タカちゃんの絵日記

何気ない日々の感動を、スケッチと好きな音楽と、そして野鳥写真を。。。

藤波の、花は盛りに、なりにけり。 (大伴四綱)

2012-05-13 | 風景

各地の公園や寺院などで、藤の花が満開を迎え見事

に咲き乱れています。

「まぁ~きれい すご~い」等と感嘆の声が聞こえ、

棚の下には緋毛氈の縁台が設けられ、 抹茶などが

舞われたりして今、「藤の宴」真っ盛りです。

            「藤の宴」と言えば、源氏物語の花宴巻の「桜と宴」と

            並び有名です。

            右大臣家の「桜の宴」に招かれた光源氏は、朧月夜と

            出逢います。

            宴の夜「♪朧月夜ににるものはなし~」と口ずさみつつ

            ふらふらと舞い現れた朧月夜。

            光源氏はこの出会いが忘れ難く、名前を明かさなかった

            彼女は一体誰なのか? 右大臣家の姫君の一人ではな

            いかと当たりは付けたものの気掛かり?でなりません。 

そののち、再び「藤の宴」に招かれた光源氏、しかし好機到

とばかりに飛び付くことなく(ここが光源氏のしたたかなところ)、待た

せてじらします。 

右大臣家では、本音は来て欲しくない、しかし当代切ってのス

ターの来ない宴は格が下がってしまう、右大臣家では仕方なく

迎えを遣わしさらに誘うと、渋々と重い腰を上げ装い、光源氏を

敵対視する右大臣家に乗り込むのです。

しかし、光源氏は当代きっての権力者の館に招かれたと云うの

に、衣冠束帯の装束ではなく、人目を引く風流な着流し?で、し

かもひとり遅れてスター気取りで登場。

            男達との宴は適当にやり過ごし、朧月夜を捜すために酔った

            振りして女達の集まる部屋に近づきます。 

            御簾の向こうで興味深々の女達に、朧月夜と最初の出逢いで

            取り交わした、扇を題材に歌を詠みかけます。

            すぐに軽々しく返歌してきた女を、「この女ではない」と判断。

            そこにただ一人、応えることも出来ずに深く溜息をもらす女が居

            る、「この人だ!」と思った光源氏は、凡帳越しに手を捕らえると

            確かにそうであったと云うのが、「藤の宴」のエンディング。

            光源氏が朧月夜と再会して、彼女が誰なのかを知る重要な場面

            です。

それにしても、平安時代にもしノーベル文学賞があったならば

「源氏物語」の作者・紫式部は、間違いなく受賞していたと思い

す。

          ~今日も良い一日であります様に~