語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】冷えのぼせに注意 ~血行不良~

2017年03月23日 | 医療・保健・福祉・介護
 50代になったAさんが、この冬に入ってから顔が真っ赤にほてって汗が出ると困っている。それでいて、手足の先や腰などは凍るように冷たいという。東洋医学では、「冷えのぼせ」といわれ、更年期に起こりやすい特徴的な症状とされる。
 原因の一つは血行不良だ。人間は恒温動物だから、体温をいつも一定に保つ必要がある。暑ければ血管を広げて、汗をかいて熱を逃がし、寒ければ血管を縮めて体内に熱を閉じ込めようとする。この調節をしている自律神経のバランスが更年期に衰えるため、冷えたり、のぼせたりが起きやすくなるという。
 Aさんは顔や頭部が熱いのが不快で、うちわであおいだり、冷たい飲み物を取ったりしていたのだが、漢方医に「冷やすのではなくて温めて」といわれてから改善したという。
 また、早足で歩いたり、スクワットなどの筋トレを行ったりすることで筋力をつけるようにしたそうだ。筋肉は熱の生産量が高いため、筋肉が多いと体温が下がる。さらに、運動によって代謝や血行が良くなるから冷えも感じにくくなるという。

□南雲つぐみ(医学ライター)「冷えのぼせに注意 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年1月24日)を引用
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【佐藤優】又吉進外務省参与は沖縄史の汚点になる

2017年03月23日 | ●佐藤優
【佐藤優】又吉進外務省参与は沖縄史の汚点になる

 (1)沖縄県は日本の地方自治体の一つということになっている。しかし、そこには日本外務省から派遣された沖縄大使がいる。そして、ワシントン、北京、モスクワと同様の暗号通信を行う機材が設置され、外務本省から電信官が配置されている。そして、外務省沖縄事務所に勤務する外務公務員(外交官)が沖縄で収集した情報を秘や極秘の暗号をかけて東京の外務本省やワシントンの在米日本大使館に送る。
 外務省沖縄事務所は、日本国内にある組織であるにもかかわらず、事実上は外国における日本大使館と同様の情報活動を行っている。

 (2)この奇妙な組織が設置されて20年を迎えた機会に、「琉球新報」が次のような社説を掲げた。
 <沖縄担当全権大使が代表を務める外務省沖縄事務所がいつの間にか20周年を迎えていた。多くの県民はこう受け止めたのではないか。
 開設から数代の大使の名は頻繁に報じられたが、2009年から定例会見が開かれなくなり、その肉声は米軍の事件事故に対する抗議を受ける時だけしか聞こえなくなった。現12代目の川田司氏の名がすぐに出る県民はほとんどいないだろう。
 沖縄事務所は1997年、橋本龍太郎首相の肝いりで開設された。
 米軍基地の過重負担にあえぐ沖縄の実情を中央政府と米側ににごりのない目で伝え円滑な関係構築に努めるという、本来の設置目的に沿った活動は停滞して久しい。
 20周年記念の招宴で、岸田文雄外相は「これからも外務省は大使と沖縄事務所を通じて沖縄の皆さんの声に耳を傾けたい」と述べたが、うわべだけの言葉に聞こえる。>【注1】

 (3)外務省沖縄事務所の主要な任務は、日本の沖縄に対する植民地的支配を円滑に進めることだ。この任務遂行に当たって、都合のよい、日本から沖縄に植民した者、中央政府に過剰同化した沖縄人の声には今後も外務省は耳を傾け続けるのである。
 「琉球新報」の社説は続ける。
 <基地に起因する問題にあえぐ県民にすれば、今の外務省沖縄事務所は、政府の立場を沖縄社会に押し付け、米軍の円滑な運用を最優先しているように映る。昨年末に墜落したオスプレイは沖縄社会が猛反発する中、わずか6日で飛行再開したが、沖縄事務所は何か手を打っただろうか。
 今回の来県で、岸田外相は保守系9市長と懇談したが、翁長雄志知事と共に、名護市辺野古の新基地建設に反対する稲嶺進名護市長や城間幹子那覇市長は招かなかった。その場で、岸田氏は「辺野古が唯一の解決策」というお決まりのせりふを繰り出した。
 安倍政権の考え方に理解を示す側ばかりに耳を傾けているのではないか。こうしたことは過去にも目に見える形で繰り返された。
 01年、当時の橋本宏大使は、名護市議会から米海兵隊の戦闘攻撃機の訓練空域外での訓練中止を要請された席で、議員の発言を遮り「聞く耳持たない」と声を荒らげ、後日陳謝した。>【注2】

 (4)沖縄事務所の機能が大多数の沖縄人の利益に反していることが、(3)の社説によってよく分かる。
 沖縄事務所の活動で警戒しなくてはならないのは、仲井眞弘多・前沖縄県知事のもとで知事公室長をつとめた又吉進・外務省参与の耕作を支援していることだ。
 2017年1月、高良倉吉・前沖縄県副知事が稀に見る欺瞞的な本を上梓した。『沖縄問題 ―リアリズムの視点から』がそれである。仲井・前知事の側近たちによる辺野古新基地建設が唯一の道であることを、あたかも実証的であるかの手法で示した情報操作の書だ。この中で、又吉氏は、沖縄県知事の外交の意義についてこう記している。
 <沖縄県民には基地問題の現状について大きな不満があること、その一方で日米安保体制については一定の評価が存在すること、進行中の基地の整理縮小計画に関する課題や見通しについて沖縄側に意見があることなど、これらの点を正確に伝え、米国が県民の利益に沿った判断をするよう働きかけることが訪米の目的である。しかしながら、のっけから抗議・要請を行っても米国政府は聞く耳を持たない。沖縄をめぐるさまざまな話題を提起し、意見交換を行い、議論の基礎を作ることがまずは必要なのである。
 米政府との会談で留意すべきことは、相手は官僚であり、日米安保条約および日米地位協定を越えた議論は期待できないということだ。県と米政府の接触は、わが国の地方自治体として実務的、現実的に現状を改善したいとの意思を表明する場なのであって、相手の権限以上の見解を求めても「上司に報告する」と言われるだけなのだ。>【注3】

 (5)「のっけから抗議・要請を行っても米国政府は聞く耳を持たない」との理由でワシントンを訪れた沖縄県知事が抗議や要請を自粛するくらいならば、訪米などしない方がましだ。相手がどのようにつっけんどんな対応をとろうと、それを「上司」すなわち米国の政策意思に関与する高級官僚や政治家に伝える努力を沖縄県知事は放棄してはならない。
 沖縄は自己決定権を持つ。この自己決定権を無視し、沖縄をいつまでも日本の中央政府に隷属させようとするのが外務省の工作だ。残念ながら、日本に過剰同化した一部の沖縄人が、外務省の先兵となっている。このような状況を脱構築しておくことが、沖縄にとっての焦眉の課題だ。
 佐藤優は、又吉進氏に外務省参与を辞任することを勧める。このままでは、又吉氏は沖縄史の汚点になる。
 ちなみに、前掲「琉球新報」社説は、沖縄大使や外務省沖縄事務所の過去を全否定しているわけではない。
 <一方で沖縄大使が存在感を発揮したことがある。05年のキャンプ・ハンセン内の都市型戦闘訓練施設の建設を巡り、当時の宮本雄二大使は、何度も在日米軍幹部に直談判し、住宅地に近い訓練場の移設にこぎ着けた。地元の反発を受け止め、粘り強い交渉で住民に危険が及ぶ使用を食い止めた。>【注4】

 (6)宮本氏は、佐藤優が1985年に外務省に入省し、欧亜局ソヴィエト連邦課(現・欧州局ロシア課)で研修生をしていたときの同課主席事務官(外務省独自の役職で他省の筆頭課長補佐に相当)だった。宮本氏は、中国語を研修した外交官で、能力が高く、正義感の強い人だった。
 宮本氏は、米軍基地を沖縄にとどめるためには、地元との折り合いをつけなくてはならないという正常なバランス感覚があるので、米軍との軋轢を恐れずにこのような交渉をしたのだろう。
 現在の沖縄大使や外務省沖縄事務所は、首相官邸と外務本省の顔色をうかがうだけで、沖縄に所在する外務省の機関としての機能を果たしていないし、今後も事態が改善する可能性はあるまい。
 沖縄から、「歴史的意義を果たしたので沖縄大使はもういらないし、外務省沖縄事務所も閉鎖してもらいたい」と要請する時期に至っている。

 【注1】社説「外務省事務所20年 県民の声に耳を傾けよ」(琉球新報 2017年2月28日)
 【注2】前掲社説。
 【注3】高良倉吉(前沖縄県副知事)・編著『沖縄問題 ―リアリズムの視点から』(中公新書、2017)
 【注4】前掲社説。

□佐藤優「又吉進外務省参与は沖縄史の汚点になる ~飛耳長目 第129回~」(「週刊金曜日」2017年3月10日号)
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【佐藤優】安倍政権の消極的外交 ~プーチンの勝利~
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「森訪露」で浮かび上がった路線対立
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【佐藤優】水面下で進むアメリカvs.ドイツの「スパイ戦」
【佐藤優】ロシアの「報復」 ~日本が対象から外された理由~
【佐藤優】ウクライナ政権の「ネオナチ」と「任侠団体」 ~ビタリー・クリチコ~
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【ウクライナ】内戦に米国の傭兵が関与 ~CIA~
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【佐藤優】イランがイラク情勢を懸念する理由 ~ハサン・ロウハニ~
【佐藤優】新・帝国時代の到来を端的に示すG7コミュニケ
【佐藤優】集団的自衛権、憲法改正 ~ウクライナから沖縄へ(4)~ 
【佐藤優】スコットランド、ベルギー、沖縄 ~ウクライナから沖縄へ(3)~ 
【佐藤優】遠隔地ナショナリズム ~ウクライナから沖縄へ(2)~
【佐藤優】ユニエイト教会 ~ウクライナから沖縄へ(1)~ 
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【南雲つぐみ】栄養はバランスよく ~若者より高齢者の方が健康的~

2017年03月23日 | 医療・保健・福祉・介護
 昨年末に公表された「国民健康・栄養調査(厚生労働省、平成27年度)」で、若い世代ほど、食の栄養バランスが取れていないという結果が浮き彫りとなった。
 例えば、主食と、肉などの主菜、野菜、海藻、キノコなど副菜の3種類を組み合わせた食事を1日に2回以上食べている頻度について、「ほとんど毎日」と回答したのは高齢者に多く、70歳以上では男性59%、女性62%だった。一方、20代では男性39%、女性38%で、毎食バランスよく食べている人は、3人に1人だった。
 中でも、「不足しているのは野菜などの副菜」だと答えた人が男女とも7割に上がっていた。また、どの年代も食品を購入する際に参考にする栄養表示として、過半数が「エネルギー」を挙げていた。
 日本人の総摂取カロリーは年々低下している。厚生労働省の同調査では、1日のエネルギー摂取量が1975年には2,100キロカロリーを超えていたのに対し、2014年には、1,863キロカロリー。エネルギーを気にすることから栄養バランスへ。食べ方の意識を変えていくといい。

□南雲つぐみ(医学ライター)「栄養はバランスよく ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年3月21日)を引用
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【南雲つぐみ】クロロゲン酸の効用 ~珈琲~

2017年03月22日 | 医療・保健・福祉・介護
 活動の合間にティータイムがあるのは、ストレスを解消して、疲れを取るためにいい習慣だ。
 少し前まではコーヒーは刺激が強く、闘病中の人などの体に負担をかけると思われてきた。しかし、今はすっかり健康飲料として考えられている 【注1】【注2】。中でもコーヒー豆の苦み成分であるクロロゲン酸は、強い抗酸化力を持つポリフェノールの一種で、免疫力を高めて健康によい効果をもたらすという報告がいくつも出てきている。
 「コーヒーは胃に悪い」という先入観がまだ根強いが、その根拠はないらしい。クロロゲン酸は、むしろ胃酸の分泌を促進する。病気療養中の人でも、1日1~2杯程度ならかまわないという。
 クロロゲンとカフェインのどちらも脂肪燃焼効果があるといわれるので、脂っこい食事のあとはコーヒーがお勧めだ。カフェインは眠気覚ましに使われるが、その効果は飲んでから30分後ぐらいに現れる。30分ほどで目が覚めたときに、効果が表れやすいという。

 【注1】「【食】野菜ジュースよりコーヒーのほうが身体に良い ~間違いだらけの健康食選び(5)~
 【注2】「【食】1日3杯までなら死亡リスクを低下させる ~コーヒー善玉説~


□南雲つぐみ(医学ライター)「クロロゲン酸の効用 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年3月20日)を引用
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 【参考】
【南雲つぐみ】潮干狩り ~アサリの旬~
【南雲つぐみ】風が吹けば桶屋が儲かり、歯の数が減ると医療費がかさむ
【南雲つぐみ】春は突風に注意 ~飛来物・落下物・転倒事故~
【南雲つぐみ】春苗の植えどき ~ハーブ、青菜、花~
【南雲つぐみ】お彼岸 ~その心~
【南雲つぐみ】せきを抑えるツボ ~自衛法~
【南雲つぐみ】加齢黄斑変性とその治療法
【南雲つぐみ】頭痛が続く時 ~「気象病」~
【南雲つぐみ】クラゲの癒やし ~ストレス解消~
【南雲つぐみ】アレルギー性結膜炎 ~目の花粉症~
【南雲つぐみ】遺伝子検査と生活習慣
【南雲つぐみ】早春の香り ~匂いとセラピー~ 
【南雲つぐみ】白酒と甘酒 ~甘酒は栄養豊富~
【南雲つぐみ】背骨の新しい治療法
【南雲つぐみ】ビーナスベルトと地球影 ~西の空~
【南雲つぐみ】火災を防ぐ ~春季全国火災予防運動~
【南雲つぐみ】温泉かれい ~北陸~
【南雲つぐみ】がんと就労 ~仕事と治療の両立~
【南雲つぐみ】富士の笠雲
【南雲つぐみ】歩き方いろいろ ~室内でできるスロージョギング~
【南雲つぐみ】飲酒のメカニズム ~前頭葉を刺激~
【南雲つぐみ】ハリーアップ症候群 ~時間に追われると~
【南雲つぐみ】おでんの日 ~車麩~
【南雲つぐみ】フローズンショルダー ~肩関節周囲炎~
【南雲つぐみ】更年期女性と心疾患 ~微小血管狭心症~
【南雲つぐみ】梅の季節
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【南雲つぐみ】お菓子の日とビタミンB1
【南雲つぐみ】午の時刻、方位、初午の名物料理
【南雲つぐみ】添加物が気になる時 ~ワカメのみそ汁の効果~
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【南雲つぐみ】喉あめの効果 ~唾液分泌~
【南雲つぐみ】静電気を防ぐには ~綿や麻は電子を帯びにくい~
【南雲つぐみ】目の温浴 ~蒸しタオル~
【南雲つぐみ】海苔の日 ~「海の緑黄色野菜」~
【南雲つぐみ】大豆とエクオールは女性にとって健康の秘訣 ~今日は節分~
【南雲つぐみ】体の痛みが示すもの ~臓器の健康~
【南雲つぐみ】飲む乳酸菌の役割 ~明日2月3日は「乳酸菌の日」~
【南雲つぐみ】マスクで花粉症の予防 ~ダイエットにもなる~
【南雲つぐみ】寒灸の習慣 ~関節の痛みやこりを和らげる~
【南雲つぐみ】タイの天ぷら ~徳川家康の死因考~
【南雲つぐみ】アボカドの栄養とその調理法
【南雲つぐみ】フェリチンに注目 ~貧血対策~
【南雲つぐみ】ショウガを飲む ~その薬効~
【南雲つぐみ】ナマコとコノワタ ~三河湾では今が旬~
【南雲つぐみ】寒たまご ~1日2個以上も可~
【南雲つぐみ】安納芋の栄養価と味わい ~焼くか蒸す~
【南雲つぐみ】小正月には小豆がゆ ~むくみによる体重増の対策~
【南雲つぐみ】「おなかの風邪」の予防と事後処理 ~ノロウイルス、「ロタウイルス」~
【南雲つぐみ】食事制限だけのダイエットは危険 ~運動が大事~
【南雲つぐみ】温泉の安全な入り方
【南雲つぐみ】七草がゆ
ミカンのうんちく ~延命長寿の果実~
【南雲つぐみ】鍋で養生 ~今年1月5日は小寒~
【南雲つぐみ】お雑煮の食べ方 ~事故の防止法~
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【片山善博】「東京大改革」とは何か ~小池知事への疑問~

2017年03月22日 | ●片山善博
 (1)小池百合子・都知事の快進撃が止まらない。先の東京都千代田区選挙では、知事が推す候補者が圧勝した。
 ただ、知事経験者としては、小池知事の力の入れように強い違和感を覚えた。片山教授が知事を務めていた頃の鳥取県でも、市町村長の選挙で是非当選してほしいと願う候補者もいたし、もう他の人に替わった方がいいと思われる現職候補者もいないではなかった。ただ、そうした選挙の際に特定の候補に強く肩入れをすることは避けていた(距離を置いていた)。
 〈理由1〉・・・・市町村長を誰にするかは、その市町村の住民が決めることであって、そこに知事が介入するべきではないと考えるから。県は市町村に対して大きな影響力を持つ。その県の代表である知事が、特定の候補を強く推すということは、その候補が当選すれば県から財政支援などの便宜を取りはからってもらえると、住民が期待しても不思議ではない。
 逆に、他の候補が当選すれば、県から邪険にされて自治体運営に支障が生じるのではないかと心配する住民もいるだろう。
 そうした期待や心配に影響されて、住民の投票行動に歪みが生じることになるとすれば、それは地方自治の理念に反することになる。
 〈理由2〉・・・・現実問題として、時間的にも精神的にもそんなことに関わっている余裕がなかったから。県政には課題が山ほどもあり、それらに真摯に向き合っていると、市町村の選挙に関与する気など起こらなかったのだ。

 (2)全国で人口が最小の鳥取県において(1)のごとくであった。まして、東京都は人口が47都道府県の中で最大であり、しかも23の特別区がある旧東京市の区域では大都市の市長の仕事もこなさなければならない。知事が自分の仕事に打ち込んでいれば、とてもではないが、市区町村長の選挙に入れ込む暇などないように思える。

 (3)ところが、日々の報道を見る限り、このところの小池知事の最大の関心事は、どうやら今夏予定されている都議会議員選挙にあるらしい。政治塾を開いて人材を募ったり、現職の都会議員を抱き込んだりしてその準備に余念がない。
 新党を立ち上げるとの噂も聞かれるが、その有無にかかわらず選挙準備に要する労力と時間は尋常ではないはずだ。他の都道府県知事でさえ二足の草鞋を履いて務まるものではないのに、いわんや都知事においてをや。都政をなめているとまで言うつもりはないが、必ずしも身が入っていないのではないかと懸念せざるを得ない。

 (4)小池知事に近いと言われる人物に懸念を伝えると、知事は「東京大改革」を成し遂げようとしていて、そのためには都議会をがらりと変えなければならないと解説してくれる。
 そういえば、都議会公明党がこれまで蜜月関係にあった都議会自民党と袂を分かって小池知事にすり寄った時、知事は「東京大改革に向かって一緒に歩けるのは大変心強い」と述べ、都議選で選挙協力する意向を明らかにしたと報じられた。
 この「東京大改革」は巷で頗る評判がいい。年が明けて何度か都内で講演に出向く機会があったが、その折に「皆さんは、小池知事の東京大改革に賛成か、反対か」と問うと、賛成の人が圧倒的に多い。
 ただ、その後で「では、東京大改革とはどんなことか、ご存知の方は?」と尋ねると、不思議なことに手を挙げる人は誰もいない。
 実は、「東京大改革」は政治的スローガンとしては浸透しているが、内容についてはほとんど理解されていない。その点では、かつて熱狂的に支持された小泉純一郎・元総理の「構造改革」によく似ている。

 (5)では、「東京大改革」とは何か。知事の発言や側近の著書によれば、それは都政の透明化であるに違いない。徹底した情報公開であり、それによって都の行財政改革を推し進めることであるはずだ。
 それなら片山教授も大賛成だ。従来の都政に最も欠けていたのが透明性であるからだ。そこから都庁と都議会との癒着が生まれていたのだし、五輪関係経費の杜撰な予算見積もりにもつながっていた。

 (6)ただ、いくら「東京大改革」を錦の御旗にしても、それを知事が都議選にのめり込む理由にはできない。都の情報公開は都議会の構成とは直接関係がなく、知事が都庁の体質を変えられるかどうかが問われる問題だからだ。これまで都庁の情報公開の水準は、全国でも最低レベルだった。それを正すのは知事の仕事で、知事がその気になりさえすれば、自身の力で大きく改善できる。
 既に、かつて「ノリ弁」と言われて黒々と塗りつぶされた書類しか公開しなかった都の悪弊は小池知事のもとでかなり改善された。
 ただ、まだまだ物足りない。この際取り組んでほしいのが予算編成過程の透明化である。予算の各項目の過程で誰が決めたのかを明らかにするのである。鳥取県では片山教授が知事を務めていた頃から既にそれを県のホームページで公開している。

 (7)予算編成過程の情報公開では、小池知事自身の振る舞いで気になることがある。知事は前知事の時代まであった200億円の「政党復活枠」を廃止した。都議会自民党などが持っていた事実上の予算配分権を取り戻したのである。それは正しい選択だった。
 その上で、知事は業界団体を都庁に呼び寄せ、予算要望の公開ヒアリングを行った。知事はこれを「見える化」だと胸を張っていたが、それは単なる「見せる化」であって、「見える化」ではない。この場合の「見える化」とは、それらの要望の処理過程を明らかにすることだからだ。
 報道によれば、知事は去る1月23日、ヒアリング対策の業界団体に対し要望に係る予算の査定結果を伝えたという。マスコミを通じて予算案が都民に公表される2日前に、既に業界団体にはこっそり知らせていたのである。それは、従来都議会自民党などが行っていたのと同じことを、今度は小池知事がそれにとって代わってやっているようにも見える。

 (8)この見解を(4)の知事に近い人物に指摘したところ、「そうは言っても、要望されたことの結果を予算発表で突然知らせると、戸惑ったり、齟齬があっても困るので」という説明だった。
 ならば、こんなことも考えてもらいたい。世の中には声の大きい人もいれば、声の小さい人もいる。声を上げられない人だっている。そんな中で、知事に要望を聞いてもらう機会を与えられたのはごく一握りの、おそらくは力が強かったり、声が大きかったりする人たちである。その人たちは、意見を聴いてもらえただけでなく、懇切に事前にインサイダー情報を教えてもらっている。
 一方、知事に会うことすらできない人たちは、せいぜい都庁に要望書を提出するぐらいしか術がない。そんな人たちには事前どころか何の連絡もない。新聞で予算発表を見て、要望した予算がつかないことに落胆し、諦めるほかない。声の大きい人たちには丁寧に対応するが、声の小さい人たちはぞんざいに扱う。これでは「都民ファースト」ではなく、「業界ファースト」ではないか。
 片山教授は、情報公開のあり方もさることながら、知事の政治姿勢にも疑問を感じている。

 (9)ことほど左様に、都政には知事自身のことも含めて改革する課題はたくさんある。
 小池知事には自身が取り組むべき課題に全力であたるべきであって、とても人の選挙にちょっかいをかけている場合ではないように思われる。

□片山善博(慶應義塾大学教授)「『東京大改革』とは何か--小池知事への疑問 ~日本を診る第89回~」(「世界」2017年4月号)
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 【参考】
【片山善博】「男子の本懐」を遂げるには ~浜口雄幸『随感録』~
【片山善博】古今の政治を“透徹”する ~マキャヴェッリ『ディスコルシ「ローマ史」論』~
【片山善博】小池都政を「一輪車」にしてはならない ~都議会の無責任を示す一例~
【片山善博】【豊洲】市場問題 ~都議会のなすべきこと~
【片山善博】今も変わらぬ社会の病理 ~福翁自伝~
【片山善博】都議会改革は都庁改革 ~都の政策に責任を持つのは誰か~
【片山善博】情報公開が首長を守る ~舛添都知事辞任の教訓~
【片山善博】大切なことに時間を使う ~セネカ『人生の短さについて』~
【片山善博】二度も続いた東京都知事の失脚-その教訓を都政の改革に生かす
【片山善博】参議院選、鳥取島根ほかの「今回の合区は憲法違反」
【片山善博】教育、図書館、議会の力 ~カーネギー自伝~
【片山善博】らの鼎談 違法性がなくても知事の適性がない ~舛添は日本の恥(2)~
【片山善博】&増田寛也&上脇博之 舛添知事は日本の恥だ ~辞任勧告~
【片山善博】舛添都知事問題は自治システム改善の教材
【社会】防災体制の点検、真剣に ~平素の備えが大切~
【片山善博】口利き政治の弊害と政治家本来の役割
【片山善博】選挙権年齢引下げと主権者教育のあり方
【片山善博】TPPから見える日本政治の悪弊 ~説明責任の欠如~
【片山善博】政権与党内の議論のまやかし ~消費税軽減税率論議~
【経済】今導入すると格差が拡大する ~外形課税=赤字法人課税~
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【片山善博】川内原発再稼働への知事の「同意」を診る
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【片山善博】都知事選に見る政党の無責任 ~候補者の「品質管理」~
【片山善博】JR北海道の安全管理と道州制特区
【政治】地方議会における口利き政治の弊害 ~民主主義の空洞化(3)~
【政治】住民の声を聞こうとしない地方議会 ~民主主義の空洞化(2)~
【政治】福島県民を愚弄する国会 ~民主主義の空洞化(1)~
【社会】教育委員は何をなすべきか ~民意を汲みとる~
【社会】教育委員会は壊すより立て直す方が賢明
【社会】「教員駆け込み退職」と地方自治の不具合
【政治】何事も学ばず、何事も忘れない自民党 ~公共事業~


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【南雲つぐみ】潮干狩り ~アサリの旬~

2017年03月22日 | 医療・保健・福祉・介護
 アサリはアミノ酸や亜鉛などのミネラル類、タウリンなどを含み、低カロリーで栄養満点だ。海水の温度が20度前後になる春と秋に産卵期を迎える。だから春先と秋口に産卵を控えてもっとも身が肥えるため旬となる。ちょうど春の潮干狩りシーズンに重なる。
 潮干狩りが春に行われるのは、潮が大きく引いているからだ。潮の満ち引きに影響を与えているのは月の引力で、これに太陽の動きが重なって、もっとも大きい「大潮」ができる。ただし、秋にアサリの旬を迎える頃の干潮は夜なので、潮干狩りには向いていない。毎年、海上保安庁のウェブサイトでは「潮干狩りカレンダー」が公開されていて、お出かけ日和を教えてくれる。今年のカレンダーは、3月の下旬に提供開始予定とのこと。
 最近は、埋め立てによる砂浜の減少や、近海の水質汚染、赤潮の発生などで、アサリの漁獲量は激減しているそうだ。農林水産省の資料によれば、昭和50年代に約16万トンだったのが、平成20年以降には毎年3万トンにまで減った。

□南雲つぐみ(医学ライター)「潮干狩り ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年3月19日)を引用
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 【参考】
【南雲つぐみ】風が吹けば桶屋が儲かり、歯の数が減ると医療費がかさむ
【南雲つぐみ】春は突風に注意 ~飛来物・落下物・転倒事故~
【南雲つぐみ】春苗の植えどき ~ハーブ、青菜、花~
【南雲つぐみ】お彼岸 ~その心~
【南雲つぐみ】せきを抑えるツボ ~自衛法~
【南雲つぐみ】加齢黄斑変性とその治療法
【南雲つぐみ】頭痛が続く時 ~「気象病」~
【南雲つぐみ】クラゲの癒やし ~ストレス解消~
【南雲つぐみ】アレルギー性結膜炎 ~目の花粉症~
【南雲つぐみ】遺伝子検査と生活習慣
【南雲つぐみ】早春の香り ~匂いとセラピー~ 
【南雲つぐみ】白酒と甘酒 ~甘酒は栄養豊富~
【南雲つぐみ】背骨の新しい治療法
【南雲つぐみ】ビーナスベルトと地球影 ~西の空~
【南雲つぐみ】火災を防ぐ ~春季全国火災予防運動~
【南雲つぐみ】温泉かれい ~北陸~
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【南雲つぐみ】風が吹けば桶屋が儲かり、歯の数が減ると医療費がかさむ

2017年03月21日 | 医療・保健・福祉・介護
 歯の健康のためによくかむことは大切だ。
 厚生労働省と日本歯科医師会が設立した「8020推進財団」では、「よくかむことで脳の満腹中枢が働いて満腹を感じ、食べ過ぎを防ぐ」「胃腸の働きを促進し、胃炎などを予防する」「あごを動かすことで脳に酸素と栄養を送り、脳細胞の動きを活発化する。認知症の予防にも役立つ」「唾液に含まれる酵素には、発がん物質の発がん作用を消す働きがあるといわれる。食物を1回口に入れるごとに30秒以上唾液に浸すのが効果的」などと紹介している。かむことは歯の健康そして全身の健康につながるのだ。
 では、医療費にはどう影響しているだろう。北海道国民健康保険団体連合会が2007年度に調べたデータでは、70歳以上で20本以上の歯を持つ人の割合は全体の30%で、診療費の合計は2万2,660円。一方、歯が4本以下の人は22%で、診療費は3万5,930円だった。年間で16万円も差があり、歯が多いほど医療費が安く済む傾向がはっきり表れた。

□南雲つぐみ(医学ライター)「歯の数と医療費 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年3月2日)を引用
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【佐藤優】「人から情報を得る」7つの極意(2) ~最強の読み方(8)~

2017年03月21日 | ●佐藤優
 「特別付録1 「「人から情報を得る」7つの極意」の以下、要旨、承前。

(4)人の話を聞くときは「緩やかな演繹法」でのぞむ
 取材に行く前には、当然いろいろ下調べをして、「この場所でこの人と会うなら、こういう話を聞けるだろうな」というストーリーは事前にざっくりと描いてから行く。しかし、そこで大切なのは、「自分で事前につくったストーリーに縛られないこと」だ。実際に取材に行けば、予想外の新しい発見があるものなので。
 そもそも、新しい情報を求めて取材に行くわけだから。
 とはいえ、予想外の展開を活かせるかどうかは、その人次第という側面もある。なかには、いくら面白い意外な話が出てきても、最初のストーリーを崩したがらない人もいる。その一方で、最初のストーリーに固執せず、臨機応変に新しいストーリーを描いていける人もいる。
 有能な人はそういう判断が早いのだろう。
 これはビジネスパーソンにも同じことが言える。市場リサーチにしても聞き取り調査にしても、きっちり下調べをしたうえで、いかにそれを崩せるか。これを「緩やかな演繹法」と池上彰は呼ぶ。
 あらかじめ考えた仮説にしたがって内容をまとめるのが「演繹法」だが、「緩やかな演繹法」とはいい表現だ。
 調査した内容をもとにストーリーを組み立てる「帰納法」のように、現場主義的なやり方がいいわけではない。何かしらの問題意識があって行くわけなので、事前に仮説は立てなくてはならない。時間も無限ではないから。
 しかし、無理に仮説に当てはめる本当の演繹法になったらつまらない。
 仮説を立てる演繹法でスタートし、調査の結果によってそれを修正する帰納法で展開していくイメージだ。途中で話があらぬ方向に行ったとしても、焦らずに、むしろ「自分がこの現場に来たからこそ、聞き出せた話だ」と喜ぶくらいがちょうどいい。

(5)複数の「しゃべる人」の断片情報をつなぎ合わせる
 人から情報を聞き出すうえで重要なのは、①「その人が情報をもっているかどうか」、そして②「話してくれる人かどうか」だ。「情報をもっていない人」にいくら当たっても意味がない。「話してくれない人」をいくら攻めても効果が乏しい。情報を得る側としては、まず①「情報をもっていて」かつ②「話してくれそうな人」を見つけることだ。
 そして、その人が話しやすいタイミングを狙っていくのもポイントだ。そのとき、自分が知りたい内容を、少しずつ複数の相手から聞き出し、断片的な情報をつなぎ合わせる手法も覚えておくといい。ひとりからすべてを聞き出そうとすると、無理や偏りが出やすいし、誰だって自分に都合の悪いことは話してくれないから。そこで多方面から情報を一つひとつ聞き出し、その断片情報をつなぎ合わせていく。
 情報が少なすぎると、情報が間違っている場合に気づきにくいという問題もある。複数の人から話を聞き出すときのコツは、人間は「自分の組織の話はしなくてもほかの組織の話はする」という鉄則を忘れないことだ。
 警察署の交換手が、自分の管外の動きを「隣の管内の警察無線がうるさいわよ」と教えてくれるとか。警視庁捜査1課4係が担当する仕事を4係に取材しても教えてくれないが、5係の刑事に尋ねると、「そういえば、最近、係長がどこそこに呼ばれているらしいな」と噂話をしてくれるとか。その人は別にネタを漏らしている意識はないのだが、そこで「ははーん」と予測が立つわけだ。
 ある記者いわく、「捜査1課、2課の情報は3課からとるんだ。1課は殺人などの凶悪犯罪、2課じゃ企業犯罪、3課は窃盗が担当。よく大きな事件を扱う1課、2課は普段から記者も接待モードだが、3課はそうじゃない。だが、応援で1課や2課には頻繁に行くので、情報はもっているのだ。
 ビジネスに応用できる。社内でも取引先でも、自分のプロジェクトについては言わなくても、隣のプロジェクトについては、比較的気軽にしゃべってくれるものだ。

(6)セミナー、講演会、異業種交流会を上手に活用する
 書籍ばかり読んでいる人には、勉強会や読書会、セミナーや会食に参加することをもっとすすめたい。その一方で、異業種交流会やセミナーの渡り鳥みたいになっている人には、もっと本を読んでほしい。このバランスがとれている人は、残念ながらあまりいない。
 セミナーや講演会は、情報収集の効率としてはあまりよくない。90分の講演会を聞いても、情報量としては書籍1冊の何分の一だから。ただし、高い受講料を払って志を同じくする人があつまるので、意欲は高まる。実際に講師に会ってみることでわかることも、もちろんある。
 いまひとつ面白くなかった場合でも、反面教師として参考になる。
 当たり前のことだが、「書籍から得られる情報」と「人から得られる情報」のどちらも重要なので、一方に偏りすぎないことだ。最近は、新聞記者でも記者クラブにこもってネットだけで情報収集している人が増えている。新人時代は取材先の人脈を増やすことが何より大事だ。新鮮なネタは、自分の足を使わなければ手に入らない。
 外交官の業界には「カクテルサーキット」という言葉がある。カクテルパーティに参加して、名刺を集めて、とにかく顔を売り込むことだ。そういう場所でいい情報が得られる可能性は実際にはほとんどないが、それでも人脈というのは、特に若いうちはあるに越したことはない。
 人脈には、「種をまく時期」と「収穫期」の2段階がある。若いうちは、とにかく、いろんな場所に顔を出して「種」をまき、ある程度人脈が広がったら、今度はそんな効率が悪いことは続けずに、「収穫期」に入ります。〈例〉自動車のセールスマンで全国1位になるような人は、一定の年齢になると自分から積極的な新規開拓はしない。むろん、新人のころは必死にあちこちに飛び込み営業をして、まったく相手にされないことも多い。でも、買ってくれた人のアフターフォローをずっと続けて信頼を得ると、車検も任せてもらえて、別のお客さんも紹介してくれるようになる。
 あらゆる業種に共通することだ。
 目安としては、とにかく20代のうちはひたすら人脈を広げ、30代半ばからは収穫期に入れるようにしたい。
 そこで収穫期に入れない人は、別のスタイルを見つけることだ。組織で上位に上がっていけるのは、せいぜい2割にすぎない。

(7)飲み会で仕入れた情報は、翌日「知らないふり」をする
 新人時代は少し我慢をしてでも、時には上司や先輩と一緒に飲みに行くといい。自分は酒を飲まなくてもいいから。
 やはり人間関係を円滑にするうえで最低限のコミュニケーションは必要だから。〈例〉歓送迎会や仕事の打ち上げなどの「大事な飲み会」にはきちんと参加して、それ以外の「普段の飲み会」には参加しないなどとスタイルを決めてしまうと楽だ。
 どうしても付き合いが必要な場合は、一次会には参加しても二次会には付き合わないという方法もある。
 時間は有限で、目的もなく誰かと話すより、本を1冊読んだほうがいいことも多いから。(6)のセミナーや講演会と同じで、いつも読書ばかりしている人にはもう少し飲み会に参加することをすすめたいし、連日飲み歩いているような人には読書する時間をしっかりつくってほしい。どちらか一方に偏るのはよくない。
 職場の飲み会では、上司や先輩の武勇伝や過去の自慢話にうんざりすることもあるが、それを通してそのころの時代の動きもわかるし、ベテランならではの裏ワザや、何かが起きたときに社内外でどう対処すればいいかなど、学ぶことは実はたくさんある。
 「時間が経ったいまだからこそ話せる」ということもあるし。
 もし何度も同じ話を聞かされるようになれば、その人と飲みに行く回数を減らせばいい。ただし、そんなときでも「その話は何度も聞きました」なんてバカ正直に言ったりせず、あくまで可愛い部下として距離を置くことだ。
 「初々しさ」がここでも大事になる。飲んだときの話が重要なのは、酒を飲むと誰でも口が軽くなるからだ。「自分にとって不都合な情報の99.9%は、じつは自分の口から出ている」。人間は秘密を暴露したい動物なのだ。別に話さなくてもいいはずなのに、それでも話してしまう。よくオフレコ情報で「ここだけの話だけど・・・・」などというのは、事実上は「私が話したことがわからなければ、使ってもいいよ」ということだ。
 厳密なオフレコではないということだ。つまり、飲み会は「他人の貴重な情報」を聞き出す絶好の場であると同時に、「自分の不都合な情報」をつい漏らしてしまいかねない場でもある。諸刃の剣だ。
 「酒の席で得た情報」で大切なのは、「飲み会の翌日、本人に確認してはダメ」ということだ。警戒心を抱かれてガードが固くなり、次の飲み会に呼ばれなくなる。素知らぬふりでいつもどおりに接しつつ、ほかの人から裏付けをとるのがコツだ。
 「あいつは無粋なやつだ。用心しなくては」と思われると、入ってくる情報も入ってこなくなる。
 あとは、仮に相手が酩酊して醜態をさらしても、決して非難しないことだ。もし相手に何か聞かれても、「いや、問題なかたよ。愉快な酒だった」と答えるのだ。
 相手の脇の甘さや口の軽さを指摘すると、結局、情報を聞き出せなくなり、自分が損をする。
 情報うんぬんを抜きにしても、食事を共にする行為は信頼関係を深める重要な時間だ。書籍やネットの情報ばかりに偏って人と会わないと、精神的なバランスがとれなくなってしまう。ほどほどの息抜きは必要だから。だからといって、食事をする相手は誰でもいいというわけではない。それに、つるみたがる人は、往々にして、先に行こうとする人の足を引っ張ることもある。 

□池上 彰×佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意』(東洋経済新聞社、2016)
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 【参考】
【佐藤優】「人から情報を得る」7つの極意(1) ~最強の読み方(7)~
【佐藤優】ネット利用の3大原則 ~最強の読み方(6)~
【佐藤優】ネットの使い方、情報の新しさを判断する目安 ~最強の読み方(5)~
【佐藤優】雑誌の読み方、『失敗の本質』 ~最強の読み方(4)~
【佐藤優】雑誌の読み方、「文藝春秋」は論壇カタログ ~最強の読み方(3)~
【佐藤優】新聞の読み方 ~最強の読み方(2)~
【佐藤優】新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意 ~最強の読み方~
 


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【佐藤優】「人から情報を得る」7つの極意(1) ~最強の読み方(7)~

2017年03月20日 | ●佐藤優
 「特別付録1 「「人から情報を得る」7つの極意」の以下、要旨。

(1)「斜めの人間関係」を重視する
 記者も官僚も、建前上はチームプレーを強調するが、実際は個人プレーの世界だ。先輩だろうが後輩だろうが、皆ライバルだ。
 池上彰は、新人時代、自社の先輩が教えてくれず、困った。それでどうしたかというと、競合のほかの新聞社の先輩方のお世話になった。現場で新人記者がウロウロして困っているのを見ると、みんな昔の自分を思い出すわけだ。島根県警を担当していたとき、読売新聞と中国新聞の先輩記者に、いろいろ取材のコツを教えてもらった。「そういうものか」と思い、その後、自分も他者の若い記者にはずいぶんいろいろ教えたものだ。 
 新人のうちは、一緒に食事に行くとか、そういう機会を逃さないことだ。
 いつも初々しく振る舞いながら、素直に「わからないことがあるので、教えてください」とついていく。自分に利害のない相手なら、「よしよし」と教えてくれる。
 優秀な人ほど教える。中途半端に情報を出し渋っていたら、その人のところにも結局、情報は入ってこなくなるので。
 ただ、直属の関係だと難しいかも。情報をくれるのは、「斜めの人間関係」だ。会社組織で言えば、自分の所属とは別の部署の先輩、とりあえず競合には当たらない先輩を狙うのがコツだ。

(2)「初々しさ」を出して「いい聞き手」になる
 情報収集において「初々しさ」は非常に重要な要素だ。佐藤優は外交官時代、ロシア政府から発表されたばかりの公開文書がほしいとき、常に3人ぐらいに同時に電話していた。それで運よく、そのうち1人から情報を入手できたとする。その後、2番目、3番目から連絡が来たとき、どうするか。1人目と同じく「ありがとうございます。すぐに取りに伺います」と飛んでいく。ここで、もし「その情報はすでに手に入ったので結構です」とか「後ほど伺います」などと答えたら、二度と情報を教えてくれない。
 どんな相手と話すときでも、情報を引き出そうと思ったら、「はじめて聞きました」という初々しさが大事だ。
 インタビューにおいて、いつも「いい聞き手」になるように努力する。何でも興味を持って聞き、教えてくれたら「そうなんですか! さすがですね」と心底、感心する。そうすると相手は気持ちよくなって、もっといろいろ話してくれる。よき生徒は、誰にとっても可愛いものだから。
 「こいつは、なかなかやる気があっていいやつだから、なんとか面倒を見てやろう」と味方になってくれる可能性も高い。人から情報や知識を得ようとすれば、「誰と付き合うか」だけでなく、「どう付き合うか」も大事な技法だ。

(3)数年先の先輩に「白い勉強」と「黒い勉強」を教えてもらう
 (1)の「斜めの人間関係」の大切さは、トラブル処理についても言える。何かトラブルが発生したとき、一般的にはすぐに直属の上司に報告すべきだ。ただし、トラブルの種類によっては、上司に報告してはいけないものもある。
 すべて正直に話せばよい、というものではない。
 〈例〉オランダに出張し、ちょっとした出来心でハシシ(大麻)をやったとする。向こうでは合法だから。それで調子に乗ってヘロヘロになっているときに、所持金を全部すられてしまい、そこには会社の出張費も入っていたとする。そのとき上司に「どうしましょう?」とバカ正直にすべてを報告したら、上司も困る。かばいたくてもかばいきれないから。
 聞いてしまったら、なかったことにできないから。もしかばって、隠していたことが露見したら、その上司の責任問題にも発展してしまう。
 そんなとき、上司より先に相談できる相手、数年上の先輩がいるかどうかがポイントだ。「ハシシなんて正直に言うんじゃない。酔って寝ていたことにしろ」とアドバイスしてくれる先輩がいるかどうか。そういう「黒い勉強」を教えてくれるものいい先輩だ。ビジネスパーソンは真面目に「白い勉強」だけやっていればいいわけではないのだから。
 トラブル処理に限らず、数年先に入社した先輩から学ぶことは本当にたくさんある。まだ新人の感覚を忘れていないから、つまずくポイントがわかるのでアドバイスが実践的なのだ。
 むろん「白い勉強」についても、いろいろ教わることは多いはずだ。仕事に必要なメモのとり方や社内外の人との接し方、外交官だったら語学の勉強の仕方、電報の書き方など、参考になることは多々あるはずだ。

□池上 彰×佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意』(東洋経済新聞社、2016)
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 【参考】
【佐藤優】ネット利用の3大原則 ~最強の読み方(6)~
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【佐藤優】雑誌の読み方、『失敗の本質』 ~最強の読み方(4)~
【佐藤優】雑誌の読み方、「文藝春秋」は論壇カタログ ~最強の読み方(3)~
【佐藤優】新聞の読み方 ~最強の読み方(2)~
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【南雲つぐみ】春は突風に注意 ~飛来物・落下物・転倒事故~

2017年03月20日 | 医療・保健・福祉・介護
 春は強風や突風で、飛ばされた看板にぶつかったり、歩行中にバランスを崩して転倒したりする事故が多いという。
 東京消防庁が平成18年から22年までの救急搬送事故を集計したところ、2月から4月の3カ月が突出して多く、全体の52%。こうした事故を年齢別にみると、飛来物や落下物がぶつかっての事故は、11歳から40歳までの若年層に多いが、歩いていてバランスを崩す事故は、60代から増加し、70代、80代が75%を占めている。
 5歳以下の子供に多いのは、乗り物が風にあおられて転倒する事故だ。ベビーカーや自転車に子供を乗せている際に突風にあおられるのは防ぎようがないだけに怖い。自転車に乗せるときの子供用ヘルメットは、道路交通法によって「着用するように努めること」と定められている。まさかの事故でもけがのないように対策が必要だ。
 同調査での飛来物、落下物の内訳を見ると、もっとも多いのが看板とテント。こちらも「まさか」と思わず、戸外の設置物は、念入りに点検したほうがいいだろう。

□南雲つぐみ(医学ライター)「春は突風に注意 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年3月18日)を引用
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 【参考】
【南雲つぐみ】春苗の植えどき ~ハーブ、青菜、花~
【南雲つぐみ】お彼岸 ~その心~
【南雲つぐみ】せきを抑えるツボ ~自衛法~
【南雲つぐみ】加齢黄斑変性とその治療法
【南雲つぐみ】頭痛が続く時 ~「気象病」~
【南雲つぐみ】クラゲの癒やし ~ストレス解消~
【南雲つぐみ】アレルギー性結膜炎 ~目の花粉症~
【南雲つぐみ】遺伝子検査と生活習慣
【南雲つぐみ】早春の香り ~匂いとセラピー~ 
【南雲つぐみ】白酒と甘酒 ~甘酒は栄養豊富~
【南雲つぐみ】背骨の新しい治療法
【南雲つぐみ】ビーナスベルトと地球影 ~西の空~
【南雲つぐみ】火災を防ぐ ~春季全国火災予防運動~
【南雲つぐみ】温泉かれい ~北陸~
【南雲つぐみ】がんと就労 ~仕事と治療の両立~
【南雲つぐみ】富士の笠雲
【南雲つぐみ】歩き方いろいろ ~室内でできるスロージョギング~
【南雲つぐみ】飲酒のメカニズム ~前頭葉を刺激~
【南雲つぐみ】ハリーアップ症候群 ~時間に追われると~
【南雲つぐみ】おでんの日 ~車麩~
【南雲つぐみ】フローズンショルダー ~肩関節周囲炎~
【南雲つぐみ】更年期女性と心疾患 ~微小血管狭心症~
【南雲つぐみ】梅の季節
【南雲つぐみ】皮膚の乾燥やかゆみ ~傾向と対策~
【南雲つぐみ】お菓子の日とビタミンB1
【南雲つぐみ】午の時刻、方位、初午の名物料理
【南雲つぐみ】添加物が気になる時 ~ワカメのみそ汁の効果~
【南雲つぐみ】揺さぶりに注意 ~赤ちゃんの脳震盪や硬膜下出血~
【南雲つぐみ】喉あめの効果 ~唾液分泌~
【南雲つぐみ】静電気を防ぐには ~綿や麻は電子を帯びにくい~
【南雲つぐみ】目の温浴 ~蒸しタオル~
【南雲つぐみ】海苔の日 ~「海の緑黄色野菜」~
【南雲つぐみ】大豆とエクオールは女性にとって健康の秘訣 ~今日は節分~
【南雲つぐみ】体の痛みが示すもの ~臓器の健康~
【南雲つぐみ】飲む乳酸菌の役割 ~明日2月3日は「乳酸菌の日」~
【南雲つぐみ】マスクで花粉症の予防 ~ダイエットにもなる~
【南雲つぐみ】寒灸の習慣 ~関節の痛みやこりを和らげる~
【南雲つぐみ】タイの天ぷら ~徳川家康の死因考~
【南雲つぐみ】アボカドの栄養とその調理法
【南雲つぐみ】フェリチンに注目 ~貧血対策~
【南雲つぐみ】ショウガを飲む ~その薬効~
【南雲つぐみ】ナマコとコノワタ ~三河湾では今が旬~
【南雲つぐみ】寒たまご ~1日2個以上も可~
【南雲つぐみ】安納芋の栄養価と味わい ~焼くか蒸す~
【南雲つぐみ】小正月には小豆がゆ ~むくみによる体重増の対策~
【南雲つぐみ】「おなかの風邪」の予防と事後処理 ~ノロウイルス、「ロタウイルス」~
【南雲つぐみ】食事制限だけのダイエットは危険 ~運動が大事~
【南雲つぐみ】温泉の安全な入り方
【南雲つぐみ】七草がゆ
ミカンのうんちく ~延命長寿の果実~
【南雲つぐみ】鍋で養生 ~今年1月5日は小寒~
【南雲つぐみ】お雑煮の食べ方 ~事故の防止法~
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【佐藤優】ネット利用の3大原則 ~最強の読み方(6)~

2017年03月19日 | ●佐藤優
 第3章 僕らのネットの使い方 ~上級者のメディアをどう使いこなすか
 【ネットの3大原則】の「ネットは「上級者」のメディア―玉石混淆のネット情報から「玉」だけ選び出すのは難しい」「ネットは「非常に効率が悪い」メディア―二次情報、三次情報が多い」「ネットには「プリズム効果」がある―自分の偏見が増長される仕組み(ネット空間の論説=世論ではない)」の以下、要旨。

(1)ネットは「「上級者」のメディア」
 ネットの情報は玉石混淆で、そこから「玉」の情報だけ選ぶのは、かなりの知識とスキルが必要だ。
 ネットは「速報性」に優れているし、誰でも発信できる素晴らしさを持つが、それだけに情報の真偽を見極めにくい。個人のサイトやSNSの投稿の中には、専門家が書いた優れものがある一方、デマや思いつき、偏見も数多く見受けられる。
 誰でも発信できるとは、裏返しに見ると、新聞・雑誌が持つ「編集」「校閲」という重要な2つの機能が欠如しているということだ。他者の目を通さないと、自己中心的な意見や強い偏見を含んだ論説もそのまま載ってしまう。また、校閲機能もないので、誤字脱字どころか、明らかに事実関係を間違えている記事もネットにしばしば見受けられる。誰かが書いたことに対して「裏をとる」こともなく、そのままツイッターやフェイスブックなどで容易に拡散してしまう人も少なくない。
 ネット空間は「ノイズ過多」なのだ。いい加減な情報=ノイズ情報をいかに除去するか。これがネットから「玉」の情報を得るポイントだ。
 ネットは、うまく使えば便利で有益なツールになる反面、時間を浪費したりノイズ情報に惑わされる危険性もある「諸刃の剣」だということだ。
 多くの人が誤解しているが、じつはネットは「上級者のメディア」なのだ。上手に活用すれば、マスメディアが報じない情報を広く深くとることもできるが、活用するスキルを持たないと、時間ばかり浪費してしまう極めて効率の悪いツールにしかならない。

(2)ネットは「非常に効率が悪い」メディア
 ネットサーフィンの誘惑を含めて、費やす時間に対して得られる情報が少ないのがネットの特徴だ。
 同じ時間をかけてニュースを読むにしても、①新聞社の無料サイトを見るのと、②新聞紙面で読むのとでは、とれる情報がまったく違う。①もカテゴリーごとに分かれているが、時系列順に新しい記事が並ぶため、記事の重要度がわかりにくいし、クリックしてみないと記事の概要がわからない。
 新聞は、「どの記事を大きく載せるか」を編集デスクや整理部のベテラン記者が毎日会議を開いて決めている。一般のビジネスパーソンが自分で一つひとつ判断するより、まずは「プロのフィルター」に乗っかったほうが効率がいいのは間違いない。
 無料のニュースサイトのように記事が並んでいるということは、「自分で記事の重要度を判断しなければならない」ということだ。多忙なビジネスパーソンにとって、その時間と労力をかけるメリットがあるか。
 ネットを「効率の悪いメディア」にしているもう一つの要因は、そもそもネットで入手できる情報の多くが二次情報、三次情報だからだ。根っこになる一次情報は、新聞をはじめマスメディアの情報がほとんどだ。「ヤフーニュース」も含めて。
 新聞雑誌できちんと精度の高い情報をチェックしたほうが、効率は何倍もいい。お金はかかるが、「時間は希少材」ということを考えると、ビジネスパーソンにはメリットのほうが大きい。
 やはりネットは、付き合い方になかなか高度な技術のいるメディアであることは間違いない。

(3)ネットにある「プリズム効果」
 ネットには特定のものだが大きく見えたり、別のものが見えなくなったりする「プリズム効果」がある。ネットを頻繁にチェックしているヘビーユーザーほど、その影響を受けやすい。
 ネット空間では、自分でアクセスしなければ、見たくない情報には触れずに済む。逆に、自分が知りたいことや自分の考えを補強する情報が欲しければ、いくらでも見つけ出すことができる。
 ツイッターやフェイスブックなどのSNSには特にその傾向が顕著だ。自分が選んだ人の言説しかフォローしないのだから。その人が自分の気に染まない意見を言い出したら、フォローを止めればいい。そうなると、自分と違う意見や考え方は、ネット上には存在しても、なかなか目に入ってこなくなる。
 するとどうなるか。関心のあることについてはどんどん詳しくなる一方で、それ以外はまるで知らないまま、どんどん視野が狭くなる。
 ここのところは、本当に誤解している人が多い。ネットには非常に多くの情報が溢れているので「視野が広くなる」と勘違いしている人がいるが、「知りたいことだけ知ることができる」というのが、ネットの長所であり短所でもあるわけだ。よほど気をつけて使わないと、視野を狭め、偏見を助長させてしまう。
 ネットをよく使う人の中には、「ネットの論調=社会全体の論調」と思い込んでしまう人も少なくない。するとどうなるか。「メディアの報道には偏りがある」「真実を報道していない」と容易にマスコミ批判や陰謀論に走ってしまう。メディアが報道しないのは、ほとんどの場合「裏がとれない」からなのだが。
 マスコミの仕事は「隠蔽」することではなく、「曝露」することなのだから。
 また、ネットで支持が多い言説だからといって、国民的支持があるとは限らない。同じ人が「××反対」「〇〇は素晴らしい」と1日に3回書けば、その意見が強いように見えるが、社会全体で見ればそうとも限らない。ネットの論調が主流とは限らない。ネットで不特定多数に向けて情報発信している人は全体で見ればまだ少数派だ、くらいに考えておいたほうがバランスがいい。

□池上 彰×佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意』(東洋経済新聞社、2016)
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 【参考】
【佐藤優】ネットの使い方、情報の新しさを判断する目安 ~最強の読み方(5)~
【佐藤優】雑誌の読み方、『失敗の本質』 ~最強の読み方(4)~
【佐藤優】雑誌の読み方、「文藝春秋」は論壇カタログ ~最強の読み方(3)~
【佐藤優】新聞の読み方 ~最強の読み方(2)~
【佐藤優】新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意 ~最強の読み方~
 


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【南雲つぐみ】春苗の植えどき ~ハーブ、青菜、花~

2017年03月19日 | 医療・保健・福祉・介護
 チェコの作家カレル・チャペックの「園芸家12カ月」の3月の章に「産毛をはやして眠っている芽よ、目をさませ。スタートの命令が、もう出たのだ」という一節がある。
 日本の「啓蟄」は3月5日。冬ごもりの虫が地面の穴から顔を出し、自然界は芽吹きのときで、ガーデニングも忙しくなるころではないだろうか。
 春は種まきの時期。「花より食の充実」をという人には、ハーブや青菜もいい。シュンギク、コマツナなどの種をプランターにまいておけば、約1カ月後から収穫できる。種を1~2週間ずつずらしてまくと、長期間にわたって自家製の新鮮野菜でビタミンやミネラル類が食べられる。
 でも私のような初心者にとって種からまくのは大変で、成果の見えやすい花苗のほうがやる気が出る。春咲きの花の最盛期は4~5月だが、ちょうど今はその花苗が園芸店に出回っている。
 ルピナス、アネモネ、ロベリア、ネモフィラなど、4~5月の花を組み合わせて植えると、2カ月後にはすてきな花壇になるはずだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「春苗の植えどき ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年3月15日)を引用
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【南雲つぐみ】お彼岸 ~その心~
【南雲つぐみ】せきを抑えるツボ ~自衛法~
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【南雲つぐみ】お彼岸 ~その心~

2017年03月19日 | 医療・保健・福祉・介護
 春分と秋分は、太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになる。その日を挟んだ前後3日の計7日間を「彼岸」という。彼岸に仏様の供養をすることで、極楽浄土へ行けるとされている。
 彼岸は仏教で、人間の生きる「此岸」が欲や煩悩にまみれた世界なのに対して、欲や煩悩から解放された世界を示している。このことと、春分とはどういう関係にあるのだろうか。
 祝日法によると、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」とされる。これは、日本に古くからある「森羅万象」という考え方を示しているようにも感じる。
 日本では樹木、山、海、葉の一枚、米の一粒にまで、すべてのものに神性、仏性が宿るとされる。その感性が春の種まきや秋の収穫と結びつき、自然をたたえ、先祖に感謝する心へつながっているのではないだろうか。
 春の彼岸には「ぼた餅」を食べる。これは春に咲くボタンにちなんだ名で、「おはぎ」は秋に咲くハギの花にちなんでいる。もち米は五穀豊穣(ほうじょう)、小豆は魔よけに通じている。

□南雲つぐみ(医学ライター)「お彼岸 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年3月17日)を引用
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【佐藤優】ネットの使い方、情報の新しさを判断する目安 ~最強の読み方(5)~

2017年03月18日 | ●佐藤優
 第3章 僕らのネットの使い方 ~上級者のメディアをどう使いこなすか
 「調べ物はネット検索より、辞書・事典サイトが便利―「冥王星」の項目で、情報の新しさを判断する」から以下、引用。

池上 辞書や事典が最新の情報に更新されているかどうかは、どうやって確認するんですか?

佐藤 百科事典だと、たとえば2006年に惑星から準惑星に格下げされた「冥王星」がチェックポイントです。「冥王星」の項目を見て、「準惑星」あるいは「以前は惑星とされていた」と書かれていれば、その百科事典はきちんと情報が更新されていると考えていいでしょう。

池上 なるほど。いまだに「太陽系の惑星」と説明されていたら古いと判断するわけですね。

佐藤 そうです。辞書でも、冥王星はひとつの目安になると思いますよ。

□池上 彰×佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意』(東洋経済新聞社、2016)
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 【参考】
【佐藤優】雑誌の読み方、『失敗の本質』 ~最強の読み方(4)~
【佐藤優】雑誌の読み方、「文藝春秋」は論壇カタログ ~最強の読み方(3)~
【佐藤優】新聞の読み方 ~最強の読み方(2)~
【佐藤優】新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意 ~最強の読み方~
 

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【佐藤優】雑誌の読み方、『失敗の本質』 ~最強の読み方(4)~

2017年03月18日 | ●佐藤優
 第2章 僕らの雑誌の読み方 ~週刊誌、月刊誌からビジネス誌、専門誌まで
  「『失敗の本質』の教訓は「組織は抜本的な改革はできない」こと」から以下、引用。

池上 軍事研究関連でビジネスパーソンにすすめるなら、雑誌ではなく書籍になりますが、有名な『失敗の本質』はやはりおすすめです。あれを読むと、日本の組織というのは昔も今もまったく変わらない、つまり陸軍海軍が現代の官僚や役所と同じだったことがよくわかります。

佐藤 続編の『組織の不条理』もあわせて読むといいですね。結局、組織というのは、抜本的な改革はできないことがわかります。私が常々、「組織と闘うな」と言う理由のひとつでもあります。「半沢直樹」が流行りましたが、あれを現実でやったら即破滅ですよ。ファンタジーを真に受けると、ひどい目にあいます。

池上 それと、企業でよく「集中と選択」のような議論がありますが、これもゼロ戦を見るとよくわかります。ゼロ戦は、海軍からの矛盾だらけの要望に応え、あらゆる性能を満たそうとした結果、一発弾が当たったらあっという間に火だるまになるような飛行機になってしまった。高度なパイロットの技術が必要な、ものすごく人を選ぶ戦闘機だったようです。逆にアメリカは、たいした能力がなくても、誰でも使えるような単純な戦闘機にするわけで、設計思想からして違います。それはじつは、日本の企業にも言えることではないかと。

佐藤 そのとおりです。一見マニアックな軍事雑誌の話も、じつはこうして現代社会につながってくるわけですね。

 *

 はじめに(池上彰)
 序章 僕らが毎日やっている「読み方」を公開
 第1章 僕らの新聞の読み方 ~どの新聞を、どう読むか。全国紙から地方紙まで
 第2章 僕らの雑誌の読み方 ~週刊誌、月刊誌からビジネス誌、専門誌まで 
 第3章 僕らのネットの使い方 ~上級者のメディアをどう使いこなすか
 第4章 僕らの書籍の読み方 ~速読、多読から難解な本、入門書の読み方まで 
 第5章 僕らの教科書・学習参考書の使い方 ~基礎知識を一気に強化する 
 特別付録1 「人から情報を得る」7つの極意
 特別付録2 本書に登場する「新聞」「雑誌」「ネット」「書籍」「映画・ドラマ」リスト 
 特別付録3 池上×佐藤式70+7の極意を一挙公開! 
 おわりに(佐藤優)

□池上 彰×佐藤優『僕らが毎日やっている最強の読み方―新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意』(東洋経済新聞社、2016)
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 【参考】
【佐藤優】雑誌の読み方、「文藝春秋」は論壇カタログ ~最強の読み方(3)~
【佐藤優】新聞の読み方 ~最強の読み方(2)~
【佐藤優】新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける77の極意 ~最強の読み方~
 


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