徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

家系を受け継ぐ息子

2023-03-30 08:22:14 | 建築つれづれ…
 春は別れの季節でもあり、出会いの季節でもある。

 この春、息子が無事に大学を卒業し新社会人としての一歩を踏み出す。

 その門出である卒業式に赴いた。

 

 4年前の入学式。娘の大学の編入とも重なり、当時の我が家は娘と息子の引越と入学式が重なりてんやわんや。

 息子が卒業する4年間で、娘と息子のところに何回か遊びに来たいねと嫁と言っていたが、その後のコロナ禍でその言葉は実現できなかった。

 小学校の頃から「俺、大工になりたい。」と言っていた息子。

 その言葉に「いいんじゃないか。今どき、若い職人が少ないからチャンスだと思うよ。」と背中を押した私。

 代々我が家は、私の父、祖父、曾祖父と大工の家系。

 私が継げば4代目だったが、同系列の道を歩んだものの4代目にはならなかった。

 父からは大工を継げと、小さい頃から催眠術のように言われたが、その催眠術には肩までどっぷり嵌らなかった私。

 亡くなった父の血は息子が受け継ぐことになる…。

 卒業式に出席後、私は仕事の打合せで都内に向かい、その日の夜は横浜に赴き娘と合流し家族四人で会食。

 息子の赴任先は、私も若い頃に1年半通った同じ場所。

 息子はアパートの部屋から、私の設計したビルを眺めながら新社会人、新米大工としての一歩を踏み出す。

 これも何かの縁である。

 私の若い頃の目標は、「私が設計した建築を父が造る」ことだったが、今は違う目標となった。

 「私が設計した建築を息子が造る」

 草葉の陰から父も喜んでいるに違いない…。
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