自己世界は五感による世界が基本だが、以前外部からの光や音等の情報を頭で情報処理し心のスクリーンに投影しているのだと書いた。
スクリーンというと映画館のスクリーンを思い浮かべるが、あんな白い平面のものではない。どちらかというと、インジェクションマッピングの方がぴったりする。インジェクションマッピングとは、その映像を見られた人も多いと思うが建物なんかにその枠に合わせていろんな映像を投影し見せるものである。東京駅や大阪の中之島公会堂で行われたのがよく知られている。
たとえば、目の前に人の顔があるとすると、その顔から発せられた光情報を眼で捉え、その信号が脳に送られ脳で情報処理されてその結果がその元の顔に投影されてその人がそのようにあることを認識するということになる。
そうでないと距離感というものが出てこないし、一体感が得られない。
見たり聞いたりするものは、心のスクリーンに映ったもの、つまり、心の影、ないと思えばないというようなものではない。たとえば、向こうから自動車がやって来る、ないと思えばないと避けずにじっとしていれば車に轢かれるか、バカヤローとどなられるといった仕儀となる。実物はちゃんとあるが、それに自分の造った映像を載せているのである。