漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「北ホク」<二人が背をむける> と 「背ハイ」「乖カイ」

2024年02月04日 | 漢字の音符
 ホク・きた  ヒ部 běi          

解字 二人の人が背をむけた形の会意。もと背中の意で、背の原字。二人が背を向けることから、そむく意。および、背を向けて逃げる意となる。また、太陽が南中したとき体を向けると背になる方角の北を意味し、この意味が主流となった。部首はヒ部。
意味 (1)きた(北)。⇔ 南。「北極ホッキョク」「北陸ホクリク」 (2)そむく。 (3)にげる。「敗北ハイボク

イメージ 
 「背をむける」
(北・背)
 「同体異字」(乖)
音の変化  ホク:北  ハイ:背  カイ:乖

背をむける
 ハイ・せ・せい・そむく・そむける  月部にく bèi・bēi
解字 「月(からだ)+北(背をむける)」の会意形声。身体の背をむける部分。
意味 (1)せ(背)。せい(背)。せなか。うしろ。うらがわ。「紙背シハイ」(文書のうら)「背中せなか」 (2)そむく(背く)。そむける(背ける)「背信ハイシン」(信頼をうらぎる)「背任ハイニン」(まかされた任務にそむく)

同体異字
 カイ・そむく  ノ部  guāi             


 上は乖、下は羊
解字 篆文は、羊の角を上に、そこから下に伸びる線の両側に、左右に分けるしるしを描いた象形。羊の角が互いに分かれてそむき離れているさま。現代字は羊の角とそこから伸びる線が「千」に、分かれるしるしが「北」に変化 した。乖になった。
書き方 せんきた(千北)でカイ
意味 (1)そむく(乖く)。さからう。たがう。「乖隔カイカク」(そむきへだてる) (2)はなれる。わかれる。「乖離カイリ
<紫色は常用漢字>

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