確実に天心を目差す
柔軟であった日の心の軌跡。
ゆるやかな破風はいくたびか地に叛き
そして そのままにかたちをなした!
木々はおのおのの緑をつくし
林の向うには聚落がある。
今日人々は忙しげに往来し
もはや声をあげて笑うことをしない。
島国の晴天は傷つきやすく
ゆるやかな破風はふたたび又みたび
地に叛き 地に叛きつつ空に触れ合う。
ああ私たちが此処を発って 明日
いくばくの瓦礫をつむとしても
ついに稜角を成すことはないだろう・・・・。
□中村稔「塔」(『鵜原抄』、思潮社、1966:高村光太郎賞)
↓クリック、プリーズ。↓
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【参考】
「【詩歌】中村稔「誕生」」
「【詩歌】中村稔「城」」
「【詩歌】中村稔「埴輪」」
「【メンタル・スケッチ】群衆」
「【メンタル・スケッチ】挽歌」
「【本】この1年に出会った本」
「【中村稔ノート】凧 ~戦禍の記憶~」
「【中村稔ノート】ある潟の日没 ~震災と戦災~」
「【読書余滴】追悼、森澄雄の生涯と仕事」
「書評:『本読みの達人が選んだ「この3冊」』」
「書評:『加藤周一自選集8 1987-1993』」
柔軟であった日の心の軌跡。
ゆるやかな破風はいくたびか地に叛き
そして そのままにかたちをなした!
木々はおのおのの緑をつくし
林の向うには聚落がある。
今日人々は忙しげに往来し
もはや声をあげて笑うことをしない。
島国の晴天は傷つきやすく
ゆるやかな破風はふたたび又みたび
地に叛き 地に叛きつつ空に触れ合う。
ああ私たちが此処を発って 明日
いくばくの瓦礫をつむとしても
ついに稜角を成すことはないだろう・・・・。
□中村稔「塔」(『鵜原抄』、思潮社、1966:高村光太郎賞)
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【参考】
「【詩歌】中村稔「誕生」」
「【詩歌】中村稔「城」」
「【詩歌】中村稔「埴輪」」
「【メンタル・スケッチ】群衆」
「【メンタル・スケッチ】挽歌」
「【本】この1年に出会った本」
「【中村稔ノート】凧 ~戦禍の記憶~」
「【中村稔ノート】ある潟の日没 ~震災と戦災~」
「【読書余滴】追悼、森澄雄の生涯と仕事」
「書評:『本読みの達人が選んだ「この3冊」』」
「書評:『加藤周一自選集8 1987-1993』」