていて、洪水にあたっては神社が避難所となっていたことがうかがえる。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

野 氷川神社

2018-11-15 22:24:48 | 神社と歴史 忍領行田
行田市野は元荒川左岸に広がる農業地帯。寛永六年関東郡代伊奈半十郎忠道が河川改修を行うまでは、荒川本流であり、数年に一度は氾濫したという。度重なる水害に村人が川の神として氷川祀ったのが起源であり、天文年間の事という。祭神は素戔嗚命。碑文によれば明治二十九年の祭典の時、天気も良い中で、旗立が突然倒れたという。神の怒りと恐れた氏子が謹んで厚く霊を鎮めたところ、近隣に疫病が流行ったときも、この地は五穀豊穣であったと記されている。こうした地域の信仰を伝える逸話は各地に残る。但し明治二十九年と近年の年期が明記されているのはめずらしい。
平成二十四年に社殿新築していて、記念碑も経つが、拝殿の柱と彫刻は旧社殿のものを利用しているようで、歴史を感じさせる。『野』という地名は元は広野を表すとされ、現在も集落周辺は正しく広大なな農地が広がっている。伊勢講を始め記念碑が多く残り、村社としての信仰が伺える。一際目立つ日露戦争記念碑は、大きさからか一部割れてしまいながらも碑文は伝えている。境内西には御嶽神社が祭られ、塚が築かれている。
川の氾濫を防ぐために祀られた神社であったが、荒川本流から外れてからは農耕信仰として、氏子の守り神となったとされている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第15回講座は日本建築について

2018-11-15 20:05:23 | 生涯学習

行田市民大学9期生2学年第15回講座は「見て感じて理解する日本建築」。講師はものつくり大学の岡田公彦准教授でした。市民大学はものつくり大学の御厚意でキャンパスを無料でお借りしています。その上建築や工業に関する講座も数回開かれており、ものつくり大学の先生も担当されています。郷土史だけでなく、幅広い分野での見識が広がり興味を持って講座に臨めば様々なことが学ぶことができます。

 日本建築は世界的にも十分有名で、数十年周期でブームがくると言われています。日本の和の伝統は建築の分野においても世界を席巻したとも言われます。そのため日本建築に影響を受けた世界的な建築家も多数いるようです。旧帝国ホテルを設計したフランク・ロイド・ライトや静岡県の旧日向別邸を建築したブルーノ・タウトなどです。他方世界で活躍する日本の建築家も大勢います。芸術の都パリ、ルーブル美術館の新館を設計したのは日本のSANAAというユニットで、フランス人はルーブル美術館を西洋の文化的中心としてではなく、世界文化の中心としてとらえ、こうした建築に東洋の神秘日本の建築技術を取り入れたかったといいます。フランス人は見識が深く、世界的な視点を持っていると言えます。ドイツ人建築家ブルーノ・タウトは数寄屋造りで知られる桂離宮を称賛し、自然と一体化するようなわびさびといった美意識をその建築様式にみて感銘しています。一方で日光東照宮に見られるような豪華絢爛な装飾建築に対しては、偽物であるかのような評価を下しています。この辺りがドイツ人の価値観を表していているようで興味深い点です。

新国立競技場のデザイン審査委員長の安藤忠雄氏の「光の教会」はコンクリートの打ち付けのもので、当時は世界的に見てもこうした斬新な発想と建築をする人は世界的にもいなかったそうです。

 埼玉県内唯一の国宝建築物妻沼の歓喜院聖天堂。中国由来の工法から、雨の多い日本において東照宮のような建築は、次第に軒を伸ばす造りとなり、装飾美が加わったとされます。

千利休が好んだ京都妙喜庵の茶室待庵。現存する最古の茶室として国宝になっています。この茶室の様子を再現するプロジェクトが今年4月六本木ヒルズで開催され、ものつくり大学が製作にあたったそうです。天下人秀吉に愛され、茶道の権威であった千利休。最後は秀吉によって切腹に追いやられる形となりましたが、利休は茶の前では天下人も茶人も等しく同じ立場を貫いたといいます。

「わび」の思想を空間化した最古の茶室を再現することで、技術面で日本文化を継承するという取り組みです。

余談ですが、日本家屋の玄関は扉としては外開きになります。諸外国では内開きです。災害の多い日本では外に逃げることを優先し、外開きになったと考えられるそうです。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フランチャイズと自営権

2018-11-13 22:53:12 | 物と人の流れ
コンビニのフランチャイズ契約について、本部に有利な契約条項が多いと聞く。本部の営業企画に沿うよう、何から何まで決められて、オーナーの決定権は多くないという。営業時間、品揃え、販促物など決められた通りの運用で店を経営し、売り上げの中からフランチャイズ料を払う仕組みだ。見切り販売の禁止(値下げしない)など、度々問題として取り上げてられることも多い。
スーパーでいう青果物などを個店で並べている店舗も見受けられる。オーナーの意思なのだろうか。通勤路による店は生花の品揃えが豊富だ。仕入れはどこからなのだろう。通常便で納品するのだろうか。儲けはあるのだろうか。商品よりもそんな事ばかり考えている。鉢植えは単価は低いがロスが少なく、切り花は仏事(彼岸やお盆)に高く売れ利益もあるが、売り切らなければロスも多いだろう。その数量を判断するのがオーナーの采配なのだと思う。
やはり自由度は少ない。
それでも商売の視点からみれば、売る価値はありそうだ。品揃えの幅は小売業の生命線。自分が何を売りたいか。品揃えから見える店主の姿勢が見えてくる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする