語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【中国】住宅を入手しやすい「新一線都市」が人気 ~地方の生活水準が向上~

2017年09月12日 | 社会
 (1)「一線都市」(北京や上海など)の不動産価格が家計年収の10倍をはるかに超え、北京や上海の住宅は高根の花となっている。一方、「新一線都市」(地方の省都)へUターン・Iターンをする動きが出ている。
 大卒の就職先は、北京や上海はなお人気だが、成都、武漢など内陸地方の省都なども人気が出ている。一線都市を目指していた就職が変化しつつある。

 (2)北京では、中心部の不動産価格は1平方メートル当たり10万元(160万円)、標準的な住宅の価格は1,000万元(1億6,000万円)だ。大卒であれば若い夫婦でも家計年収20万~30万元は珍しくないが、それでも1,000万元は高価だ。郊外に行けば安価な物件もあるが、通勤は不便になる。
 そうした中、給与水準が低くとも、職場があり、都心部近くにマンションを購入できる「新一線都市」が人気となっている。
 新一線都市とされるのは、天津、杭州、寧波、南京、重慶、青島、成都、武漢、蘇州、西安、長沙、瀋陽、鄭州、大連、厦門(福建省)、東莞(広東省)だ【新一線都市研究所】。北方の有名な省都がリストから外れる一方、南方の地方都市がリストに入る(「北少南多」傾向)。成都や武漢の位置づけが高く、内陸へのシフトも見られる。

 (3)こうした状況が生じている理由は、一線都市の不動産価格が高くなる一方、新一線都市では、都心からさほど離れていない所でも200万元程度の物件があり、ちょっと外れた所に行けば半額の100万元以下の物件も珍しくないからだ。若者や若い夫婦にとって生活設計が立てやすい。

 (4)2010年代的といっていい幾つかの理由もある。
 Uターン・Iターンが増えてきた背景としては、
  (a)高速鉄道や高速道路の整備に続いて地方都市のインフラが整備された。
  (b)メッセンジャーアプリの微信(WeChat)や、電子決済サービスの支付宝(Alipay)などによって、情報格差が急激に縮小し、電子商取引がほぼ完全に普及した。
  (c)それによって、一線都市と地方都市の生活の差がほぼなくなった。
  (d)新一線都市がそれぞれの企業誘致や産業支援を進めつつ、人材誘致も強めている。・・・・優秀な人材に対して戸籍、賃金補助、住宅補助などを与え、人の量だけでなく、地域産業の高度化とそれを支える人の質を高める人口政策が、新一線都市で採られている。〈例〉成都・・・・国家レベルの専門家に最高300万元を提示。厦門・・・・超一流の人材や企業に最高1億元を提示。

 (5)中国は国土が広く、全人口の1割、2割が集中するような大都市圏ができない。今はしかし、交通や情報、生活において、北京や上海に近い都市生活を地方都市でも実現可能になった。
 日本では、交通網の整備が東京への人口集中を招いた。しかし、中国では日本とは逆に、地方に人を分散させる。新一線都市がかつての日本の理想を実現するか、が注目される。

□鈴木貴元(丸紅(中国)有限公司経済調査総監)「地方の生活水準が向上/手頃な住宅が手に入る「新一線都市」が人気」(「週刊ダイヤモンド」2017年9月16日号)
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 【参考】
【欧州】総工費8兆円超の英高速鉄道プロジェクト ~高まる期待と漂う懸念~
【欧州】スペイン経済は大打撃、欧州金融危機の再来か ~カタルーニャ独立~
【欧州】のゴミ箱扱いに憤慨する東欧諸国 ~深まるEUの東西分裂~
【英国】の地政学的優位性がBrexitで喪失 ~領内で高まる独立気運~
【欧州】北欧も難民入国規制強化へ ~形骸化するシェンゲン協定~
【スウェーデン】文化多元主義の限界 ~移民問題~

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【南雲つぐみ】コーヒーの香り

2017年09月12日 | 医療・保健・福祉・介護
 電子レンジの庫内などにこもった嫌な臭いを消すアイテムとして、コーヒーの出し殻を活用するという技がある。コーヒーを入れたばかりのまだ温かい出し殻を耐熱皿などの上に盛り、ラップをかけずに、そのまま1~2分加熱する。これで庫内の嫌な臭いもほとんどなくなるはずだ。また、乾燥させたコーヒーの出し殻を布袋などに入れて、靴箱に入れておくと脱臭効果が期待できる。
 コーヒーにはピラジン類、フラン類、ピロール類、アルデヒド類など数百種の香り成分が含まれているそうだ。フラン類はニンニクやニラなどの臭いの元を消す口臭予防効果が期待されている。コーヒー特有の香ばしさはこの成分の組み合わせによって生まれる。焙煎することによって、あの独特の香りが表れるそうだ。
 また、コーヒーに含まれるカフェインやクロロゲン酸にはダイエット効果があるとされるほか、これらの香り成分にも、ストレスの除去や鎮静効果があるという研究報告もある。

□南雲つぐみ(医学ライター)「コーヒーの香り ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年6月18日)を引用
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【南雲つぐみ】コーヒーの入れ方

2017年09月12日 | 医療・保健・福祉・介護
 コーヒー専門店で豆を買ったら、ドリップ式でのおいしい入れ方を教えてくれた。人によって味の好みはあると思うが、どんな種類の豆でもおいしく入れるには、お湯は、85度前後がいいらしい。ちなみに、煎茶は70~80度が最適とされ、紅茶は沸騰したてのお湯をやかんから直接ポットに注ぐぐらい熱いのがいいとされている。
 お湯は、コーヒー粉を入れたフィルターの上3センチメートルくらいから、コーヒーの真ん中あたりに円を描きながら静かに注ぎ入れる。高いところから音を立てて入れると雑味が出る原因になるし、縁のほうから注ぎ込むとお湯がフィルターを伝って流れてしまい、薄味になってしまうそうだ。
 サーバー(またはカップ)にコーヒーが数滴落ちてきたら、20秒ほど注ぐのを待って粉を蒸らす。再び、コーヒー粉がふんわりと盛り上がるようにゆっくりと円を描きながらお湯を注いでいく。
 大切なのは最後で、フィルター内のお湯が全部落ち切る前にサーバーを外すと、えぐみが出ないという。

□南雲つぐみ(医学ライター)「コーヒーの入れ方 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年7月30日)を引用
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【南雲つぐみ】メール送信には一呼吸

2017年09月12日 | 医療・保健・福祉・介護
 つい最近、知人から長いメールをもらって驚いたことがあった。まったく身に覚えのない出来事について、書かれていたからだ。
 すぐ当人から電話があり、送り先を間違えたことが分かったのだが、知人はどれだけ身の縮まる思いをしたかと気の毒になった。自分の身になって考えてもみた。
 コミュニケーションの方法は、電話やメールなどの登場でどんどん変わってきている。「もらった連絡にはすぐに返信するのが礼儀」という日本的なマナーに縛られていると、焦りから「誤解、誤字、誤表現」を生みやすい。笑い事で済まされない表記ミスも起こるし、送信先を間違える重要なミスですら、簡単に起こるのだ。郵便なら、手紙を取り戻すこともできるが、メールは取り戻せない。
 こうしたミスや行き違いによるストレスを回避するためには、書き終わってもすぐ送らず、一呼吸、見直しの時間を持つことも大切ではないか。場合によっては、一晩置くくらいの心の距離感を持っても良いだろう。

□南雲つぐみ(医学ライター)「メール送信には一呼吸 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年8月26日)を引用
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