語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】クラゲの癒やし ~ストレス解消~

2017年03月07日 | 医療・保健・福祉・介護
 「クラゲは好き?」と聞かれたら、中華料理などの食材として、あるいは海の生き物として、また水族館などの鑑賞用としてのどれを思い浮かべるだろう。
 日本大学生物資源科学部の広海十朗教授らは、さまざまな角度からクラゲの癒やし効果についての検証を行っている。
 例えば、クラゲが浮遊するDVDを鑑賞する前後で、ストレスが原因で唾液中に増えるクロモグラニンAという物質を測定したところ、鑑賞後に分泌量が低下することが分かった。また、脳の血液量からストレスの状況を見る光トポグラフィー試験でも、鑑賞後は特に左脳の前頭部の血流が減少し、脳の活動が穏やかになったことが分かったという。興味深いのは、事前調査で「クラゲは好きでではない」と回答していた人にもこの効果は出ていたということだ。
 海水浴場に出没するクラゲは嫌いでも、水族館の展示は好きという人は多いだろう。ゆっくりした泳ぎやふわふわとした動きは神秘的で、サラリーマンがストレス解消に訪れることも多いそうだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「クラゲの癒やし ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年2月25日)を引用
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 【参考】
【南雲つぐみ】アレルギー性結膜炎 ~目の花粉症~
【南雲つぐみ】遺伝子検査と生活習慣
【南雲つぐみ】早春の香り ~匂いとセラピー~ 
【南雲つぐみ】白酒と甘酒 ~甘酒は栄養豊富~
【南雲つぐみ】背骨の新しい治療法
【南雲つぐみ】ビーナスベルトと地球影 ~西の空~
【南雲つぐみ】火災を防ぐ ~春季全国火災予防運動~
【南雲つぐみ】温泉かれい ~北陸~
【南雲つぐみ】がんと就労 ~仕事と治療の両立~
【南雲つぐみ】富士の笠雲
【南雲つぐみ】歩き方いろいろ ~室内でできるスロージョギング~
【南雲つぐみ】飲酒のメカニズム ~前頭葉を刺激~
【南雲つぐみ】ハリーアップ症候群 ~時間に追われると~
【南雲つぐみ】おでんの日 ~車麩~
【南雲つぐみ】フローズンショルダー ~肩関節周囲炎~
【南雲つぐみ】更年期女性と心疾患 ~微小血管狭心症~
【南雲つぐみ】梅の季節
【南雲つぐみ】皮膚の乾燥やかゆみ ~傾向と対策~
【南雲つぐみ】お菓子の日とビタミンB1
【南雲つぐみ】午の時刻、方位、初午の名物料理
【南雲つぐみ】添加物が気になる時 ~ワカメのみそ汁の効果~
【南雲つぐみ】揺さぶりに注意 ~赤ちゃんの脳震盪や硬膜下出血~
【南雲つぐみ】喉あめの効果 ~唾液分泌~
【南雲つぐみ】静電気を防ぐには ~綿や麻は電子を帯びにくい~
【南雲つぐみ】目の温浴 ~蒸しタオル~
【南雲つぐみ】海苔の日 ~「海の緑黄色野菜」~
【南雲つぐみ】大豆とエクオールは女性にとって健康の秘訣 ~今日は節分~
【南雲つぐみ】体の痛みが示すもの ~臓器の健康~
【南雲つぐみ】飲む乳酸菌の役割 ~明日2月3日は「乳酸菌の日」~
【南雲つぐみ】マスクで花粉症の予防 ~ダイエットにもなる~
【南雲つぐみ】寒灸の習慣 ~関節の痛みやこりを和らげる~
【南雲つぐみ】タイの天ぷら ~徳川家康の死因考~
【南雲つぐみ】アボカドの栄養とその調理法
【南雲つぐみ】フェリチンに注目 ~貧血対策~
【南雲つぐみ】ショウガを飲む ~その薬効~
【南雲つぐみ】ナマコとコノワタ ~三河湾では今が旬~
【南雲つぐみ】寒たまご ~1日2個以上も可~
【南雲つぐみ】安納芋の栄養価と味わい ~焼くか蒸す~
【南雲つぐみ】小正月には小豆がゆ ~むくみによる体重増の対策~
【南雲つぐみ】「おなかの風邪」の予防と事後処理 ~ノロウイルス、「ロタウイルス」~
【南雲つぐみ】食事制限だけのダイエットは危険 ~運動が大事~
【南雲つぐみ】温泉の安全な入り方
【南雲つぐみ】七草がゆ
ミカンのうんちく ~延命長寿の果実~
【南雲つぐみ】鍋で養生 ~今年1月5日は小寒~
【南雲つぐみ】お雑煮の食べ方 ~事故の防止法~

【南雲つぐみ】アレルギー性結膜炎 ~目の花粉症~

2017年03月07日 | 医療・保健・福祉・介護
 目に花粉やハウスダストなどのアレルギー反応を引き起こす物質が付いて、まぶたの裏側と白目を覆っている結膜に炎症を引き起こすのがアレルギー性結膜炎。毎年同じ時期に両方の目に症状が出ることが特徴だという。
 花粉症による鼻炎に苦しむ人は多いが、日本眼科学会によれば、国内では約2千万人がアレルギー性結膜炎に罹患しており、大半は花粉によるものと推測されるという。花粉症と同じように、かゆみなどが出始めたら、早めに抗アレルギー点眼薬などで治療を始めたほうがよいそうだ。目をこすると悪化し、結膜や黒目の部分の角膜を傷つけて目がゴロゴロしたり、痛み、結膜充血、浮腫がひどくなったりすることがあるので注意が必要だ。
 重症のアレルギー性結膜炎、春季カタルは角膜に傷が付いて混濁してしまうこともある。
 外出時はメガネ、マスク、帽子を着用し、帰ってきたら衣服や髪に付いた花粉を払い落とす。帰宅後に目を洗うのはかえって結膜を傷付ける恐れがあるので、あまり行わないほうがいいようだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「アレルギー性結膜炎 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年3月7日)を引用
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 【参考】
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【南雲つぐみ】お雑煮の食べ方 ~事故の防止法~

【派遣】海外を目指す! ~中高年派遣社員物語8~

2017年03月07日 | ノンフィクション
 (1)中高年、一生に一度は海外で働いてみたいと思いませんか。
 住んでみると、命に関わる経験もありうるが、海外旅行では知りえない、その国の真相に迫ることができるかもしれない。

 (2)筆者=森川氏は、JICA(独立行政法人国際協力機構)からタイに派遣されて、チェンマイとノンタブリ市で合計4年間仕事をしたことがある。
 赴任初日から事故に遭遇した。バイクタクシーに乗った若い女性が運転手もろとも、交差点付近でカシャーンと倒れて、道路を横滑りしていくシーンを目撃した。幸い、命に別状はなかったが。
 1日車に乗っていたら、事故を目撃しない日はない。側溝や川に落ちて動けないトラックや、犬・猫が車にひかれてペチャンコになった残骸もよく見かけた。それもそのはず、一般の幹線道路が高速道路なみに走ることができ、時速100kmで走る車が多いのだ。

 (3)また、バンコクを歩くと、道路の側溝から下水の臭いがした。これは何か、トイレの実態を話さないと分からないだろう。
 ある日、水洗トイレから臭いがするので、団地の職員に訊いたら、「市役所に汲み取りを頼み、終わったら、このEM団子を浄化槽に放り込んでください」と言われ、住んでいる家の浄化槽を初めて見た。分かったのは、尿が土に染み込むタイプで、浄化槽からあふれ出た汚水が、街の側溝に流し込まれる仕組みになっていることだ。そのため、時々バキュームカーで側溝の下水を汲み取り、EM菌を使って浄化する下水場に運んでいる。

 (4)EM菌は、日本の比嘉照夫・琉球大学名誉教授が開発した有用微生物群の略称。東南アジアで随分と活用されている。
 実際、EM団子を浄化槽に放り込んだとたん、臭いが消えた。
 タイで水道の水が飲めない理由もここにある。
 そもそもタイでは水道管が古く、浄水場から水圧を高くして流すと漏水が多くなる。かといって、水圧を低くすると、こんどは汚れた地下水が水道管に入り込みやすくなる。事実、筆者も山の上の冷たい水道の水だからとコップ一杯の水を飲んだら、たちまち下痢した。

 (5)旅行者は、側溝の異様な臭いには気がつくかもしれないが、臭いの背景にこんな裏事情があることはわからない。
 市役所にアドバイザーとして勤め、側溝の掃除現場や下水場、浄水場の見学ができたからこそ分かった裏事情だ。
 残念だが、われわれの経験がJICAに引き継がれたかというと、心許ない。管理職を含め、シニア海外ボランティアと一緒に派遣された人のほとんどが2年任期の契約社員なのだから。 

 (6)とはいえ、見るもの、聞くもの、すべてが物珍しく、伴侶と一緒に海外に行くと毎日が観光だ。日本では珍しい蛍を家のそばで見たり、庭のバナナを食したり、象の住む森を歩くツアーに参加したり。
 経済的補償も厚く、一度はシニア海外ボランティアへの応募を勧めたい。

□森川海守「中高年は海外を目指す! ~中高年派遣社員物語8~」(「週刊金曜日」2017年3月3日号)
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 【参考】
【派遣】中高年の節約術 ~中高年派遣社員物語7~
【派遣】原子力損害補償業務はホームズの赤毛組合? ~中高年派遣社員物語6~
【派遣】中高年、手に資格を ~中高年派遣社員物語5~
【派遣】ハローワークは使えるか? ~中高年派遣社員物語4~
【派遣】転職・就職サイトに登録しまくる ~中高年派遣社員物語3~
【派遣】FXでの損が運の尽き ~中高年派遣社員物語2~
【派遣】余はいかにして派遣社員となりしか ~中高年派遣社員物語1~

【南雲つぐみ】遺伝子検査と生活習慣

2017年03月07日 | 医療・保健・福祉・介護
 病気になりやすい体質の遺伝的な傾向が分かるという「DNA検査」が話題になっている。自宅で唾液を採り郵送するだけで、がんや心筋梗塞、糖尿病など150項目以上の病気リスクが分かるというものもあり、簡単さが好評のようだ。
 気になるのは検査結果の真偽だが、もし正確な情報が得られるとしても、その結果をどう考えるかが重要ではないか。
 遺伝子について解明されるとともに、その情報が病気のリスクになるかどうかは、生活環境の影響が大きいとする研究もある。
 「エピジェネティクス」とは、「後天的に決定される遺伝的な仕組み」を指す。遺伝子を取り巻く周りの状況を変えることで、遺伝子発現のパターンや細胞の性質を変えることができるという考え方だ。たとえば、一卵性双生児では遺伝子情報がまったく同じだが、年齢を重ねると顔つきも変わってくる。病気の罹患率については30%しか共通項がないという報告もある。
 遺伝子検査は役に立つ部分をうまく使い、結果をうのみにしないことが大切だろう。

□南雲つぐみ(医学ライター)「遺伝子検査と生活習慣 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年2月23日)を引用
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【佐藤優】地学の魅力、自分の頭で徹底的に考える、高等教育と短期の利潤追求

2017年03月06日 | ●佐藤優
 ①鎌田浩毅『地学ノススメ』(講談社ブルーバックス 980円)
 ②田村淳『日本人失格』(集英社新書 720円)
 ③ユルゲン・モルトマン(福嶋揚・訳)『希望の倫理』(新教出版社 4,000円)

 (1)高校の理科で地学を選択する人は少ないので、大多数にとっては地学は疎遠な学問といえよう。①は、その地学の魅力をよく伝える。
 <地球の歴史の上では、さまざまな事件が次々と起こります。歴史とは時間が一方向に向かって進むものであり、後戻りのない流れです。そこでは偶然の要素が大きく作用し、前の時代とはまったく関連のない事件が突如として起こります。
 こうした地球の歴史を研究する際に、われわれ科学者は最初に、数多くの事件が「いつ」「どこで」起きたかを調べます。そして、それらを時系列に並べて、互いの因果関係を突きとめようとします。しかし実際には、因果関係が明らかになるものは少なく、多くの事象は独立して、無関係に起きているようにも見えてしまいます>
 この指摘が示唆するように、歴史について深く考えるためにも、地学の知識が必要とされる。

 (2)②で著者は、自分の頭で徹底的に考え抜く。
 <僕は、童話『ウサギとカメ』ではウサギに、『アリとキリギリス』では、もちろんキリギリスに共感するんだよなあ。
 子供の頃から、地道にコツコツ働くことが大切なんだ的な絵本や物語が好きじゃない。読み聞かせされても、ちっとも頭にも心にも入ってこなかった。
 だけど、多くの日本人はその手の話が大好きだ。教育上は正しいのかもしれないけども、真面目にコツコツ働き、何か壁にぶつかった時に、自分に軽いウソをついてもいいと知らない人たちは、次第に追いつめられていき、多大なるストレスを抱え込み、心も体も次第に病んでいくんじゃないかな>
 確かに、真面目すぎる人というのは、往々にして人生の重圧につぶされてしまうことが多い。

 (3)③では、プロテスタント神学の思考が端的に示されている。モルトマン氏は、大学教育についてこう述べる。
 <大学生は社会の「人的資本」ではない。研究や教育による彼らの養成は利潤追求ではない。仮にそうなってしまえば、もはや基礎研究は存在しないだろう。大学生は学問の市民であり、職業訓練生ではない。学問の領域では信頼と信用だけが相互の潜在能力を目覚めさせる。こうした信頼感の中で学問の自由がなければ、学問のシンポジウムは存在せず、応用のための任務作業しか存在しない。信頼を管理に取り替える者は、創造的な生を破壊しているのである>
 評者もこの見解を全面的に支持する。短期的な利潤の追求と高等教育を切り離さないと、「実用性」「効率性」の名の下に高等教育の基盤が崩れてしまう。

□佐藤優「高等教育と短期の利潤追求 ~知を磨く読書 第189回~」(「週刊ダイヤモンド」2017年3月11日号)
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 【参考】
【佐藤優】日本人の特徴的な行動 ~日本礼賛ではない『ジャパン・アズ・ナンバーワン』~
【佐藤優】知を扱う基本的技法、ソ連人はあまり読まなかった『資本論』、自由に耐えるたくましさ
【佐藤優】後知恵上手が出世する? ~ビジネスに役立つ「哲学の巨人」読解法~
【佐藤優】トランプ政権の安保政策、「生きた言葉」という虚妄、キリスト教の開祖パウロ
【佐藤優】「暴君」のような上司のホンネとは? ~メロスのビジネス心理学~
【佐藤優】物まね芸人とスパイの共通点、新版太平記の完成、対戦型AIの原理
【佐藤優】トランプ側近が考える「恐怖のシナリオ」 ~日本も敵になる?~
【佐藤優】弱まる日本社会の知力、実践的ディベート術、受けるより与えるほうが幸い
【佐藤優】トランプの「会話力」を知る ~ワシントンポスト取材班『トランプ』~
【佐藤優】「不可能の可能性」に挑む、言語の果たす役割の大きさ、NYタイムズ紙コラムニストの人生論
【佐藤優】人生は実家の収入ですべて決まる? ~「下流」を脱する方法~
【佐藤優】ソ連崩壊後の労働者福祉軽視、現代も強い力を持つ観念論、孤独死予備軍と宗教
【佐藤優】米国のキリスト教的価値観、サイバー戦争論、日本会議
【佐藤優】『失敗の本質』/日本型組織の長所と短所
【佐藤優】世界を知る「最重要書物」 ~クラウゼヴィッツ『戦争論』~
【佐藤優】現代ロシアに関する教科書、ネコ問題はヒト問題、トランプ氏の顧問が見る中国
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【佐藤優】サイコパス、新訳で甦る千年前の魂、長寿化に伴うライフスタイルの変化
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【佐藤優】組織の非情さが骨身に沁みる ~新田次郎『八甲田山死の彷徨』~
【佐藤優】プーチン政権の本質、2017年の論点、ロシアと欧州
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【佐藤優】テロリズム思想の変遷を学ぶ ~沢木耕太郎『テロルの決算』~
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【佐藤優】ウラジオストク日本人居留民、辺野古移設反対を掲げる公明党沖縄県本部、偶然歴史に登場した労働力の商品化
【佐藤優】「21世紀の優生学」の危険、闇金ウシジマくんvs.ホリエモン、仔猫の救い方
【佐藤優】大学にも外務省にもいる「サンカク人間」 ~『文学部唯野教授』~
【佐藤優】訳・解説『貧乏物語 現代語訳』の目次
【佐藤優】「イスラム国」をつくった米大統領、強制収容所文学、「空気」による支配を脱構築
【佐藤優】トランプの対外観、米国のインターネット戦略、中国流の華夷秩序
【佐藤優】元モサド長官回想録、舌禍の原因、灘高生との対話
【佐藤優】孤立主義の米国外交、少子化対策における産まない自由、健康食品のウソ・ホント
【佐藤優】アフリカを収奪する中国、二種類の組織者、日本的ナルシシズムの成熟
【佐藤優】キリスト教徒として読む資本論 ~宇野弘蔵『経済原論』~
【佐藤優】未来の選択肢二つ、優れた文章作法の指南書、人間が変化させた生態系
【佐藤優】+宮家邦彦 世界史の大転換/常識が通じない時代の読み方
【佐藤優】人びとの認識を操作する法 ~ゴルバチョフに会いに行く~
【佐藤優】ハイブリッド外交官の仕事術、トランプ現象は大衆の反逆、戦争を選んだ日本人
【佐藤優】ペリー来航で草の根レベルの交流、沖縄差別の横行、美味なソースの秘密
【佐藤優】原油暴落の謎解き、沖縄を代表する詩人、安倍晋三のリアリズム
【佐藤優】18歳からの格差論、大川周明の洞察、米国の影響力低下
【佐藤優】天皇制を作った後醍醐、天皇制と無縁な沖縄 ~網野善彦『異形の王権』~
【佐藤優】新しい帝国主義時代、地図の「四色問題」、ベストセラー候補の研究書
【佐藤優】ねこはすごい、アゼルバイジャン、クンデラの官僚を描く小説
【佐藤優】外交官の論理力、安倍政権と共産党、研究不正が起きるシステム
【佐藤優】遅読家のための読書術、電気の構造、本屋大賞
【佐藤優】外山滋比古/思考の整理学
【佐藤優】何が個性で、何が障害か
【佐藤優】大宅壮一ノンフィクション賞選評 ~『原爆供養塔』ほか~
【佐藤優】英才教育という神話
【佐藤優】資本主義の内在的論理
【佐藤優】米国の戦略策定、『資本論』をめぐる知的格闘、格差・貧困問題の起源
【佐藤優】偉くない「私」が一番自由、備中高梁の新島襄、コーヒーの科学
【佐藤優】フードバンク活動、内外情勢分析、正真正銘の「地方創生」
佐藤優】日本の政治エリートと「天佑」、宇宙の生命体、10代が読むべき本
【佐藤優】組織成功の鍵となる人事、ユダヤ人の歴史、リーダーシップ論
【佐藤優】第三次世界大戦の可能性、現代東欧文学、世界連鎖暴落
【佐藤優】司馬遼太郎の語られざる本音、深層対話、米政府による暗殺
【佐藤優】著名神学者のもう一つの顔 ~パウル・ティリヒ~
【佐藤優】総理が靖国参拝する理由、NPO活動の哲学やノウハウ、テロ対策の必読書
【佐藤優】今後、起こりうる財政破綻 ~対応策を学ぶ~
【佐藤優】社会の価値観、退行する社会
【佐藤優】夫婦の微妙な関係、安倍政権の内在的論理、警察捜査の正体
【佐藤優】情緒ではなく合理と実証で ~社会の再構築~
【佐藤優】中曽根康弘、21世紀の資本主義分析、北樺太の石油開発
【佐藤優】日本人の思考の鋳型、死刑問題、キリスト教と政治
【佐藤優】中国株式市場の怪しさ、イノベーションの障害、ホラー映画の心理学
【佐藤優】普天間基地移設問題の本質、外務省犯罪黒書、老後に快走!
【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~

【南雲つぐみ】早春の香り ~匂いとセラピー~ 

2017年03月06日 | 医療・保健・福祉・介護
 「春は名のみの風の寒さや」(早春賦)
 関東では、街を歩いていて、どこからともなく甘い香りがしてくるのがちょうど今頃だ。ジンチョウゲの香りは、遠くからでも匂ってきて春が来たことを知らせてくれる。
 人間は情報の87%を視覚から得て、においによる情報はわずか2%に過ぎないという。ただ、嗅覚は他の知覚と違って、大脳辺縁系という喜怒哀楽などの感情や食欲などの本能行動をつかさどる脳にダイレクトにつながっているそうだ。それでにおいによって過去の記憶や感情が呼び覚まされ、強い郷愁を感じることなどがあるわけだ。
 この効果をうまく利用しているのがアロマセラピーで、香りによってリラックスや集中力、眠気などを引き出す療法だ。ジンチョウゲのアロマはないようだが、香りで一足先に春を味わうなら、ベルガモット、ゼラニウム、ローマンカモミールなどがいい。華やかでフローラルな香りが気分を引き立ててくれる。

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【南雲つぐみ】火災を防ぐ ~春季全国火災予防運動~
【南雲つぐみ】温泉かれい ~北陸~
【南雲つぐみ】がんと就労 ~仕事と治療の両立~
【南雲つぐみ】富士の笠雲
【南雲つぐみ】歩き方いろいろ ~室内でできるスロージョギング~
【南雲つぐみ】飲酒のメカニズム ~前頭葉を刺激~
【南雲つぐみ】ハリーアップ症候群 ~時間に追われると~
【南雲つぐみ】おでんの日 ~車麩~
【南雲つぐみ】フローズンショルダー ~肩関節周囲炎~
【南雲つぐみ】更年期女性と心疾患 ~微小血管狭心症~
【南雲つぐみ】梅の季節
【南雲つぐみ】皮膚の乾燥やかゆみ ~傾向と対策~
【南雲つぐみ】お菓子の日とビタミンB1
【南雲つぐみ】午の時刻、方位、初午の名物料理
【南雲つぐみ】添加物が気になる時 ~ワカメのみそ汁の効果~
【南雲つぐみ】揺さぶりに注意 ~赤ちゃんの脳震盪や硬膜下出血~
【南雲つぐみ】喉あめの効果 ~唾液分泌~
【南雲つぐみ】静電気を防ぐには ~綿や麻は電子を帯びにくい~
【南雲つぐみ】目の温浴 ~蒸しタオル~
【南雲つぐみ】海苔の日 ~「海の緑黄色野菜」~
【南雲つぐみ】大豆とエクオールは女性にとって健康の秘訣 ~今日は節分~
【南雲つぐみ】体の痛みが示すもの ~臓器の健康~
【南雲つぐみ】飲む乳酸菌の役割 ~明日2月3日は「乳酸菌の日」~
【南雲つぐみ】マスクで花粉症の予防 ~ダイエットにもなる~
【南雲つぐみ】寒灸の習慣 ~関節の痛みやこりを和らげる~
【南雲つぐみ】タイの天ぷら ~徳川家康の死因考~
【南雲つぐみ】アボカドの栄養とその調理法
【南雲つぐみ】フェリチンに注目 ~貧血対策~
【南雲つぐみ】ショウガを飲む ~その薬効~
【南雲つぐみ】ナマコとコノワタ ~三河湾では今が旬~
【南雲つぐみ】寒たまご ~1日2個以上も可~
【南雲つぐみ】安納芋の栄養価と味わい ~焼くか蒸す~
【南雲つぐみ】小正月には小豆がゆ ~むくみによる体重増の対策~
【南雲つぐみ】「おなかの風邪」の予防と事後処理 ~ノロウイルス、「ロタウイルス」~
【南雲つぐみ】食事制限だけのダイエットは危険 ~運動が大事~
【南雲つぐみ】温泉の安全な入り方
【南雲つぐみ】七草がゆ
ミカンのうんちく ~延命長寿の果実~
【南雲つぐみ】鍋で養生 ~今年1月5日は小寒~
【南雲つぐみ】お雑煮の食べ方 ~事故の防止法~

【後藤謙次】安倍1強時代を揺るがすリスク ~森友学園問題で一躍「渦中の人」~

2017年03月05日 | 社会
 (1)3月5日の自民党大会は、「安倍1強時代」を確定する一大セレモニーだった。これまで「2期6年まで」とされた自民党総裁の任期が党則変更により「3期9年」に。安倍にその意思があれば2021年9月まで総裁の座にとどまることができるようになったからだ。
 長期政権を実現するには、首相自身が「渦中の人」にならないことが鉄則だ。安倍を首相候補に育てあげた小泉純一郎は、5年5ヵ月の長期政権を担ったが、金銭問題を含めてスキャンダルがなかった。それが小泉の最大の強みだった。贈り物は一切受けとらず、生ものでも必ず送り返すというエピソードは今も語り草だ。

 (2)安倍も多くの閣僚が「政治とカネ」で辞任したが、本人は無傷だった。ところが、ここにきて急浮上した大阪市の学校法人「森友学園」問題をめぐって安倍自身が一躍「渦中の人」となった。
 今回の問題をめぐる特異性は、安倍の夫人、昭恵が同校の名誉校長に就任していたことだった。
 森友学園の系列幼稚園では教育勅語を暗唱させ、運動会の選手宣誓では「安倍首相がんばれ」を連呼させていたことが判明した。このため、安倍と籠池泰典・森友学園理事長との個人的関係が大きな焦点として浮上する。
 これに対して、安倍は2月17日の衆院予算委員会でこう言い切った。
 「私や妻、事務所が(問題に)関わっていれば、首相も国会議員も辞める」
 国有財産を管理する財務省や、もともと売却された国有地を管理していた国土交通省大坂航空局も適正な売却だったと繰り返し述べ、佐川宣寿・財務省理財局長は「政治家の関与は一切ない」と国会で答弁した。安倍も、「他の政治家に関しては首相として答える立場にない」としていた。

 (3)ところが、3月1日になって、事態は思わぬ方向に流れていく。
 鴻池祥肇・衆議院議員(自民党)が突然、記者会見を行い、籠池と面会していた事実を明らかにしたのだ。その際の模様について、鴻池は「紙に入ったものを差し出された」と語っている。親分肌で伝法な物言いで知られる鴻池は、身ぶり手ぶりを交えてこう付け加えた。
 「一瞬でカネだと分かったので、無礼者、政治家をカネではたくのは教育者とは違う、帰れと言った」  
 3月2日付け「産経新聞」によれば、籠池は持参したのはカネではなく商品券で、また「小学校の話は何もしていない」と取材に答えている。
 真相はますます分からなくなってきた。安倍自身も言っているように、「ない」ことを証明するのは「悪魔の証明」だが、真相究明のための努力義務は安倍側にある。

 (4)歴代の首相も自身に降りかかった問題について国会で堂々と答弁して乗り切ってきた。
 森友学園問題は、国有地の売却だけでなく私学と政治家との関係も問われている。ここは安倍が率先して事実の解明を指示するところだ。それが真の「1強」につながる。

□後藤謙次「安倍1強時代を揺るがすリスク 森友学園問題で一躍「渦中の人」 ~永田町ライブ!No.330」(「週刊ダイヤモンド」2017年3月11日号)
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 【参考】
【後藤謙次】北朝鮮、金正男氏殺害の深層 ~日本政府内に異なる二つの見方~
【後藤謙次】政府与党内の二つの見方 ~北方領土交渉は頓挫?~
【後藤謙次】トランプの地滑り的勝利で始まった未知なる対米外交
【後藤謙次】築地市場の移転延期の決断が小池都知事の手足を縛るリスク
【後藤謙次】幹事長の入院が人事に波及、「ポスト安倍」めぐり早くも火花
【後藤謙次】参院選大勝も激戦12県で大敗 ~劣る「勝利の質」~
【後藤謙次】都知事選で与党分裂の理由 ~自民党内の反安倍勢力~
【後藤謙次】日本が直面する「ABCリスク」 ~英EU離脱で顕在化~
【後藤謙次】甘利大臣辞任をめぐる二つのなぜ ~後任人事と直後のマイナス金利~
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【政治】露骨な安倍政権へのすり寄り ~経団連が献金再開~
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【政治】「新党」結成目前の小沢一郎の前にたちはだかる難問
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【政治】国会議員はヤジの質も落ちた

【雑学】郵便局の「〒」マークの由来

2017年03月05日 | 生活
 郵便局の「〒」マーク。世界共通ではなく、日本だけで通用する。郵便制度が誕生した明治時代、郵便は「逓信」と呼ばれていたが、その頭文字のカタカナの「テ」を図案化したものなのだ。
 当初は、「Teishin」のTを採用していたが、後に「T」は国際郵便の取り扱いでは料金不足の郵便物に付けるマーク(Taxの意)であことが分かって急遽変えたといういきさつがある。
 ちなみに、外国では、郵便馬車の到着を知らせたラッパにちなみ、楽器のホルンを図案化したマークが多いという。

□雑学総研『大人の博識雑学1000』(KAOKAWA、2016)
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 【参考】
【雑学】肉の焼き方の違いは? ~グリル・ソテー・ロースト~
【雑学】ホットドッグのドッグはどのドッグのことか?

【雑学】肉の焼き方の違いは? ~グリル・ソテー・ロースト~

2017年03月05日 | 生活
①グリル
 「網焼き」のこと。表面に波型の鉄板や格子状の金網などを使って表面に焦げ目をつけ、余分な脂は下に落とす。外側はカリッと香ばしく、内側はやわらかく仕上げるのがコツだ。

②ソテー
 フライパンなどにバターまたはサラダ油を入れ、短時間で肉に火を通しつつ、水分を飛ばす調理法。焼くのではなく、軽く炒めるようなイメージだ。

③ロースト
 大きな塊の肉を串刺しにして、直火で焼いたり、オーブンの放射熱を利用して加熱する方法。原始人が串刺しの肉を直火で焼いているイメージに近い。

□雑学総研『大人の博識雑学1000』(KAOKAWA、2016)
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 【参考】
【雑学】ホットドッグのドッグはどのドッグのことか?

【南雲つぐみ】白酒と甘酒 ~甘酒は栄養豊富~

2017年03月05日 | 医療・保健・福祉・介護
 3月3日はひなまつり。「桃の節句」ともいわれ、祝いのお膳として、桃の花を漬け込んだ桃花酒というものが飲まれていたが、江戸時代ごろから白酒が飲まれるようになったそうだ。童謡「うれしいひなまつり」には「少し白酒 召されたか 赤いお顔の 右大臣」という歌詞がある。これが頭に残っていたのか、私は白酒と甘酒を混同していて、甘酒は大人が酔うほどアルコール度数の強い酒なのかと、長い間勘違いしていた。
 白酒は、みりんや焼酎などに蒸したもち米や米こうじを仕込んで熟成させ、軽くすりつぶして造るそうだ。アルコール分は9%前後で、酒税法ではリキュール類に分類されている。
 一方、甘酒は、ご飯やおかゆに米こうじを混ぜて保温し、米のでんぷんを糖化させたもの。一晩でできることから一夜酒ともいうそうだ。アルコールはほとんど含まないので、ひなまつりに子どもも飲むが、最近は健康飲料として人気がある。別名は「飲む点滴」だ。ビタミンB群やアミノ酸などが豊富で、肌や髪のつやをよくし、疲労回復にも効果があるそうだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「白酒と甘酒 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年月日)を引用
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 【参考】
【南雲つぐみ】背骨の新しい治療法
【南雲つぐみ】ビーナスベルトと地球影 ~西の空~
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【南雲つぐみ】静電気を防ぐには ~綿や麻は電子を帯びにくい~
【南雲つぐみ】目の温浴 ~蒸しタオル~
【南雲つぐみ】海苔の日 ~「海の緑黄色野菜」~
【南雲つぐみ】大豆とエクオールは女性にとって健康の秘訣 ~今日は節分~
【南雲つぐみ】体の痛みが示すもの ~臓器の健康~
【南雲つぐみ】飲む乳酸菌の役割 ~明日2月3日は「乳酸菌の日」~
【南雲つぐみ】マスクで花粉症の予防 ~ダイエットにもなる~
【南雲つぐみ】寒灸の習慣 ~関節の痛みやこりを和らげる~
【南雲つぐみ】タイの天ぷら ~徳川家康の死因考~
【南雲つぐみ】アボカドの栄養とその調理法
【南雲つぐみ】フェリチンに注目 ~貧血対策~
【南雲つぐみ】ショウガを飲む ~その薬効~
【南雲つぐみ】ナマコとコノワタ ~三河湾では今が旬~
【南雲つぐみ】寒たまご ~1日2個以上も可~
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【南雲つぐみ】小正月には小豆がゆ ~むくみによる体重増の対策~
【南雲つぐみ】「おなかの風邪」の予防と事後処理 ~ノロウイルス、「ロタウイルス」~
【南雲つぐみ】食事制限だけのダイエットは危険 ~運動が大事~
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【南雲つぐみ】お雑煮の食べ方 ~事故の防止法~

【佐藤優】日本人の特徴的な行動 ~日本礼賛ではない『ジャパン・アズ・ナンバーワン』~

2017年03月04日 | ●佐藤優
 (1)1979年に上梓され、日本型経営(経済だけでなく、国家運営や教育も含む)に対する関心を高めた。『ジャパン・アズ・ナンバーワン』というタイトルだけが一人歩きしているが、日本礼賛本ではない。
 日本の社会構造、日本人の行動分析に関する優れたインテリジェンス分析報告というのが実態に近い。当時の米国人に、「日本を軽視するのは危険だ」と警鐘を鳴らし、日本のノウハウに学ぶことで、米国国家と米国人の生き残りについて考えた「米国ファースト」の精神で書かれている。
 1970年代末から80年代初頭の日本人は、本書を「われわれを褒めた」本と勘違いし、日本型経営が持つ宿痾にメスを入れなかった。対策を立てなかった。

 (2)日本企業の特徴について、ヴォーゲルは終身雇用制に着目する。
 【要点】大会社で重役になるにはゆっくりと地位を一歩ずつ上がっていかねばならない。日本企業が一般に採用する終身雇用制では、入社した社員は定年まで働くのが通常だから、日本の会社は社員の教育、訓練に多くの費用をかけることは意味がある(他方、欧米では引き抜きがあるから、社員の教育、訓練に費用をかけにくい)。管理職への道を歩む社員たちは、いろいろな部門を回され、あるいは外部の機関に派遣され、さまざまな技術、技能を身につける。と同時に人間関係を育て、将来、上の地位に就いて重要な経営上の決定を行う場合に必要な情報のパイプラインを形成できるような緊密な交友関係をつくる。

 (3)過去20年間、日本でも多様な雇用形態が推進され、総合商社や巨大メーカーでも一般職の採用を止め、派遣社員で需要を満たしているところも多い。
 しかし、専門職、総合職として企業の基幹となる社員については、終身雇用が基本だ。どの国でも組織は、文化的拘束を受ける。日本企業が「家」をモデルに組織を形成する文化はそう簡単に崩れない。
 日本の企業や官公庁による情報収集の特徴に関する既述も興味深い。
 【要点】技術や組織面のノウ・ハウの総合的な実力で欧米を追い抜いた会社は、学ぶ姿勢を崩さない。たえず自らの弱点を反省し、外国であろうと日本国内であろうと、自分たちより優れた面をもつ会社があれば、そこから使えそうな秘訣を学び、たえず改良に努力している。

 (4)現在もこのような情報収集を重視する傾向は強い。
 ただし、収集された情報が、正しく評価・分析され、企業や官公庁の行動に効率的に活用されているとは言いがたい。「情報収集のための情報収集」になり、ファイルだけが厚くなっていくのが日本の情報文化の欠点だ。
 もっとも、新聞社は上手に情報を活用している。
 【要点】日本の大会社は、将来使えそうな情報はすべて実に大切にする。〈例〉各新聞社は、将来を嘱望される若い政治家に対しては、その政治家と性格、スタイル、政治的発言などの面でうまの合いそうな記者を一人か二人、係として割り当てる。その記者は異動してもその政治家とたえず接触を続けて特別の関係を築き、腹心となり、必要とあれば社内でも公にも彼の立場を支持する。かくて、誰が首相になろうと、社内には誰か、その人物を熟知し、特別の関係を温めてた記者が存在する。かかる関係は、内閣改造といった重大な局面に役立つ。

 (5)新聞社に加え、放送局(特にNHK)も政治家と特殊な関係を構築することに組織として取り組んでいる。このような体質では、マスコミの権力監視機能が弱いのは当然だ。
 日本企業の情報収集の特徴として、<日本の会社は、かつて自分のところにいて引退した前役員をも大切にする。(中略)こうした人々を名誉職につけ、さまざまな特権を与えることによって会社から遠ざけず、現職の重役たちが容易にこうした先任者の意見を聞き出せる状況を普段からつくっておくのである>とも指摘する。
 ただ、これには、企業幹部を経験したOBを野放しにしていると、寂しさから余計な話をマスコミやライバル会社にしかねないので、人間関係を維持しているという危機管理の面があることが、ヴォーゲルには見えていないようだ。

 (6)日本の政治、経済、社会のすべてに影響を与えているのが、国家と国民の関係が諸外国と異なっていることだ、とヴォーゲルは見ている。
 【要点】1935~45年ごろ、外国から日本に入る情報は政府が検閲し、統制し、一定の情報しか国民に流れなかった。西欧の事情に通じていたのは、インテリ階級、官僚、文化人のごく一部に過ぎなかった。軍部は、朝鮮、台湾、さらに満州、中国へ徐々に侵略を進め、国内においても強い権力を握るに至った。明治期に発芽し、大正、昭和期に発展を遂げてきた民主主義は弱さを露呈してしまった。これまで集団志向の強い社会の中で育てられてきた一般大衆は、軍部の独裁、言論弾圧に抵抗する術を持たなかった。日本人が「臣民」を脱却して「公民」の意識に目覚め、自国の政治的意思決定を下すのは国民であると自覚したのはつい最近のことだ。戦前から戦中にかけて教育を受けた人々の中には、いまだに国の重要設定は政府が行い、国民はそれに従うまでだという考え方が、根強く残っているようだ。外国の日本研究家の間では、日本人の集団志向性を危険視する者もいる。異見を抑え、個人の自由を抑圧する戦前・戦中の独裁体制に戻る危険さえあると心配する者もいる。

 (7)(6)の指摘は正しい。政治文化を支える意識のみならず、無意識の領域でも、日本人は自らの代表者を議会に送り込んで、代表者たちによって国家が統治されるという代議制民主主義を信じていない。だから、政治に対するニヒリズムが強い。
 さらに、難しい公務員試験や司法試験に合格したエリートに対して国民は、信頼と不信の嫉妬が入り混ざった複雑な感情を抱いている。
 その不満をポピュリズムが煽ると、冷静な判断ができなくなってしまうことが、われわれ日本人にはときどきある。日本人の集団志向型傾向は、さまざまな形態で現れているので、それが国家と社会の基盤を崩さないように監視し、警鐘を鳴らす責務がジャーナリストと有識者にはある。

 (8)最後に、日本の初等・中等教育に対する批判を見てみる。
 【要点】日本では、他人と異なった考えを貫こうとしたり、独創力がありすぎて現状に合わない人が、周囲の人々とうまくやっていくことが米国と違って難しい。一般の人々がもつ型にはまった狭い考えに自分も適合させないなぎり、批判されたり、足を引っ張られたりすることになる。日本の小・中学校では教育課程はすべて一律で、子どもの独創性を伸ばす柔軟性がほとんど認められない。もっとも、日本人の創造性は、集団の協力を必要とする分野で発揮され、その方面での研究能力を軽視することはできない。

 (9)最近、日本の教育でも独創性が強調されているが、それは「独創性に関するマニュアル」によって対処できる。だから、出願者自身の人物像を大学が求める学生像と照らし合わせて合否を決めるAO(アドミッション・オフィス)入試や、自己推薦入試で入学した学生が増えても、創造力の高い社会人が増えているわけではない。
 高校までは、詰め込み教育で、人間としての基礎となる知識の「型」を習得させることが重要だ。「型破りな人間」になるためには、「型」を知っていなくてはならない。「型」を無視した「独創性」は、単なるデタラメで社会的意味を持たない。

□佐藤優「エズラ・F・ヴォーゲル『ジャパン・アズ・ナンバーワン』/日本礼賛本ではない ~ベストセラーで読む日本の近現代史 第42回~」(「文藝春秋」2017年3月号)
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 【参考】
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【佐藤優】後知恵上手が出世する? ~ビジネスに役立つ「哲学の巨人」読解法~
【佐藤優】トランプ政権の安保政策、「生きた言葉」という虚妄、キリスト教の開祖パウロ
【佐藤優】「暴君」のような上司のホンネとは? ~メロスのビジネス心理学~
【佐藤優】物まね芸人とスパイの共通点、新版太平記の完成、対戦型AIの原理

【佐藤優】トランプ側近が考える「恐怖のシナリオ」 ~日本も敵になる?~
【佐藤優】弱まる日本社会の知力、実践的ディベート術、受けるより与えるほうが幸い
【佐藤優】トランプの「会話力」を知る ~ワシントンポスト取材班『トランプ』~
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【佐藤優】人生は実家の収入ですべて決まる? ~「下流」を脱する方法~
【佐藤優】ソ連崩壊後の労働者福祉軽視、現代も強い力を持つ観念論、孤独死予備軍と宗教
【佐藤優】米国のキリスト教的価値観、サイバー戦争論、日本会議
【佐藤優】『失敗の本質』/日本型組織の長所と短所
【佐藤優】世界を知る「最重要書物」 ~クラウゼヴィッツ『戦争論』~
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【佐藤優】日本人の思考の鋳型、死刑問題、キリスト教と政治
【佐藤優】中国株式市場の怪しさ、イノベーションの障害、ホラー映画の心理学
【佐藤優】普天間基地移設問題の本質、外務省犯罪黒書、老後に快走!
【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~
 

【雑学】ホットドッグのドッグはどのドッグのことか?

2017年03月03日 | 生活
 ホットドッグの起源は、1860年代の米国でドイツ移民が売っていた食べ物。フランクフルトをパンで挟んでいた。当初は、その細長い形から、ダックスフント・ソーセージと呼ばれていた。
 1901年、ニューヨークの野球場に試合を見に来ていたタッド・ドーガン(漫画家)は、売り子が
 「熱々(Hot)のダックスフント・ソーセージはいかが?」
と叫ぶ姿をスケッチして新聞に載せた。その際、彼はダックスフントのスペルがわからず、ホットドッグ(Hot Dog)と簡略化した。この名が定着して現在に至る。

□雑学総研『大人の博識雑学1000』(KAOKAWA、2016)
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【南雲つぐみ】背骨の新しい治療法

2017年03月03日 | 医療・保健・福祉・介護
 骨の中のカルシウムが減って、骨折しやすくなる骨粗しょう症が原因で、本人さえ気付かないうちに発症する「椎体骨折(脊椎圧迫骨折)」。背骨(脊椎)を構成する椎体の一つ一つがスカスカになってつぶれて、背中が丸くなっていく。「いつの間にか骨折」とも呼ばれる。
 初期には痛みなどがあまりないため、いつの間にか進行し、気付いた時には姿勢が「く」の字になってしまうのだ。そうなると着たい服も着られず、高い場所にある物を取るなど、日常生活も困難になる。腰痛が起こりやすく、内臓が圧迫されるため胃腸も悪くなりやすいそうだ。
 治療法は「BKP(バルーンカイフォブラスティ)」と呼ばれるもの。つぶれてしまった椎骨に治療用の充填剤を注入し、元の状態に近づける方法だ。2011年より保険が適用された。この治療法の第一人者である浜松医科大学の戸川大輔特任准教授は「世界で80万件以上の椎体骨折に対して行われ、体動時の腰背部痛がある方には有効な治療法」と語っている。

□南雲つぐみ(医学ライター)「背骨の新しい治療法 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年2月20日)を引用
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 【参考】
【南雲つぐみ】ビーナスベルトと地球影 ~西の空~
【南雲つぐみ】火災を防ぐ ~春季全国火災予防運動~
【南雲つぐみ】温泉かれい ~北陸~
【南雲つぐみ】がんと就労 ~仕事と治療の両立~
【南雲つぐみ】富士の笠雲
【南雲つぐみ】歩き方いろいろ ~室内でできるスロージョギング~
【南雲つぐみ】飲酒のメカニズム ~前頭葉を刺激~
【南雲つぐみ】ハリーアップ症候群 ~時間に追われると~
【南雲つぐみ】おでんの日 ~車麩~
【南雲つぐみ】フローズンショルダー ~肩関節周囲炎~
【南雲つぐみ】更年期女性と心疾患 ~微小血管狭心症~
【南雲つぐみ】梅の季節
【南雲つぐみ】皮膚の乾燥やかゆみ ~傾向と対策~
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【南雲つぐみ】午の時刻、方位、初午の名物料理
【南雲つぐみ】添加物が気になる時 ~ワカメのみそ汁の効果~
【南雲つぐみ】揺さぶりに注意 ~赤ちゃんの脳震盪や硬膜下出血~
【南雲つぐみ】喉あめの効果 ~唾液分泌~
【南雲つぐみ】静電気を防ぐには ~綿や麻は電子を帯びにくい~
【南雲つぐみ】目の温浴 ~蒸しタオル~
【南雲つぐみ】海苔の日 ~「海の緑黄色野菜」~
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【南雲つぐみ】アボカドの栄養とその調理法
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【南雲つぐみ】ナマコとコノワタ ~三河湾では今が旬~
【南雲つぐみ】寒たまご ~1日2個以上も可~
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【南雲つぐみ】小正月には小豆がゆ ~むくみによる体重増の対策~
【南雲つぐみ】「おなかの風邪」の予防と事後処理 ~ノロウイルス、「ロタウイルス」~
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【南雲つぐみ】温泉の安全な入り方
【南雲つぐみ】七草がゆ
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【保健】赤身肉は魚や鶏肉に置き換えて ~大腸憩室炎の発症リスクを軽減~

2017年03月03日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)大腸憩室炎は、耳慣れないが、食生活の変化でじわじわ増加している疾患の一つだ。
 長年の便秘や腸管のけいれんなどで腸内の圧力が上昇すると、腸粘膜が圧力に負け、筋肉層のすき間から腸の外側へ袋状にぽこっと「はみ出す」ことがある。内側からは腸がペコペコ凹んでいるように見える。このくぼみが「憩室」で、憩室の数が増えると憩室症と診断される。
 憩室症の多くは無症状だが、時に出血を起こしたり、くぼみ内に便が詰まって血管を傷つけ、炎症(憩室炎)を引き起こす。典型的な症状は、周期的に下腹部が痛み、時間がたつにつれて熱や血便がでる。日本人の好発年齢は40代後半~50代前半で、男性に多い。

 (2)先日、米国の男性医療従事者を対象とした疫学調査「HPFS」から、赤身肉の摂取量と憩室炎の発症リスクが関連するとの報告があった。
 調査では、赤身肉(加工肉と未加工肉)、鶏肉、魚の摂取量と憩室炎との関連を検討。「HPFS」登録の約46,000人を追跡した。期間は、1986~2012年で、4年ごとに食生活に関する質問を行った。この期間内に、764例が憩室炎を発症した。

 (3)野菜の摂取量や喫煙などの生活習慣因子の影響を補正して解析した結果、週に1.2サービング(約100g)と最も赤身肉の摂取量が少なかった人と比較して、週に13.5サービング(約1,150g)を食べていた人は憩室炎リスクが約60%増加。
 また、加工・未加工を問わず赤身肉を毎日食べると、発症リスクが18%も上昇することも判明している。
 その一方で、1日1サービングの赤身肉を鶏肉や魚に置き換えた場合は、発症リスクが20%低下した。

 (4)研究者は、「今回の結果は憩室炎リスクがある人の食生活指針になるだろう」としている。
 さすがに、日本の一般中高年は、週に1kg以上もの赤身肉を食べないだろうが、「毎日肉じゃなきゃ!」 という人は珍しくないだろう。
 お疲れ気味の腸のために、週に1、2日は「体赤身肉日」をつくり、煮魚や鶏肉の酒蒸しを楽しむとよい。

□井出ゆきえ(医学ライター)「赤身肉は魚や鶏肉に置き換えて/大腸憩室炎の発症リスクを軽減 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.337~」(「週刊ダイヤモンド」2017年2月18日号)
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 【参考】
【保健】学会監修の防災セットが限定発売 ~心臓を守るリストも~
【保健】前立腺癌の手術で優れているのは ~ダ・ヴィンチvs人の手~
【保健】サウナで認知症リスクが低下 ~本場フィンランドの報告~
【保健】ポケモンGOで運動量up! ~仲間でワイワイの効果~
【保健】「過剰診断」か「見落とし」か ~マンモグラフィー検診のリスク~
【保健】悪性腫瘍ばりの「足の狭心症」 ~運動・喫煙で早期に対応を~
【保健】ワクチンを接種し損ねても ~インフル予防に補中益気湯~
【保健】高齢者は健康な生活、他方、若い世代は生活習慣に課題
【保健】子供の感染性急性胃腸炎に ~家庭でできる経口補水療法を~
【保健】痛風発作の薬は低用量で/米国のガイドラインが推奨
【保健】社会文化的伝統は肥満のもと ~年末~春は危険だらけ~
【保健】サルコペニア肥満で糖尿病!? ~筋肉減でインスリン分泌低下~
【保健】子どもの砂糖摂取量は1日25g以下に ~肥満症対策のため清涼飲料より水~
【保健】偽薬効果は学習効果? ~慢性的な腰痛が軽減~
【保健】中高年の性行動と認知機能
【保健】揚げ物はレジリエンス(心の弾力・回復力)に悪影響?
【保健】カロリー制限か運動療法か、どちらか一つじゃダメか?
【保健】遺伝子検査で再発リスクを評価 ~乳癌、抗癌剤治療の回避も~
【保健】慢性疲労症候群に関係か ~腸内細菌叢~
【保健】脳トレに有酸素運動をプラス ~認知機能と記憶力が向上~
【保健】標準体重なのに2型糖尿病?/BMIが「1」増加しただけで
【保健】受動喫煙は確実に癌、脳・心疾患、乳幼児突然死症候群を生む
【保健】嫌な気分の時こそ、動く ~うつ病治療に行動活性化療法~
【保健】孤独リスクも欧米化する?/宴会文化が廃れた後は
【保健】茶カテキンによる肝障害でノルウェーがサプリメント含有量規制へ
【保健】学んで4時間後に運動すると記憶が定着 ~記憶術~
【保健】飲む抗癌剤で生存率改善へ ~膵臓癌の再発を抑制~
【保健】恐竜も腫瘍を患う ~癌は進化の宿命~
【保健】高血圧にはモーツァルト ~安静に寝ているより効果的~
【保健】塞栓症リスクが低いピルは?/エストロゲン量と黄体ホルモンで違い
【保健】悲しいと食べすぎる ~食べ放題は幸せなときに~
【保健】「夏の蚊対策国民運動」 ~ジカ熱対策~
【保健】2型糖尿病発症にも民族差/アジア系は「BMI23」でリスク
【保健】ジャガイモに高血圧リスク/ノンオイルでも要注意 
【保健】ADHDに「ゲーム療法」?/2製品が臨床試験へ
【保健】男性は運送業、女性は医療・介護 ~メタボになりやすい業種~
【保健】健康生活の王道は「食」 ~食事バランスガイドと死亡率~
【保健】眼底検査で何がわかるか ~眼疾患だけではない~
【保健】弾性ストッキングが効果的 ~エコノミークラス症候群対策~
【保健】マインドフルネスで腰痛改善 ~認知行動療法と同じ効果~
【保健】歯磨きが心血管疾患を予防 ~毎食後で発症リスクを軽減~
【保健】ガン=生存時代の就労支援 ~治療と仕事の両立に指針~
【保健】糖尿病患者の降圧目標値 ~140mmHgでよい?~
【保健】睡眠不足でスナック菓子を渇望、体重増加 ~大麻並みの快楽
【保健】コーラ1缶で薬の吸収率がアップ ~抗癌剤の薬効~
【保健】その一言で妻の2型糖尿病リスクが減少 ~「先に寝ていて」~
【保健】先進国では認知症が減少? ~予防の鍵は生活習慣の改善~
【保健】生活設計は長期戦か短期決戦か ~癌の臓器別・病期別生存率~
【保健】イチゴとオレンジはEDに効く ~米国の研究報告~
【保健】高齢者の服薬適正化にGL ~容易な多剤併用に警鐘~
【保健】朝食抜きに脳卒中リスク 阪大など調査 大規模調査で1.18倍高
【保健】下剤は脳・心血管疾患リスク> ~背景にストレスや運動不足~
【保健】高脂肪食でシナプスが消失? ~動物実験~
【保健】2型糖尿病とフライド・ポテトとの関係 ~ポテトは煮物で~
【保健】世帯の所得と健康リスクの関係 ~食習慣と飲酒習慣~
【保健】抗がん剤の価格差は最大4倍以上 ~WHOの調査~
【保健】より危険な睡眠時無呼吸 ~脳・心疾患のリスク増~
【保健】初日の出の心身的効果 ~鬱対策は光を浴びて~
【保健】日本人肥満男性の食事と運動 ~糖尿病予防~
【保健】適性な「降圧目標値」 ~120未満で関連疾患が3割低下~
【保健】自由な裁量権でスリムに ~ストレスでメタボ~
【保健】目の老化には赤と緑と橙色 ~加齢黄斑変性症の予防~
【保健】早期発見のためにエコーと併用 ~乳がん検診~
【保健】骨折予防はカルシウムのほかに・・・・
【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~
【保健】糖質制限より脂質制限? ~体脂肪を減らす~
【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~
【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~
【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~
【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?
【保健】目の愛護デー ~緑内障による失明を予防~
【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~
【保健】ほぼ毎日食べると、死亡リスクが14%減少 ~唐辛子~
【保健】水族館でリラックス効果 ~血圧・心拍数に好影響~


【保健】赤身肉は魚や鶏肉に置き換えて ~大腸憩室炎の発症リスクを軽減~

2017年03月03日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)大腸憩室炎は、耳慣れないが、食生活の変化でじわじわ増加している疾患の一つだ。
 長年の便秘や腸管のけいれんなどで腸内の圧力が上昇すると、腸粘膜が圧力に負け、筋肉層のすき間から腸の外側へ袋状にぽこっと「はみ出す」ことがある。内側からは腸がペコペコ凹んでいるように見える。このくぼみが「憩室」で、憩室の数が増えると憩室症と診断される。
 憩室症の多くは無症状だが、時に出血を起こしたり、くぼみ内に便が詰まって血管を傷つけ、炎症(憩室炎)を引き起こす。典型的な症状は、周期的に下腹部が痛み、時間がたつにつれて熱や血便がでる。日本人の好発年齢は40代後半~50代前半で、男性に多い。

 (2)先日、米国の男性医療従事者を対象とした疫学調査「HPFS」から、赤身肉の摂取量と憩室炎の発症リスクが関連するとの報告があった。
 調査では、赤身肉(加工肉と未加工肉)、鶏肉、魚の摂取量と憩室炎との関連を検討。「HPFS」登録の約46,000人を追跡した。期間は、1986~2012年で、4年ごとに食生活に関する質問を行った。この期間内に、764例が憩室炎を発症した。

 (3)野菜の摂取量や喫煙などの生活習慣因子の影響を補正して解析した結果、週に1.2サービング(約100g)と最も赤身肉の摂取量が少なかった人と比較して、週に13.5サービング(約1,150g)を食べていた人は憩室炎リスクが約60%増加。
 また、加工・未加工を問わず赤身肉を毎日食べると、発症リスクが18%も上昇することも判明している。
 その一方で、1日1サービングの赤身肉を鶏肉や魚に置き換えた場合は、発症リスクが20%低下した。

 (4)研究者は、「今回の結果は憩室炎リスクがある人の食生活指針になるだろう」としている。
 さすがに、日本の一般中高年は、週に1kg以上もの赤身肉を食べないだろうが、「毎日肉じゃなきゃ!」 という人は珍しくないだろう。
 お疲れ気味の腸のために、週に1、2日は「体赤身肉日」をつくり、煮魚や鶏肉の酒蒸しを楽しむとよい。

□井出ゆきえ(医学ライター)「赤身肉は魚や鶏肉に置き換えて/大腸憩室炎の発症リスクを軽減 ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.337~」(「週刊ダイヤモンド」2017年2月18日号)
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 【参考】
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