学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

オススメ本 1

2006-11-20 21:24:39 | Weblog
突然ですが、これからは、ときどき「オススメ本」として
美術を学ぼうとする方に本を御紹介していきたいと思います。
なるべく絶版のものは紹介しないように気を付けますね。

第1回目 「名画を見る眼」 高階秀爾著 岩波新書
高階先生が書かれた西洋美術入門書です。
第一版が1969年ですから、もう随分前になるわけですが、
文章は決して色褪せてはおりません。
15世紀のファン・アイクから19世紀のマネまでの16人と
各作家の代表作1点を選び、深く読み解いていこうとするものです。
絵のなかに隠された秘密を紐解いて真実を探ろうとすることは、
ミステリー小説にも似た感覚を覚えます。
展覧会においては、絵を一目見たときの自分なりの印象も大事ですが、
歴史的背景を知ったうえで、絵を見るとまた違った印象を持つ場合も
あることを教えてくれる本です。
(絵を見るうえでは自分のセンスも勿論大事ですから、時代背景が
全てではないことを断っておきますね)
文章も平易ですし、新書ですから手軽に読むことができます。

ちなみに、私は高階先生にお会いしたことが一度だけあります。
いや、正確に申せば、遠くに見かけただけなのですが(笑)
私のようなまだまだ若手?の学芸員にとっては雲の上のような
方なのです。私にとって憧れの先生ですね。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿