徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

9年ぶりのプレッシャーから解放される

2018-07-10 08:40:51 | 建築つれづれ…
 5月中旬から始まった設計プロポーザル。先日プレゼンが終わり後は結果を待つばかり。

 3月に市発注の設計プロポーザルが出るという情報を入手。

 当事務所でも参加できる条件だという話で、チャンスは大いにあると判断。参加することは話を聞いたときに直ぐに決断した。

 それから専門書を読み漁り情報をかき集め提案施設の勉強を始め、計画敷地にも何度も足を運んだ。
 
 

 5月中旬にプロポの公告が出ると参加条件に目を通す。

 当事務所が単独で参加できる条件ではなかったが、設計JV(共同企業体)という形では参加できる要項になっている。すぐさま旧所属事務所と設計JVを組んだ。

 民間では4年前に行ったが今回は公共のプロポ。公共プロポ参加は実に9年ぶり。

 当事務所は私一人でやってる設計事務所。今までパワーを使うプロポはどちらかというと敬遠気味&及び腰だった…。

 今までの考えを変えるきっかけになったのが二つある。

 独立して10年の節目に違うベクトルも持とうと思ったこと、針生氏と会って話をした機会に感じたこと、この二つである。

 この二つの思いから、今後プロポの機会があるなら参加していきたいと今までの思いを覆すことを再認識。

 そんな心境下で案を熟慮し旧所属事務所のスタッフや各セクションと打合せを行い、先月末に提案書を提出し先週にプレゼンを終えた。

 今回のプロポをやりきってやっぱプロポは面白い、と感じる自分がいた。

 こんなにパワーを使う仕事は毎回毎回だと精も根も尽き果てそうだが、勉強になるしスキルアップにも繋がるし刺激も受ける。

 確かに案を練ってるとき、他の参加者がどんな案を出してくるのか、それよりいい案を作らなきゃというプレッシャーでここ2ヶ月で3kgほど痩せた。

 そのプレッシャーに押しつぶされそうになったときもあった。

 そんな気持ちも全部踏まえて今は達成感が漂っている。

 果報は寝て待て。人事を尽くして天命を待つ。そんな心境で今一つの達成感を感じながら、まったりとした朝を迎えています。
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世界的建築家の作品に触れる

2018-07-05 08:42:32 | 建築つれづれ…
 先週開催された「スイデンテラス」見学会。

 スイデンテラスとは世界的に有名な建築家・坂茂氏が、隣町鶴岡市に設計したヤマガタデザインの本社と宿泊施設。

 

 残念ながら見学できるのは宿泊施設のみ。

 隣には子供をターゲットにした屋内遊戯施設「ソライ」も工事中であった。

 宿泊施設の交流棟であるヤマガタデザイン本社は既に使用していて外観のみの見学。

 どちらかというとヤマガタデザイン本社とソライの方が見たかった…。

 交流棟の屋根は集成材と張弦梁の組み合わせ。集成材の梁をそのまま屋根材(野地板も兼用か)として使用している。

 この切り妻屋根は斬新で軒樋も設けていない。軒樋を設けなくても許容したクライアントの考え方に敬意を表したい。

 

 渡り廊下はかなり薄い。鉄骨と集成材のハイブリッド構造なんだろうか。

 

 いやいやよく見ると鉄骨造のようだ。この当たりは設計者に確認したかった。

 宿泊棟のデザインはいささか坂さんらしくないなというのが第一印象。

 

 話によれば、坂さんはホテルを含め住居系の設計は初めてだとか…。そんなことも関係しているのだろうか…。

 かなりあっさりしていて物足りなさを感じた。

 坂さんといえば紙管。見学した中にそれはなかなか見当たらなかったが、最後に出てきた。

 宿泊室のベッドサイドのヘッドボード。やっぱりこれが無いと坂さんではない。上手く使ったものだ。

 

 隣のソライは屋根架構の真っ只中。集成材の屋根フレームを組み立てている。

 

 この庄内地方で世界的著名な建築家の作品が見れる。時代も変わったものだが、嬉しい限りである。

 全部の施設を見学したかったが、またの機会、若しくはオープン後に再度見に行こう…。

 
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秋田・大館での初心回帰

2018-07-03 08:58:48 | 建築つれづれ…
 5月から何となく色んなもの・ことに追われてバタバタしていた。

 6月23日(土)、24日(日)とASJのイベントで秋田県大館市に向かった。片道約3時間半の道のり。

 会場は大館樹海ドームの隣にある付属施設内。大館樹海ドームは完成当時、我々建築界では話題になった木造屋根のドームである。

 

 この日は野球の大会が行われていたが、屋根トラスは実に綺麗で30年ほど経った今でもその優雅さは錆びれてはいなかった。

 

 その樹海ドームの隣にあるのが樹海体育館。

 

 一目見て直ぐに分かった。以前所属していた事務所の作品である。私が退社する頃、隣の席の後輩が設計していた体育館だ。

 30代前半だったあの頃、どんな気持ちで建築に取り組んでいたのか、どんな気持ちでこの世界に入ったのか、もう一度再確認する為に体育館へと足を運んだ。

 

 

 近くで見る集成材の張弦梁は実に荘厳的で実にデカい。図面で描くのと実際のものを見るのとでは全然違う。

 頭の中で自分の都合のいいようにスケール感が変換されていた。

 

 地元酒田に帰っていい仕事を手掛けたい。建築は規模の大小で決まるもんじゃない。

 東京時代と同じようなことはできないかもしれないが、志は常に同じものを持って取り組みたい。

 そんな気持ちを持って意気揚々と帰郷した17年前。

 17年経った今、自分はあの時描いていた青写真通りになっているのか。それとも全然違った写真を描いているのか。

 もう一度、省みる自分が大館にいた。
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