ミノルタα9Ti AF28~135mm F4~4.5
私は以前はオリンパスOMをメインシステムとして愛用していました。「OMボディは世界いちぃぃぃ!」
と叫びたおし、他のカメラには目もくれませんでした。ところが1999年のことです。
当時勤めていたカメラ屋に新発売となったα9が入荷してきたのです。
高級機を発売と同時に触れるというのは数少ない店員の特権なのですね~(^^)。
大きなプリズムと100パーセントの視野率が早くから謳われていましたから
50mmF1.4を装着してさっそくスイッチオンです。
ファィンダーをのぞいてみてたまげました!驚くなかれ、色がついていないのです!
色がついていないというのはもちろんモノクロで見えている・・・わけではなく、一眼レフにありがちな
「黄色みがかった」とか、「青みがかった」ということがないということです。
二眼レフのオートコードの昔から、ミノルタのファインダーは明るくてピントのキレも良いというのが
評判でした。スクリーンのマット面を円錐状にそろえて明るくしたアキュートマットもミノルタの発明です。
ところがα9が出る前の707siなどはスクリーンに液晶をかぶせたりしてかなり印象が悪くなっていました。
しかしです。このα9のファインダーは一つ前の507siと比較しても圧倒的に大きく美しい
像を見せています。兵隊のクラスでいえば二階級特進というべきです。「こ、これは買いだっ!」
OM以外に浮気をしなかった私の貞操観念はグラマラスなα9の魅力の前にあっさりと崩れ去りました(^^)ゞ。
ずいぶんと黄色いOM-4チタンのファインダーとはもちろん、先輩のXDと比較してもその透明感と
ピントの切れの良さは圧倒的です。とくに50mmや85mmといった大口径レンズを装着してファインダーを
のぞくとアウトフォーカス部と合焦部のなだらかな美しいコントラストにぞくぞくします。
もちろんファインダーだけではなくセクシーなグリップや24mmまでカバーのフラッシュ搭載
(シンクロ最速は1/300秒なので日中シンクロもらくらく)など、値段と重さに目をつむれば
まさに最強のボディです。
当然のように受賞した99年カメラグランプリの受賞記念で、限定でチタンボディが発売されました。
ステンレスだったカバーをチタン化して910gもあった重量を825gと85gも軽量化したのです。
重量はこれでクリアです。そして最近のフィルムカメラの価格暴落により、値段もようやく手のとどくところに降臨され、
ついに我が家にもα9チタンがやってまいりました\(^0^)/!!
ミノルタα9Ti AF28~135mmF4~4.5 4秒 F5.6 プロビア100F
装着レンズは初期のαレンズでも人気のAF28~135mm F4~4.5です。
せっかく軽量化したチタンボディの意味がないようなヘビーなレンズですが、まるでツァイスのような
「性能第一主義」感が嬉しいですね。レンズはなんと13群16枚です。16枚もレンズが入っているのですから
ちょっとくらい重くても・・いやいや、やっぱり枚数が少なくて軽いほうが良いですね(^^;)。
撮影してみますと、秒間5.5コマという連射機能を使うことなどほぼないのですが一コマ撮りでも
あっという間にシャッタチャージをしてくれるのはありがたいです。なにより秀逸なスクリーンのおかげで
「マニュアルでピントを合わせながらシャッターチャンスを狙う」には最強のマシンでしょう。
もちろん動体を撮影するときには素直にオートフォーカスに頼っても良いですね(^^)。
α9はフィルムカメラとしては年式も新しく、オートフォーカス一眼レフカメラとしては最高のファインダーを
そなえています。素晴らしいのはマニュアル時にはスカスカになるα用レンズの軽いフォーカスリングがα9の
「スフェリカル・アキュートマット」スクリーンでその軽さがむしろ快感になるのです。
元値とつくりを考えれば感覚性能において最高のコストパフォーマンスを持つのではないでしょうか。
チタンはなかなかないのですがノーマルボディは中古市場でもけっこう潤沢ですしレンズも豊富でリーズナブルです。
これからフィルム撮影に挑戦してみたい方には最高におすすめの一台です。
ぜひ明るい単焦点レンズを装着してファインダーをのぞいてみてください。
そうそう、ちゃんと視度補正を合わせてからですよ(^^)。