昨日、雑誌『民藝』について書きました。そこで、ちょっと民藝の勉強をやり直したいと思い、書店へ出掛けたところ、『民藝の歴史』(志賀直邦著 筑摩書房 2016年)が売っていましたので購入してきました。
著者の志賀直邦氏は、株式会社たくみの代表取締役で東京民藝協会会長、公益財団法人日本民藝館評議員を務めていらっしゃる方です。私は主に雑誌『民藝』で何度か目にしてきたお名前です。
本書は、様々な資料の引用や著者自身の経験から「民藝の歴史」を振り返ったものです。民藝運動の中心的な人物であった柳宗悦の『白樺』時代から、民藝ではおなじみの陶芸家濱田庄司、河井寛次郎を始めとして、浅川伯教、巧兄弟、バーナード・リーチ、芹澤ケイ(金編に土重ねる)介らの活動、そして柳亡き後の現在に至るまでの流れが記述されています。文体は「です・ます」調で読みやすく、民藝の歴史をたどるには絶好の入門書ではないかと思います。(そもそも市販されている民藝関係の本のなかで、ここまで詳細にその歴史を扱った本はないかもしれません)
本書では、民藝運動が柳や濱田、河井らが中心となり、多くの支持者によって各地へ波及したということの重要性について言及されています。柳らのメッセージを受け止めた地方の人材では新潟県の吉田正太郎、鳥取県の吉田璋也ら、企業人では大原孫三郎、山本為三郎、松方三郎ら、こうした人たちが共鳴したことでムーブメントが起こりました。他の書籍ではどうしても柳や濱田、河井を中心とした思想や活動が取り上げられやすいのですが、本書はこうした地方のキーマンの活動も拾い上げて紹介している点で、民藝運動の全体的なかたちを捉えやすく、とてもよい本であると感じます。よくを言えば…たくさん人物が登場するので、本の最後に人物別の索引があると便利だったかな。
今年最初の私のオススメの一冊です♪
著者の志賀直邦氏は、株式会社たくみの代表取締役で東京民藝協会会長、公益財団法人日本民藝館評議員を務めていらっしゃる方です。私は主に雑誌『民藝』で何度か目にしてきたお名前です。
本書は、様々な資料の引用や著者自身の経験から「民藝の歴史」を振り返ったものです。民藝運動の中心的な人物であった柳宗悦の『白樺』時代から、民藝ではおなじみの陶芸家濱田庄司、河井寛次郎を始めとして、浅川伯教、巧兄弟、バーナード・リーチ、芹澤ケイ(金編に土重ねる)介らの活動、そして柳亡き後の現在に至るまでの流れが記述されています。文体は「です・ます」調で読みやすく、民藝の歴史をたどるには絶好の入門書ではないかと思います。(そもそも市販されている民藝関係の本のなかで、ここまで詳細にその歴史を扱った本はないかもしれません)
本書では、民藝運動が柳や濱田、河井らが中心となり、多くの支持者によって各地へ波及したということの重要性について言及されています。柳らのメッセージを受け止めた地方の人材では新潟県の吉田正太郎、鳥取県の吉田璋也ら、企業人では大原孫三郎、山本為三郎、松方三郎ら、こうした人たちが共鳴したことでムーブメントが起こりました。他の書籍ではどうしても柳や濱田、河井を中心とした思想や活動が取り上げられやすいのですが、本書はこうした地方のキーマンの活動も拾い上げて紹介している点で、民藝運動の全体的なかたちを捉えやすく、とてもよい本であると感じます。よくを言えば…たくさん人物が登場するので、本の最後に人物別の索引があると便利だったかな。
今年最初の私のオススメの一冊です♪