カルテ番号 め・3（43）
礼子は、また涙をにじませた。
「先生のおかげです。
あの時の先生のアドバイスがあったから、今があります」
院長は言った。
「それは違います。
人が運命を好転に変える。
それは、アドバイスとかヒントとかではありません。
そういうキッカケは、あらゆるところに転がっています。
本当に、あらゆるところにあるのです。
日常の中に、沢山、沢山、山のように転がっているのです。
ただ、中々気づかない。
そして、何かにタイミング、縁、その他で、ひっかかることがあります。
それも、それほど重要ではありません。
好転に変えたのは、その後の行動にあるのです。
つまり、好転に変えたのは、本人であり、本人以外には変えられません。
明木さんが立ち直ったのは、明木さんの行動が続いたからです。
だから、明木さん、とても立派なのですよ」
その言葉は有り難いし、嬉しい。
でも、でも、やはり、院長のアドバイスがあったからこそだと思う。
「これからは、更に新しい人生を歩めます。
人は誰でも、いつからでも、どこからでも新しい人生を歩めます。
でも、実際に歩む人は、それほど多くありません。
明木さんは、歩む事を知った人です。
これから先、更に、とても楽しみで愉しい事が待ってますよ」
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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