2010/10/16re uploadわかる目次 |
初めての国語非常勤・実践記録11日記③辞めないでください (非常勤講師をやってみました) |
◆39日目・○月○日
僕は今月で今の職場は終わりと決まりました。
それをさりげなく匂わせた今日の授業中。
発言はほとんど男子です。
「辞めないでください」
「俺には決められないんだ。校長先生が決めることだからねえ」
「校長先生に抗議します。絶対残る可能性はないんですか」
「ないねえ」
「●●先生が戻ってくんの?」
「そうだな」
「じゃあ、美術の先生になってください」
「無理だよ」
「じゃあ、体育の先生が退職するから体育の先生になってください」
次々と食い下がってくる。
「俺は国語の免許しか持ってないんだよ」
「じゃあ体育の免許取ってきてください」
「そしたら一、二年かかるからおまえたち卒業しちゃうじゃん」
「それまで残ってます」
「アハハ」
「じゃあ、事務室の先生になってください」
「そしたら、おまえたちと会えないじゃん」
「いえ、僕から会いに行きます」
「アハハ」
「先生のおかげでお弁当が全部食べられるようになったのに」
「国語の授業と関係ないじゃん!」
一年生は本当に突拍子もないことを言う。
文章では緩慢だが、クラス対俺のやりとりは機関銃のように続いているのです。
ほんと笑えました。
うれしかったです。
そのときはやりとりで精一杯でしたが、こうして書いていると少し胸が詰まります。
女子でなく男子が言ってくれるっていうのが、またいいのです。
午後、三年の英語の先生が突然。
「今、三年の選択授業してたら、先生のファンクラブがあるそうで、
後援会長もいるそうですよ」
「いや、まったく知りません」
そこまで言われると気味が悪いです。
見たことも会ったこともない人たちなのに。
かつがれてんのかな?
◆40日目
ファンクラブは実在した。
昼、六、七人の三年の男女が職員室に呼びに来た。
「ちょっといいですか」
「はい」
「年賀状を出してもいいですか」
「もちろんです」
「住所を教えてください」
三年生なのだろうが、もちろん見覚えもない。
住所を書きながら、
「ナゾの集団はキミたちだったんだね」
「アハハ」
一体どういうメンバーなのだろう。
男女混じってというのが不思議だ。
聞きたかったが聞けなかった。
◆41日目
クラスによって天と地との授業。修行が足らん。
要するにやりたいことをやればいいのだ。
◆42日目・その1「準備」
▲組の授業の前に一時間かけて準備をする。
硬筆教科書から使えそうなもの二十ページのコピー。
一枚ずつ右上に大きく番号を振る。
番号と名前を書く欄を書き込む。
必要なページには「右側にまったく同じ大きさと形で写す」と書き込む。
その二十枚を四十人分印刷。
自作の▲組座席名簿をB5にコピーして二十枚印刷。
赤ペンで1から20まで番号を振る。
もしかすると使うかもと、
次回読み聞かせ予定の「空中ブランコ乗りのキキ」を四十人分印刷。
以上のものを整頓してカゴに入れる。
気合を入れて授業のイメージトレーニング。
どんな状況になっても切り替えて対応するのだ。
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