学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

わたしは何を知っているのか

2016-09-01 21:51:51 | 仕事
どうも哲学的なタイトルをつけてしまいました。

が、ことは簡単で、新しい職場になってから、わたしの知識がいかに少ないかを思い知らされること多々あり。美術館で働いていた時は自分の専門分野だけに特化していたわけですが、今の職場はそうもいきません。市内の蔵などを調査すると、様々な作品と出会います。谷文晁、高久靄厓、岡本秋暉、枚田水石…など。前者3人は知っていても、枚田水石は初めて耳にする絵師。当然、作品の現物を一度も見たことがなく、蔵から出てきても、それが彼にとってどの程度のレベルの作品なのかもなかなか判断をしかねるのです。とほほ、と情けない話です。

一度、美術館から離れて自分自身を見た時に、わたしはこれまで一体何をしていたのだろう、と弱気になります。美術館にいたときには、それなりに網羅的に知識はつけてきたつもりでしたが…。といって、美術のことなら何でもオールマイティーに知っているというのも現実的ではないような気がしますし、人間にはそれだけの知識を身に付ける時間もありません。そこが救われる?ところでしょうか。

そんなこともあり、この頃のわたしは、江戸時代の絵師たちの作品をより多く見て考えることを課題としています。少なくとも、この時代の美術に関する知識は、今の職場では最低限に求められるスキルと判断しました。もう一度、学生時代に戻ったつもりでみっちりと勉強です。



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