清流に泳ぐ鮎、時折、銀色に輝く腹を見せながら、石苔を食べています。
日本有数の漁獲量を誇る高津川(島根県益田市)は、今年も「清流日本
一」に輝やき、島根の水質の良さを実証した形です。
そんな訳で、鮎ばかりは水槽での飼育にはちょっと無理があり、清流(自
然)の生け簀に泳いでいます。
淡水魚の王様、淡白な味と腹のほろ苦さが絶妙、また仄かなスイカの香
り(水質が落ちる所ではキュウリの香り)を好んで、わざわざ鮎料理を食べ
る目的だけで、都会地から足を運ぶ人も増えている様です。
鮎は秋には「さびあゆ」と呼ばれる橙色と黒の婚姻色に変わり、産卵のた
めに下流域へと川下りをする「落ち鮎」の呼び名があります。
私の育った神戸川流域では、かつてはこの「落ち鮎」を狙った川辺に櫓を
組んだ四手網漁が盛んに行われたものです。(正方形の網を川底に沈め
、時々持ち上げて鮎を獲る)
父が夜更けにヨツデ漁から帰って来て、母と一緒に獲った鮎を竹串に刺し
てカマドで焼く、香ばしい匂いを思い出します。
この落ち鮎は、若鮎とは違って味は格段に落ちますが、正月料理の最上
級の出し汁として、また珍味「うるか」や甘露煮等が食卓に上ったものです。
人間だけの世界ではない自然界こそ、昔ながらの自然(清流)のままが良
いですネ。
~貴方にとって、今日も良い一日であります様に~